妊娠中(妊婦)でもアトランティクサーモンは食べられる?リステリア菌?

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“アトランティクサーモン”は妊婦さんでも食べられる魚です。

しかし、スモークや生サーモンには注意する必要があります。また、サーモンが持つ妊婦さんにとって効果的な栄養素には、何があるのでしょうか?今回は、

  • アトランティクサーモンは妊娠中でも食べられる?
  • サーモンが含む主な栄養素
  • スモークサーモン・生は危険?
  • 妊娠中でも安全おいしいレシピ

これらのテーマについて紹介いたします。

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アトランティックサーモンってどんな魚?

“アトランティックサーモン”は、「タイセイヨウサケ(大西洋鮭)」とも呼ばれています。各国の北大西洋とその流入河川に広く生息するサケ目サケ科サケ亜科タイセイヨウサケ属の魚です。海中飼育(養殖)され天然漁獲の個体と違い寄生虫の懸念が少ないのが特徴的です。サケ類の中では比較的大型で、頭部は小さく全長90cm~110cm、頭部から背部にかけ黒点が散在しています。おすすめ料理は、ムニエル、スモークサーモン、刺身などです。

生産地

日本に流通しているアトランティックサーモンは、ノルウェー産チリ産が多いです

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アトランティクサーモンは妊娠中でも食べられる!

アトランティクサーモンは、妊娠中でも食べられる魚です。アトランティクサーモンには、”タンパク質”“DHA・EPA”、”ビタミンD”、”ビタミンB群”が多く含まれています。これらの栄養素は、妊娠中にどんな効果をもたらすのでしょうか?

妊娠中期以降はタンパク質量を増やして

タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。

たんぱく質の摂取目安量
  • 妊娠前の成人女性…50g/1日
  • 妊娠初期…50g/1日
  • 妊娠中期…60g/1日
  • 妊娠後期…75g/1日

妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。

ビタミンB群の各効果とは?

ビタミンB群の中でも、アトランティクサーモンに含まれるB1・B2・B12には妊婦さんにとってこのような効果があります。

ビタミンB群の働き
  • ビタミンB1……糖質をエネルギーに変える時に必要
  • ビタミンB2……タンパク質の代謝に働き成長を促進
  • ビタミンB12…DNAの生成に関わる栄養素

どれらもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。

骨を丈夫にするビタミンD

アトランティクサーモンに含まれるビタミンDには、カルシウムが吸収されるのをサポートし骨を丈夫にする働きがあります。ビタミンDは不足しがちなもので、太陽の光に当たり紫外線を受けることでも生成される栄養素です。

ビタミンDが不足すると「ビタミンD欠乏症」となり、カルシウムが吸収されにくくなったり、骨粗しょう症や骨軟化の原因となります。また、赤ちゃんの足が曲がってしまう「くる病」という病気になるリスクも上がります。

ビタミンDは妊娠中はもちろんのこと、授乳中にも必要不可欠な栄養素です。妊娠期・授乳期共に1日あたり8.5㎍のビタミンDが必要で、きのこにも多く含まれています。

DHA・EPAは脳の発達に欠かせない

DHA(ドコサヘキサエン酸)EPA(エイコサペタエン酸)は、主に魚に含まれている良質な資質です。この2つは 赤ちゃんの脳の発達に欠かせない栄養素 で、体内で合成することができないため食事から摂る必要があります。

妊娠中の必要量

妊娠中は1日1.6gほどDHAを摂ると良いとされる

(※2020年『日本人の食事摂取基準』より)

ママが食べたDHA・EPAは胎盤を通して赤ちゃんに届き、成長を大きくサポートします。

いつから必要?

DHAやEPAは妊娠20週のから胎児の脳で増え、2歳までの成長の脳の成長と共に蓄積する

出産後も継続的にDHAやEPAを摂り、母乳を通して与えることで赤ちゃんの成長を助ける働きがあります。

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アトランティクサーモンに多く含まれる主な4つの栄養素

サーモンには、タンパク質やDHA・EPA、ビタミン類が多く含まれており高栄養の魚です。ほどよく脂質も含まれているので、しっとりとした食感が特徴です。

  • たんぱく質:たんぱく質は20種類のアミノ酸が複数個結合することで作られています。結合するアミノ酸が種類や配列によって様々な臓器や組織の材料になります。特に筋肉の材料として使用されるため、多くの摂取が望ましいです。食品では魚や肉、大豆に多く含まれており、様々な種類を多く摂ることが大切です。
  • ビタミンB1:ビタミンB1は、人間の代謝に関わるビタミンで、炭水化物を糖に分解し、エネルギーを作り出す経路の最初を担います。食べた糖質全般を燃焼させる工程に関わるため、不足すると疲れやすくなります。また脳の神経伝達物質にも関わり、集中力を増やすや手足の痺れにくくすると言った働きがあります。
  • ビタミンB2:ビタミンB2は、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝で、酵素に近い補酵素としての働きます。ビタミンB2は単独では酵素としての働きは持たないものの、体内で特定の分子がつくことで代謝の働きを担います。三大エネルギーの分解の他、体内の活性酸素の除去作用も持っています。
  • ビタミンD:ビタミンDは、カルシウムの働きをサポートし主に骨形成を助けます。加えて、筋肉や神経伝達において不可欠なカルシウム濃度の調整も担っています。細菌の研究では、ウイルスや細菌に対する免疫効果の向上する。抗うつ作用も注目されています。
 

アトランティクのスモーク・炙り・生は危険?

妊娠中スモークサーモンは控えて

スモークサーモンには、リステリア菌が含まれている可能性があります。リステリア菌はスモークサーモン以外にも、明太子やたらこ、生ハムに含まれている可能性のある菌です。

万が一妊娠中に食べると、胎盤や胎児に菌が伝わり発育に影響が出たり流産する可能性があります。また、食中毒を起こした場合、繰り返す下痢によって子宮収縮を起こし、早産や流産リスクが上がる原因となります。

生サーモン・炙りサーモンは食中毒の危険性あり

サーモンは生でお刺身にしても美味しい魚ですが、残念ながら妊娠中に生魚は控えた方が良いとされています。お刺身やお寿司などの生魚介類には、腸炎ビブリオ菌”ノロウイルス”病原性大腸菌”による食中毒リスクがあるからです。

これらの食中毒により繰り返し下痢を起こすと、子宮収縮を起こし胎児へ影響が出ることも考えられます。また、本来であれば飲める薬も妊娠中には限られるため、食中毒になった時に満足な治療ができないこともあります。

いつもなら問題なく食べていた食材でも、妊娠中にはあたる可能性が高くなるため、食中毒・感染症リスクのあるお刺身の摂取は控えるようにしましょう。

妊娠中でも安全おいしいアトランティクサーモンのおススメレシピ

妊娠中にアトランティクサーモンを食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?妊婦さんでも安心して食べられるオススメのレシピをご紹介します。

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グリル

アトランティクサーモンをフライパンやオーブンで焼けば、ほっくり柔らかく美味しいサーモン料理が簡単に作れます◎ お好みでバターをのせるとコクが加わって美味しいですよ。野菜も一緒に焼いて、栄養を摂りましょう。

フライ

アトランティクサーモンはフライにしても美味しく食べることができます◎ タルタルソースをかけるとより一層美味しくなるので、ぜひ試してみてください。卵にもタンパク質が多く含まれているので、栄養面もGOODです。

妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • アトランティクサーモンは妊娠中でも食べられる魚!
  • サーモンに含まれるタンパク質:妊娠中にはより多く必要なエネルギー源!
  • サーモンに含まれるビタミンB類:糖質やタンパク質の代謝に関わる!
  • サーモンに含まれるビタミンD:カルシウムの吸収を助ける!
  • スモークや生はリステリア菌のリスクがあるので妊婦さんは控えて!

アトランティクサーモンはタンパク質量が多く、エネルギー源としてオススメの魚です。しっかり加熱したものであれば、妊娠中でも食べられるので安心してくださいね。

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