【家紋】南天紋の意味・由来は何?植物紋の一種を解説!

赤い実をつける植物は様々ありますが、「南天」という植物をご存知でしょうか?南天はかつて、厄除けの効果があるとして日本人の生活の中に存在していました。

その効果にあやかって「南天紋」が用いられるようになりましたが、あまり人気ではなかったようなのです。

今回は、「南天紋」の意味・由来・種類や、厄除け効果に期待し南天と共に飾られた柊についてご紹介いたします。

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南天紋の意味・由来とは?

読み方 なんてんもん
家紋の分類 植物紋
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南天はメギ科の常緑低木で、「難を転ずる」という言葉に通じ、縁起の良い植物として扱われいました。「吉祥」や「厄除け」の意味も持ち、多くは祝賀の際に用いられました。

また、南天の葉は解熱効果や咳に効果があるとして、薬としても使用されていました

赤い実がなかなか落ちないことからも縁起が良いとされていましたが、南天が広く浸透したのは遅く、江戸時代に園芸愛好家によって用いられました

その後、縁起が良いという理由家紋としても用いられましたが、使用者に関してははっきりとしていません。

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南天の家紋の種類を解説!

三つ葉南天

抱き南天

三つ追い南天

南天桐

亀甲形三つ割南天

向かい南天菱

対い南天

南天胡蝶

南天紋の種類を見てみると、一番の特徴である実をしっかり描いたものが多く見られます。

南天のみで構成された「三つ葉南天」「抱き南天」「三つ追い南天」や、南天で他の紋の形を構成した「亀甲三つ割南天」「向かい南天菱」「南天胡蝶」などもあります。それぞれ「亀甲」「菱」「蝶」の形にデザインされていますね。

また、人気の高かった「桐紋」と組み合わせた「南天桐」というデザインもありました。南天紋には使用者があまりいなかったものの、このようにいくつか種類が存在しています。

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「柊」と共に植えた厄除けアイテム

かつて日本では「厄除け」に植物を用いることが多くありました。南天もその一つで、同じく厄除け効果があるとされていた柊(ひいらぎ)と共に鬼門の方向に植えると、その効果を発揮すると言われていました。

鬼門とは北東の方向を指し、節分の豆まきの際には戸に柊をさして魔除け効果を期待したそうです。

こちらは柊ですが、南天と同じように赤い実ができるのが特徴です。柊を使用した「柊紋」もあり、あまり使用されることのなかった南天紋とは異なり、江戸時代には60を超える幕臣の家で家紋に用いられていました


「柊紋」について別の記事で詳しく紹介していますので、あわせてチェックしてみましょう!

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まとめ

厄除けの意味を持って使用されていた南天を家紋化した「南天紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

赤い実を描いた南天紋は女性が好みそうな可愛らしい紋ですが、実際のところ使用者は少なく、他の紋と比べると情報量も少ないものとなっていました。

かつては植物が厄除けとして用いられることが多くあったので、そのような歴史について調べてみるのも面白いですね。是非いろいろな植物紋をチェックしてみましょう。

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