水を飲んだだけで苦いって感じたことありますか?もしかしたら、それは薬剤性味覚障害かもしれません。何らかの病気の治療中に服用している薬が原因で極まれにおこる味覚障害です。今回は
- 水が苦いのはなぜでしょう?
- 薬剤性味覚障害になっていたらどうしたらいいですか?
- 低亜鉛血症になっていたらどうしたらいいですか?
スポンサードリンク
目次
|
|
水が苦く感じる原因は?
「甘い」「塩からい」「酸っぱい」「苦い」「旨味」などの基本の味がわからない状態を「味覚障害」といいます。生命維持に欠かせない水が、なぜ味覚障害になると苦く感じてしまうのでしょうか?
水自体が苦い
普段飲みなれているはずの水に苦味を感じていたら、何らかの原因で味覚障害を引き起こしています。主な原因は「亜鉛不足」です。
頬の内側や唇、舌の表面には、味蕾という味を感じる細胞の集まりがあります。味蕾は、10日間で細胞が入れ替わります。これを新陳代謝といいます。必須アミノ酸である、亜鉛は味蕾の細胞を入れ替えるためにかかせません。身体の中にわずかしかないので食べ物で補うしかないのです。
もう一つ考えられる原因は、「全身疾患の影響」です。例えば糖尿病の疾患があった場合、その病気の治療を怠ったりすると重度の合併症が起こりやすくなります。
この合併症のひとつが、神経障害です。味蕾から脳に伝達すべき「味」を神経に障害が生じたために、基本味の成分が脳に伝わらない状態になってしまうのです。そうなると味がわかりづらくなったり、水が苦いと感じてしまうのではと考えられます。
低亜鉛血症
亜鉛が足りなくなると味覚障害だけでなく、体調不良が起こりやすくなったり、身長が伸びないなど成長にも影響を及ぼします。長期にわたり治らない傷や病気などの症状が続いている場合には「低亜鉛血症」を疑い、医療機関に相談をしましょう。
薬剤性味覚障害
薬の副作用による初期症状で味覚障害を起こすケースが極まれにあります。特にいろいろな薬を服用している高齢者に多いといわれています。もし何らかの薬を服用するようになってから味を感じない、食事がおいしくなくなっていたら「薬剤性味覚障害」かもしれません。
スポンサードリンク
薬剤性味覚障害とは
持病の治療で服用している薬が、もしかしたら亜鉛の吸収を低下させているかもしれません。味覚障害の原因が薬の副作用だったとしたら、どんな症状でどのような治療法なのでしょうか?
症状
症状には個人差があります。主な症状は、以下の通りです。
- 味が薄くなった・味が感じにくい
- 全く味がしない
- 甘み(苦味)だけがわからない(特定の味だけを感じなくなる)
- 水が苦く感じる(本来の味と違った味に感じる)
- 何を食べてもまずい
- 味が濃くなる
- 食べてい(口の中に何も)ないのに苦味や塩味を感じる
- 舌や口の片側だけしか味を感じない
1や2、8のような症状の場合は、味付けの判断がつかず、濃い味付けにしがちです。それを食べ続けていたら、高血圧など生活習慣病を発症し悪化するかもしれません。上記のような自覚症状を感じたら早めに医師や薬剤師に相談をしましょう。
治療法は?
薬を服用してから、2〜6週間で上記のような症状が現れます。 早めに原因となる薬の服用を止めるか変更すると緩和されます。ただし止めても味覚障害の症状が続く可能性もあり、回復には時間がかかります。
低亜鉛血症とは
亜鉛が低下しているかの診断基準は、血液中の亜鉛の濃度を検査します。では、低亜鉛血症の症状はどのように治療するのでしょうか。
症状
- 皮膚炎や口内炎、味覚障害のひとつでもあてはまる症状がある
- 血液検査で(亜鉛が必要とする酵素である)アルカリホスファターゼ値が低い
- 1と2の症状の原因となるほかの病気が見当たらない
- 血液検査で血液中の亜鉛の濃度が60㎍/dL未満であると診断された
- 亜鉛を補充すると症状がよくなる
治療法は?
治療方法は、主に食事療法と亜鉛補充療法の2つです。最初に亜鉛を多く含む食べ物を積極的に摂ります。推奨される1日の亜鉛の摂取量は、成人男性10㎎、成人女性8㎎です。
食事だけでは改善がないと医師が判断したら、亜鉛を補充するために飲み薬の治療を行います。個人差があるので、症状に合わせて治療は進められていきます。気になる症状があらわれたら、医師や薬剤師に相談をしましょう。
肉・卵類: 豚・鶏レバー、卵黄
豆類・ナッツ類: 納豆、アーモンド
乳製品: プロセスチーズ
穀類: 精白米、食パン など
スポンサードリンク
まとめ
以上になります。いかがでしょうか。
この記事をまとめると
- 水を苦く感じる原因は、必須アミノ酸である栄養成分「亜鉛」の不足が考えられます
- 「神経障害」をおこすと、味蕾から脳に伝達すべき「味」を神経に障害が生じているので、基本味の成分が脳に伝わらい可能性もあります
- 薬剤性味覚障害は、服用している薬が、亜鉛の吸収を低下させている可能性があります
- 早めに医師や薬剤師に相談し原因となる薬の服用を止めるか変更をしましょう
- 低亜鉛血症とは、味覚障害などの自覚症状があり血液検査で血液中の亜鉛の濃度が60㎍/dL未満と診断をされた場合です
- 亜鉛を多く含む食べものを積極的にたべる食事療法や飲み薬で亜鉛を補充する治療があります
毎日の食事の中で上手に摂取していけたらいいですね!