ラム肉は食中毒に注意!正しい下ごしらえの方法・柔らかくする方法は

日本でお肉と言えば、牛肉や豚肉、鶏肉が思い浮かぶ方がほとんどではないでしょうか。今回、お話するのは羊肉について。宗教的なタブーも少ないことから、世界中で食べられています。日本でもジンギスカンやラムしゃぶなど、随分一般的な食材となってきましたよね。脂肪燃焼効果が高いと話題になったことから、ダイエットやトレーニーにも注目のお肉です。

他の肉には無い、独特のクセがあるので、匂いが気になる方や、もしかするとせっかく買ってきたものの、食べるのに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、

  • ラム肉で食中毒になる?
  • ラム肉は下ごしらえが肝心!
  • ラム肉で食中毒を起こさないために
についてご紹介させていただきます。

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ラム肉で食中毒になる?

ラム肉とは、一般的に生後1年未満の仔羊のこと。フレンチやイタリアンでも定番の食材です。お店で食べると、中がレアな焼き加減で出されることも多いラム肉、食中毒の危険性は無いのでしょうか。

食中毒になるケース

実は新鮮なラム肉は、人に害を及ぼす寄生虫や菌がいないため、生で食べても問題ありません。肉表面に菌が付着する可能性はありますが、その場合も表面をしっかりと焼いて加熱すれば、中はレアのまま食べても大丈夫です。では、ラム肉で食中毒を起こすのはどんな場合でしょうか。

鮮度が落ちている

鮮度が落ちた魚を刺身で食べる人はいませんよね。ラム肉も同様に、鮮度の悪い肉をレアで食べると、食中毒や食あたりを起こす可能性があるので注意が必要です。

【鮮度の良いラム肉】

  • 薄い赤~ピンク味がかかった色
  • 脂身がキレイな白色
  • 肉にハリがあり、ドリップが出ていない

【鮮度の悪いラム肉】

  • 肉が変に濃い赤色(血の色)、または変色している
  • 臭いがきつくなっている
  • ドリップが出ている

ラムのミンチ肉を使用している

ブロック肉やステーキ肉などは、肉表面にたとえ菌が付着していたとしても加熱で殺菌できますが、 ミンチ肉の場合は中まで菌が混入してしまう場合があるので要注意!しっかりと中まで加熱してから食べるようにしましょう 

他の肉と同じ調理器具を使っている

焼肉やバーベキューなど、他の肉と一緒に調理する場合は、調理器具にも気をつけましょう。特に豚肉や鶏肉をさわった箸やトングなどでラム肉をさわってしまうと、そこから菌が付着することも。生肉用のものと調理済み用のものを分けておくと安心です。

食中毒に注意すべき人

鮮度が良ければ生でも食べられるラム肉ですが、幼児や高齢者、妊娠中など、抵抗力の弱い人は注意が必要です。レアで仕上げるよりも、中までしっかりと火を通してから食べるようにしましょう。

食中毒を起こした場合の症状

ラム肉で食中毒を起こした場合、カンピロバクターやサルモネラなど、鶏や牛、豚の腸内に存在する菌によるものと考えていいでしょう。

【カンピロバクターによる食中毒】

  • 潜伏期間・・・1~10日
  • 症状・・・・・下痢、腹痛、発熱、嘔吐など

【サルモネラによる食中毒】

  • 潜伏期間・・・8時間~4日
  • 症状・・・・・悪心、嘔吐、下痢、腹痛など

これらの食中毒は、健康な大人であれば重症化することは稀ですが、前述のように幼児や高齢者、妊娠中、また持病のある方などは注意が必要です。

特に、 下痢や嘔吐が時間が経過しても治まらない、あるいはひどくなる、自分で水分の補給が困難である、意識障害があるといった場合は、なるべく早く医療機関を受診しましょう。  自分で水分が摂れ、症状も次第に治まってくるようであれば、自宅で様子を見ても構いません。その場合も、脱水症状には気をつけましょう。

トキソプラズマ症とは

ラム肉の食中毒で、もうひとつ注意しなければならないのがトキソプラズマ症です。

トキソプラズマ症は、多くの動物や鳥が持っている、トキソプラズマ原虫という寄生虫に感染することで起こる感染症。生肉を食べることでも感染する可能性があります。

健康な大人の場合、発症に至ることは少なく、また発症しても発熱程度の軽症で済むことがほとんど。ですが、 妊婦が初めて感染した場合、稀にではありますが、胎盤を通して胎児も感染し、先天性トキソプラズマ症を引き起こす ことがあります。

感染しても胎児に症状が出ると決まったわけではありませんが、 先天性の異常や、最悪の場合、早産や流産に繋がるケースも。妊娠中は、なるべく生やレアの状態で食べることは避けるように しましょう。

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ラム肉は下ごしらえが肝心!

新鮮なラム肉はレアでも食べられるとは言っても、やはりあの独特のクセや香りが苦手、という方もいらっしゃいますよね。次はラム肉をおいしく食べるための下ごしらえについてみていきましょう。

臭みを抜くには

まずはラム肉の臭みを抜く方法を、いくつかに分けてご紹介します。

脂の部分を取り除く

ラム肉の香りは食べている牧草によるもの、牧草の葉緑素クロロフィルが、羊の体内で化学反応を起こして「フィトール」という物質に変化し、それが独特の風味の元となると考えられています。

このフィトールが多く含まれているのが脂身の部分です。不飽和脂肪酸を多く含むラム肉は、特に酸化しやすいのも特徴。脂の酸化臭が加わって、さらに臭いが強くなってしまうことも。 脂身の部分を調理前に取り除く、あるいは脂身に切り込みを入れ、そこからしっかり焼き付けてあげる、などの方法で、随分臭みが気にならなくなります。 

香りの強いハーブと組み合わせる

ハーブは昔から肉料理の臭み消しとして重宝されてきました。特にローズマリーは、ラム肉との相性も抜群!下味をつけるときに一緒にもみ込んでおくと、独特の臭みを消して、さらに良い風味もつけてくれます。

下茹でしておく

調理前にお酒を加えたお湯で軽く下茹でしてしまうのも、臭みを取るためには有効です。ただ、 旨味成分が抜けて硬くなってしまいがちなので、茹で時間には気をつけて! 茹で上がった後に血のかたまりやアクを洗い流してあげると、より臭みが取り除けます。

柔らかく仕上げる方法

お店で食べるとジューシーで柔らかいのに、家で作るとイマイチ硬くて味気ない、なんて経験はありませんか?続いては、ラム肉を柔らかく仕上げるための下ごしらえについてご紹介します。

フルーツ果汁に漬け込む

フルーツには、お肉のタンパク質を柔らかくしてくれる効果があります。同時に臭みも取り除いてくれるので、ラム肉の下ごしらえにはもってこいの方法です。

 パイナップルやキウイ、りんごなどのすりおろしや、細かく切ったもので漬け込むのが1番ですが、果汁100%のジュースや果実酢でも効果があります。  調理前には軽く拭きとるか、さっと流してから使ってください。

乳製品に漬け込む

こちらも、ラム肉を柔らかく仕上げて、さらに臭みも取ってくれるお得な方法です。特に プレーンヨーグルトに漬け込むと効果がアップ!カレー粉やにんにく、調味料などと合わせたものに漬け込めば、タンドリー風の味付けと下ごしらえが同時にできる ので、おすすめです。

お酒に漬け込む

お酒に漬け込んでも、ラム肉を柔らかく、臭み無く仕上げることができます。 赤ワインや日本酒が、調理後に酒臭さも残りにくくおすすめ! お酒に弱い方や、お子様が召し上がる際は、しっかり火を通してアルコール分を飛ばしてあげてください。

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ラム肉で食中毒にならないために

では、最後にラム肉で食中毒を起こさないために、注意すべきポイントを押さえておきましょう。

よく焼いたものを食べる

ラム肉で起こりうる食中毒の原因菌はカンピロバクターやサルモネラであることはお話しました。また、トキソプラズマ原虫についてもご紹介しましたが、 これらの菌や寄生虫は加熱によって死滅しますので、中心部に火が通るまで、よく焼いて食べることで食中毒や感染を予防することができます。 

他の肉と一緒に調理する際は注意!

起こる頻度としてはごく稀であるものの、危険性の高い食中毒菌に腸管出血性大腸菌、O-157があります。生レバーでも話題になりましたね。この菌に関しても、加熱することで防ぐことができます。バーベキューや焼肉など、他の肉と一緒に焼きながら食べる際は特に、中までしっかり火を通して食べることを心がけましょう。中心温度75℃で1分以上を目安と覚えておいてください。

鮮度の良いものを選ぶ

レアで仕上げる際は特に、鮮度の良いラム肉を選ぶようにしましょう。信頼できる精肉屋さんで購入するのがおすすめですが、そうでない場合でも、ドリップの有無や肉の色などをしっかりと観察して。鮮度が良くないものはしっかりと火を通してから食べるようにしましょう。

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まとめ

いかがでしたか?

この記事をまとめると

  • ラム肉は新鮮なものであればレアで食べられる!他の肉と一緒に調理するときには菌の付着に注意!抵抗力が落ちている人は中までしっかり加熱しよう
  • トキソプラズマという寄生虫には注意!特に妊娠中はしっかり火を通したものを食べよう
  • 脂を除いたり、フルーツ果汁やヨーグルトに漬け込むことで臭みが取れてやわらかく仕上がる!下ごしらえをきちんとしておいしく食べよう!
  • ラム肉をレアで食べるなら鮮度が命!安心できるものを選ぼう

調理の仕方によってはごちそうの風格漂わせるラム肉!せっかくのお肉でお腹が痛くなったり、体調を崩したりしてはもったいないですよね。新鮮なラム肉は、他のお肉には無い味わいがあります。鮮度を見極めて、下ごしらえの力を借りておいしく召し上がってくださいね!

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