九州の米はまずい・美味しい?評判は?ランキングは?

皆様、九州のお米を食べたことがありますか?九州と言えば暖かい土地なので南国フルーツなどの産地として有名ですが、実はお米も作られているのです。

そこで今回は意外と知らない九州のお米についてお伝えしていこうと思います。

  • 米の産地について 
  • 九州米はまずい?評判は
  • 九州の美味しいお米

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米の産地について

我が国は日本列島各地でお米が採れるお米大国といっても過言ではありません。お米大国日本で美味しいお米が栽培される条件とは何でしょうか?

美味しいお米が作られる条件

お米づくりは自然環境や気候条件がポイントで、「水が豊か」「広くて平らな土地」「水はけが良い土」「昼夜の温度差が大きい」という4つの条件が揃って初めて美味しいお米が作れるのです。

お米を作るには大量の水が必要になるので、水が豊かである必要があります。日本は山脈が多くキレイな水が確保しやすいという大きなメリットがあり、特に、微量元素であるミネラル分は水から吸収するため、ミネラルを豊富に含む水が適しています。

また、お米を収穫するには平たく広大な土地が必要です。同時に田んぼの隅々まで水を引くために、川など水を得やすい場所の近くであることも重要です。田んぼは水が溜まっているのではなく、用水路から流れてくる川の水で潤っています。水を流すことで常に新鮮な水を与えられるように、水はけが良い土であることが望ましいです。

夏の間に十分な日光が当たることは大切ですが、昼夜の温度差があることも稲作には大切な条件になります。高温多湿の環境でよく育ち、たっぷりの光合成でデンプンを作ります。昼の光合成ではしっかりデンプンを作りますが、夜が寒いほどそのデンプンが消費されにくいため米粒の中にデンプンが多く残ります。

寒暖差が大きいと、植物自身が自分を守ろうとよりデンプンを作るようになるので最終的に粘りがあってもちもちした食感、甘みのあるお米に育ちます。特に、7月中旬〜9月中旬(出穂時期)にかけての時期に昼夜の寒暖差が激しいと、穂の中で育つお米の粒にデンプンがしっかり蓄積されやすい性質があります。

お米の収穫量と産地は?

令和3年度お米の収穫量上位十道県は第一位が新潟県でした。二位は北海道、三位は秋田県です。以下四位は山形県、五位は宮城県、六位は茨城県、七位は福島県、八位は栃木県、九位は千葉県、十位に岩手県という結果でした。

最下位は東京都ですが、九州のお米も残念ながらトップテン内にランクインしておりませんでした。最も高いランキングで十五位に福岡県が入っています。

お米が美味しい都道府県は?

一位新潟県に次いで、二位は秋田県、三位北海道、四位山形県、五位宮城県でした。多少変動はありますが、お米の収穫量上位とほぼ比例していますし、北海道を除く3県は東北地方のお米でした。六位は北陸の富山県、七位岩手県、八位福島県と再び東北地方の県という結果になっているそうです。

興味深いのは〈お米〉がおいしい新潟県は、自由回答をみると、「新潟」という地名だけでなく、「魚沼」「南魚沼」も重要な“地名ブランド”で回答されていたことです。お米が美味しいと評価されるには県並びに地名ブランドの高さが大事なのかもしれませんね。

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九州米はまずい?評判は

稲は寒さに大変弱い作物で、もともと日本より南の地域で生まれましたものでした。実際に、最初に日本に伝わったのは九州からだったとする説が有力です。しかしいつしか産地は北の方へと移ってしまいましたがそれは一体なぜなのでしょうか。

九州の米がまずいと言われる理由

コシヒカリは日本全国の米どころで生産されていますが、食味ランキングで最高の特Aを得ているのは東北や関東で生産されたコシヒカリが多いです。九州の米どころのひとつである宮崎県ではコシヒカリを作っています。

ではなぜ温暖な九州の宮崎県でコシヒカリが作られるようになったのかといいますと、宮崎県が台風で被害を受けやすい土地なため、気候変動に強い品種であるコシヒカリが選ばれたわけです。宮崎県は一般的にお米が収穫される秋頃は台風で被害を受けやすいため、台風が来ない夏前にお米を収穫する超早場米を作ることにしました。つまり収穫時期が他の産地と違うため、宮崎県産は一番美味しい時期が他の産地とは違うのです。

ブランド・品種による!

まずいというレッテルを貼られっぱなしで黙ってみている九州ではありません。

今や2021年産のコメの食味ランキングでは、宮崎県の西北山間産、霧島産の「ヒノヒカリ」が最高評価の特Aに選ばれたり、九州7県全体では7銘柄が特Aとなりました。美味しいお米はブランド・品種に寄るところがあるので九州のお米全体が決して不味いわけではないのです!

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九州の美味しいお米

では、九州の美味しいお米をみてみましょう!

特A級をチェック

2021年産米 特Aランク一覧にて九州のお米は福岡県産「元気つくし」、佐賀県産「さがびより」、熊本県県北産「ヒノヒカリ」、大分県西部産「ひとめぼれ」、大分県北部産「つや姫」、宮崎県西北山間産「ヒノヒカリ」、宮崎県霧島産「ヒノヒカリ」の七品目が特Aランクに位置づけられました。

元気つくし

特Aランクは福岡県産です。福岡県農業総合試験場農産部で「ちくし46号」と「ちくし15号」を交配して生まれた品種で、2011年に種苗法により品種登録されました。最大の特徴として元気つくしは「福岡県でしか栽培できないお米」ということです。

名前の由来は「暑さに強く元気に育ち、食べる人に元気を与えるおいしいお米のイメージと、福岡県の古くからの名称である筑紫」「元気に育ち、食べる人も元気にする美味しいお米」という意味が込められています。

元気つくしの味の特徴は冷めても味が落ちないことです。一粒一粒がつややかで存在感があり、粘りと甘みが強いです。とてもお米の外観が良く、炊飯後も粒形が崩れにくいます。新米時期はもちろん 春から夏までいつでも安定した味を保ちます。

さがびより

特Aランクは佐賀県産です。佐賀県農業試験研究センターが同じ佐賀県産の他の品種と、愛知県産の品種を交配して10年がかりで研究・開発を行って誕生させた品種です。平成21年より本格的な栽培が始まり、穏やかで温暖な佐賀の気候に適し、高温下でも品質の低下が少ない米としてさがびよりが誕生しました。

佐賀県以外での普及は認められておらず、生産地と生産者は登録制です。さがびよりという名前も「様々な苦労の末、自慢の米を収穫する秋には晴れやかな日を迎える」という思いから付けられ、生産者の商品化までの苦労が伝わるようです。

さがびよりの特徴は大粒で艶のある外観、一粒一粒がしっかりとして、とても弾力があり、夏の高温下でも品質、収量の低下が少ないことです。炊き上がりは香りが良く、艶々としており、お米そのものの旨みがあります。冷めても水分を十分に保っているのでお弁当やおにぎりによく合います。時間の経った冷飯はもちろん、温かくても冷めてもおいしいお米なのです。

しかし、いままで九州で広く栽培されてきた米と比較するといもち病に弱く、山間部などの冷涼な土地での生産は厳しいという弱点があります。

ヒノヒカリ

特Aランクは熊本県県北産、宮崎県西北山間産、宮崎県霧島産のヒノヒカリです。ヒノヒカリは、「コシヒカリ(越南17号)」と「黄金晴(愛知40号)」の交配によって生まれた品種で、宮崎県総合農業試験場で育成され、1989年に水稲農林299号「ヒノヒカリ」として命名登録されて、1990年に種苗法による品種登録されました。名前の由来は、「西日本(九州)を現す「日」(太陽)と、その飯米が光り輝くさま」という意味が込められています。多くの府県で奨励品種に指定されており、九州を中心に中国・四国地方や近畿地方など西日本で広く栽培されています。

ヒノヒカリの特徴は、コシヒカリに比べて味わいがあっさりとしているという点です。 味がそれほど濃くないため、どんな料理とも相性が良い品種です。 粘り気や香りのバランスが良く、さらに弾力もあるため、あっさりしているのに食べごたえがあります。 炊飯時に水の量を変えることで、好みの固さに調整できるのも魅力です。

ひとめぼれ

そもそもひとめぼれは東北地方を中心に作付けされている品種が有名で、「コシヒカリ」と「初星」の交配によって生まれた品種という点は一緒です。『大分ひとめぼれ』は、木々豊かな山間を流れる 沢の水だけで栽培された棚田米山間部特有の昼夜の温度差がある地域で育てられています。

甘味と栄養素が豊富なお米で、光沢があり美しく極良食味であることから「出会った途端に一目惚れするようだ」と、ひとめぼれと名付けられました。

ひとめぼれの特徴はやや長形で縦溝が深く光沢は良い粘りが強く柔らかくて冷めた時点でもおいしいです。ひとめぼれはすべての料理にバランス良く合い、高級米として様々なところで提供されています。

つや姫

つや姫は大分ひとめぼれと交配ルーツが似ており、「山形70号」と「東北164号」を山形県立農業試験場庄内支場(現山形県農業総合研究センター水田農業試験場)で交配し、2008年(平成20年)に山形県の奨励品種に採用されました。

近年の大分県の水稲栽培では登熟期間が高温化傾向にあり、1等米比率が急激に低下しており、高温登熟条件下で品質低下の少ない、気象災害リスクの分散、収穫・乾燥調製機械・施設の有効利用という観点から新品種の導入が必要としていたため「ヒノヒカリ」より熟期の早い品種の導入が要望され「つや姫」の大分県における特性を検討されました。大分県では、平成23年から奨励品種として推進していて、「大分つや姫」は、関係機関に登録を行った生産者のみが栽培しています。

「つや姫」は「ヒノヒカリ」と比較して、高温条件下での品質低下が少なく、成熟期が14日程度早い極早生の良食味品種です。

大分つや姫は名前の通りお米に艶があり、炊きあがりの白さと光沢が優れています。適度な粘りがあって、ごはんの粒がしっかりとしていてコシヒカリと同等以上の良食味です。冷めてもおいしいので、おにぎりやお弁当にも最適です。

まとめ

この記事をまとめると

  • お米づくりは自然環境や気候条件がポイントで、「水が豊か」「広くて平らな土地」「水はけが良い土」「昼夜の温度差が大きい」という4つの条件が揃って初めて美味しいお米が作られます
  • 令和3年度お米の収穫量上位道県は第一位が新潟県、二位は北海道、三位は秋田県、四位は山形県、五位は宮城県などでした
  • お米が美味しい上位道県トップ5は一位新潟県に次いで、二位は秋田県、三位北海道、四位山形県、五位宮城県でした
  • 九州のお米がまずいと言われる理由は、台風が来ない夏前にお米を収穫する超早場米を作っていて、お米が一番美味しい時期が他の産地と違うためです
  • 2021年産のコメの食味ランキングでは、宮崎県の西北山間産、霧島産の「ヒノヒカリ」が最高評価の特Aに選ばれたり、九州7県全体では7銘柄が特Aとなり、美味しいお米はブランド・品種に寄るところがあるので九州のお米全体が決して不味いわけではありません
  • 2021年産米 特Aランク一覧にて九州のお米は福岡県産「元気つくし」、佐賀県産「さがびより」、熊本県県北産「ヒノヒカリ」、大分県西部産「ひとめぼれ」、大分県北部産「つや姫」、宮崎県西北山間産「ヒノヒカリ」、宮崎県霧島産「ヒノヒカリ」の七品目が特Aランクに位置づけられました

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