生のくるみは危険なの?毒があるって本当?ローストした方がいい?

栄養価が高いと言われるナッツ類の中でも、特に栄養豊富なナッツの1つ、くるみ。健康食品としても注目されています。自然な味わいが楽しめる生のくるみが好きな人もいると思いますが、生のくるみは毒があって危険って本当?ロースト(素焼き)したものと栄養価は違う?等々気になる人もいると思います。そこで今回は、

  • 生のくるみは危険?
  • 生のくるみの毒抜き方法は?
  • ローストして食べるのが美味しい
といった内容でご紹介します。

スポンサードリンク

生のくるみは危険?

生くるみとは?食べ方や保存方法、おすすめレシピ4選 - macaroniくるみには豊富な栄養素が含まれているため人気な食材ですが、「くるみって生でも大丈夫?」と不安に思われる人もいると思います。

生で食べても問題ない

くるみは生でも食べることができます。日本では殻ごと販売されていることは少ないのでローストが主流ですが、海外では生のくるみも親しまれています。ローストしたものとは違った味わいや栄養価があるため、生で食べることもおすすめです。

毒があるので注意

くるみを生で食べると危険と言われているのは、種の外皮にアブシジン酸という毒が含まれていることが関係しています。種の外皮には、発芽するまでに酸化したり腐ったりしないようにバリアがあり、それがアブシジン酸なのです。

アブシジン酸は、人体に摂り込まれると「酵素阻害剤」として体内で悪さをはじめます。消化と代謝の働きを担う酵素を阻害し、消化不良や下痢だけでなくさまざまな病気の原因になると考えられています。

スポンサードリンク

生のくるみの毒抜き方法は?

アブシジン酸を取り除くための下処理の方法は大きく2つあります。浸水ローストです。

浸水すればOK

生のくるみに含まれるアブシジン酸は、酵素抑制物質というタンパク質の消化を妨げる働きのある物質です。アブシジン酸の毒で消化不良を起こすだけでなく、タンパク質の消化を妨げることでエネルギーを作り出すことが出来なくなるため、身体の機能が落ちる危険もあります。

それを防ぐために、数時間水に浸けて酵素抑制物質を中和するのです。浸水によって味が劣化することはなく、美味しく食べることができます

浸水方法

生のくるみをタッパーなどに入れ、水を加えて2時間ほど浸します。夏場など、気温が高い場合は冷蔵庫に入れます。浸した水を捨て、くるみを水で洗えば毒抜き完了です。

毒が抜けたサインは?

しばらく水に浸けているとアブシジン酸の毒が抜け、水が黄色や茶色に変色します。これが酵素抑制物質がくるみから抜けたというサインになります。

MEMO
浸水時間は、2時間から6時間程度が目安です。長すぎると食感が悪くなったりカビが生えたりしてしまう恐れがあるため、注意しましょう

スポンサードリンク

ローストして食べるのが美味しい

料理の基本! くるみの乾煎りのレシピ動画・作り方 | DELISH KITCHENアブシジン酸を取り除くもう一つの方法はローストです。アブシジン酸は45度以上で加熱することで取り除くことができます。

食感の違い

ミックスナッツに入っているようなくるみの場合は、すでにローストされていることが多く、カリッとした軽い食感が特徴ですよね。一方、生のくるみは火を入れていないので水分量が多く、ローストよりもしっとりとやわらかい食感です。

味の違い

美味しいと感じるかどうかは好みが分かれると思いますが、ローストすることで表面が焼けて水分が抜け、香ばしさが加わって甘みが増します

栄養素の違い

くるみには、ポリフェノール、脂肪酸、食物繊維をはじめ、ビタミン類、葉酸、マグネシウム、鉄、亜鉛など多くの栄養素を含んでいます。あまり知られていませんが、くるみはスーパーフードといえるほど豊富な栄養素を含んでいるのです。

ローストすると熱でビタミン類が減少し、脂質は熱で酸化してしまうことがわかっています。多くの栄養を摂取するのであれば生のくるみの方がいいといえそうです。

ただ、ローストも悪い面ばかりではありません。加熱することで、ポリフェノールが増えるというメリットもあります。ローストしたくるみは生のくるみの2倍ひとつかみで赤ワイン1杯と同量のポリフェノールが摂れます。

注意
「生食OK」と記載されていないくるみは、必ずローストして食べてください

まとめ

いかがでしたか?

この記事をまとめると

  • 生のくるみには、種の外皮にアブシジン酸という毒が含まれている
  • 生のくるみの毒抜き方法は浸水かロースト
  • くるみをローストすると、食感や味だけでなく栄養素も変わる

くるみは生で食べることが出来ますが、アブシジン酸の毒は危険のため、きちんと下処理をしてから食べるようにしましょう。生とローストでは味わいだけでなく栄養価も変わるので、お好みに合わせて適量を美味しく食べてください。

スポンサードリンク