小麦粉が体に悪いと言われる理由|グルテンの毒性・食中毒症状とは

うどんやパスタ、パンなど、何かしらの小麦粉でできた食べ物を生まれてからずっと食べてきたのに、テレビやSNSで「小麦粉が体に悪い」という情報をみて、「毎日食べているけど、大丈夫かな・・・」とドキッとしたことはありませんか?今まさに、その気持ちで小麦粉について検索している方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、

  • 小麦粉が体に悪いと言われる理由

  • グルテンが起こす健康被害

  • 小麦粉の食べすぎが原因で起こる病気

などについて解説・ご紹介していきます。

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小麦粉って体に悪いと言われる理由

アレルギー

グルテンが含まれる

小麦粉が体に悪いと言われる理由の一つが、小麦粉に含まれる「グルテン」というタンパク質です。グルテンは水を含むとベタベタとする性質があり、パンはこのグルテンの働きによりもちもちとした食感を生み出しています。美味しさの秘訣である反面、グルテンは消化しづらく分解しにくい性質を持っています。

そのため、便として排出されにくいため、グルテンは腸にへばりついてしまいます。そうなると腸内で張り付いたグルテンは異物とみなされて、腸に炎症が起きてしまうのですしかし注意していただきたいのが、小麦粉を食べると必ず腸の炎症が起きるわけではないということです。食べすぎや体質、その時の体調にもよるものなので、小麦粉やグルテンを怖がりすぎないようにしましょう。

アレルギー

食物アレルギーは、主に子供の頃に食べたときにうまく分解できないことを原因として発症します。小麦粉の主なアレルゲンは、グリアシンやグルテンなどのタンパク質です。小麦粉アレルギーになると、アナフィラキシーショックと呼ばれる、以下のような症状が現れます。

  • アトピー性皮膚炎などの皮膚の炎症
  • 粘膜の炎症
  • くしゃみ・鼻水などの呼吸器官の症状
  • 嘔吐・下痢・血便などの消化器官の症状

小麦粉アレルギーの人は小麦を食べなくても、吸い込んだり、触ったりしても症状が出てしまいます。また、子供の頃は小麦粉アレルギーを発症しなくても、パン屋さんなどで働いている人は、毎日小麦を吸い込んでしまう環境にいるため、小麦粉アレルギーを発症することも少なくはありません。

日常的に小麦粉を扱う人は、マスクをして小麦粉を吸い込まないようにする、小麦粉を触った手で目や鼻などをこすらないことに気をつけるなどして予防していきましょう。

血糖値が上がりやすい

小麦粉は血糖値が上がりやすい食品です。血糖値は上がりすぎると血液中の糖が増えて、血管がもろくなったり、詰まりやすくなってしまいます。人の体は血糖値が上がると膵臓からインスリンと言う物質が分泌されて、血糖値が上がりすぎないように調整する機能があります。

しかし、急激に血糖値が上がると、インスリンが分泌されすぎて膵臓の機能を弱めてしまったり、脂肪を合成しやすくなってしまいます。パンやうどん、パスタなどを食べる時は、血糖値の上昇が緩やかな野菜などから食べていく方がいいでしょう。

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グルテンの体への影響は?

糖尿病

糖尿病はインスリンの分泌が少なくなることや、分泌したインスリンが働かなくなってしまうことで、血糖値が高くなり、さまざまな病気の症状が出てしまう状態のことです。糖尿病は一度かかると、食事内容の改善や運動などで改善することはできても、完治することは非常に難しく、視力影響が出たり、他の病気になるリスクを高めてしまいます。

糖尿病を予防するためのカギは「血糖値」です。グルテンは血糖値を上げやすく、食欲を増強させると言われています。そのため、糖尿病の患者さんや糖尿病予備軍と診断された場合は、パンやパスタよりも、お米を主食にする食生活に変えていくといいでしょう。

肥満

小麦粉に含まれるグルテンは食欲増強効果があるので、食べ過ぎてしまうことも肥満のリスクを高めてしまうのです。とはいっても、健康な人がグルテンを摂取したからと言ってすぐに健康被害が出ることはまずありません。

小麦粉は、水分とバターなどの油と捏ねたり混ぜたりして焼いて食べることがほとんどなので、高カロリーの食品になりがちです。パンやパスタ、うどん、ドーナツ、ケーキ・・・確かにどれも、ダイエットに向いている食品とは言えなさそうですよね。とくにケーキなどは、生クリームでデコレーションもしますので、よりカロリーの高い食品となってしまいますよね。

このように、小麦粉が太ると言われるのは、グルテンの影響だけではなく、小麦そのもののカロリーや糖質以上に摂取することになってしまうことが理由で肥満のリスクが高まってしまうのです。

心疾患

ここまでの説明で、グルテンってなんだか体に悪そうだな・・・と言うイメージを持つかもしれません。そして世の中には「グルテンフリーにすれば健康」「グルテンフリーにする方が心疾患にかかりにくい」などという情報も出回っています。ですが、その情報の多くはデマであると覚えておいてください。

たしかに、小麦粉アレルギーの人がグルテンを摂取してしまうと、炎症を起こしたり、アナフィラキシーショックを起こす可能性が高いですが、アレルギーのない人が小麦粉を食べたからと言って心疾患になるという情報はありません。正しくない情報に流されて必要以上に怖がらないように気を付けましょう。

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小麦粉による食中毒症状は?

下痢・腹痛

小麦粉を生で食べたらお腹を下した・・・という経験はありませんか?小麦粉は加熱して食べることを前提に作られているため、細菌が潜んでいる可能性があります。ですから、しっかり火を通して食べるようにしましょう。また、ただでさえ小麦粉は消化に悪いので生で食べると高確率でお腹を壊してしまいます。小麦粉を生で食べるのは危険なのでやめましょう。

吐き気・嘔吐

小麦粉を食べて食中毒になる原因として、小麦粉と一緒にダニを食べてしまうことがあげられます。開封した小麦粉にダニが入り込み、小麦粉と一緒にダニを摂取することでアナフィラキシーショックを起こすことを「パンケーキ症候群」といいます。ダニは暖かく湿度の高い場所を好むので、開封した粉類は密閉容器にしまい、風通しのいい場所で保管して、早めに使い切るように心がけましょう。

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食中毒は何時間後?

食中毒は菌の種類にもよりますが、食べてから30分~2時間後に症状が現れることがほとんどです。食後様子がおかしいな?と思ったら、食べたもので食中毒が起きている可能性を疑いましょう。また、小麦粉で食中毒を起こさないために、

  • 小麦粉の料理はしっかり火を通してから食べる
  • ダニ予防のため、小麦粉は開封したら必ず密閉容器に入れる
  • 劣化する前に早めに使い切る
  • シンク下などの湿度の高いカビの生えやすい場所には置かない

と言うことを心がけましょう。小麦粉は冷蔵庫に入れる必要はありませんが、食中毒を予防するためにもできるだけ風通しが良く涼しい場所に保管しましょう。

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まとめ

うどんやパスタ、パンなど・・・毎日なにかしらの小麦粉を使った食品を食べている人も多いですよね。「小麦粉・グルテンが体に悪いと最近よく耳にするけど、全く食べないのは難しい…」と感じている方もいるかもしれません。今回の記事では、

この記事をまとめると

  • 小麦粉は消化しづらいグルテンを含むが、過剰摂取しなければ健康な人に影響はあまりない

  • 小麦粉アレルギーの人にとっては、小麦粉は危険

  • 小麦粉を使った料理やお菓子は、カロリーの観点から肥満のリスクが高まる

  • 小麦粉は開封したらなるべく早めに使い切るべき

ということがわかりましたね。小麦粉は体に悪い、という情報を鵜吞みにして、必要以上に怖がらず、自分の体の状況を考えて適量食べるようにしていきましょう。