鰹節の旨味成分とは!出汁の特徴や使い道は?種類や栄養素も紹介

和風料理に欠かすことの出来ない出汁。煮干しや椎茸、昆布だしなど種類は様々ですよね。その中でもやはり日本人にとって馴染みが深い出汁といえば鰹節ではないでしょうか。

  • 鰹節の成分や特徴について
  • 鰹節の種類はどれくらいある?
  • 摂取できる栄養素

今回は、こちらについて詳しく解説します。

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鰹節の旨味成分・出汁の特徴

旨味成分とは

旨味という言葉の意味を説明するのはとても難しいですよね。旨味の定義について、日本うま味調味料協会では以下のように定義されています。

【うま味】

5つの基本味(甘味・酸味・塩味・苦味・うま味)の一つで、独立した味を指す公式の呼び名。

旨味という言葉自体は、なんと1908年に日本人が発見したと言われています。

その際は、出汁を取る際に使用していた昆布から最初の旨味成分である「グルタミン酸」が発見されたことが始まりと言われています。

イノシン酸が豊富

何故、鰹節は出汁を取る際に重宝されるのでしょうか。その答えは鰹節に含まれる旨味成分「イノシン酸」によるものです。

鰹は海の中を泳ぎ続ける習性を持っていますが、泳ぐために必要な体の筋肉を動かす力と収縮させる力。この力の源がATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる成分。

収穫された鰹に含まれるATP(アデノシン三リン酸)は、酵素分解作用によって旨味成分であるイノシン酸に生まれ変わる性質を持っています

昆布に含まれるグルタミン酸、鰹に含まれるイノシン酸は共に3大旨味成分として、日本人の食生活を支える重要な調味料として現在も親しまれているのです。

三大旨味成分の残り1つは?

グルタミン酸、イノシン酸に並ぶ最後の旨味成分は「グアニル酸」と呼ばれる成分です。具体的には、干し椎茸に含まれていることで知られています。

鰹だしの使い道

鰹節から取ることの出来る鰹だしは、まさに万能と言っても良いほどに用途は多彩です。

一番だし

節を沸騰したお湯に入れて煮立てたあと、ざるや布巾で鰹節を濾(こ)したものは一番だしと呼ばれて重宝されています。一番だしは、すまし汁や茶碗蒸しなどの上品な味わいや香りを重視する料理に使われます。

なお、一番だしを取る際のポイントは、鰹節を濾したあと出汁がらを絞らないことです。これは、出汁がらを絞ってしまうと鰹のえぐみが一番出汁に入り込んでしまうためです。

二番だし

一番だしを取るのに使用した鰹節をも、う一度水から煮たてて取る出汁を二番だしと呼びます。

二番だしは、一番だしと比較すると香りは弱くなりますが旨味が十分残っているため、お味噌汁や煮物など出汁の他にしっかりとした味付けを行う料理で使用されることが多いです。

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鰹節の種類

料理

一概に鰹節といってもその種類は様々です。ここでは、鰹節の種類について解説します。

かつおかれぶし削り

かつおかれぶし削りとは、別名「枯節」と呼ばれる種類のことを指します。

枯節は、通常の鰹節(荒節とも)に意図的にカビを付着して製造するものです。付着させたカビを乾燥させて、再びカビを付ける。この工程を何度も繰り返すことで、「枯節」を完成させることが出来るのです。

「枯節」の中でも、更に熟成を重ねたものを「本枯節」と呼ばれており、最高級品として一流料亭などで重宝されています。

カビ付けをすることで発酵と熟成が進んだ枯節は、通常の鰹節(荒節)と比較すると特に風味が強く感じられるだけでなく、出汁を取った時の色合いも鮮やかな琥珀色になるのが特徴です。

かつお削りぶし

スーパーなどで購入することの出来る市販品のかつお削りぶしのことを「荒節」と呼びます。荒節は、鰹の頭と内臓を取り除いたものを燻して乾燥させたもので、表面が黒く焦げたような色をしているという特徴があります。

荒節を見分けるには、商品パッケージの裏の一括表示を確認することで判別が可能です。具体的には、名称欄に「かつお削りぶし」や「花かつお」と記載がされていた場合は、荒節が使用されていると判断が可能です。

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鰹節の栄養素

栄養

鰹節には、前述したイノシン酸を始めとして様々な栄養素が含まれていることで知られています。ここでは、特に鰹節に多く含まれる栄養素や健康上の効果について解説します。

豊富な栄養素

ビタミン

鰹節には多くの種類のビタミンが含まれていることで知られています。具体的な種類としては、

  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12

の合計6種類。ビタミンは、体にとって必要な3大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)の摂取を促進させるだけでなく、人体がより健康に過ごせるような潤滑油的な役割をしている栄養素なのです。

カリウム

鰹節に含まれているカリウムは、摂取することで血圧を下げる働きがあります。具体的には過剰摂取されたナトリウムを尿としての排出を促し、これによって血圧を一定量まで下げることがかのうになります。

健康上の効果

脂肪燃焼を促進する

鰹節に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は、不飽和脂肪酸の一種。摂取することで、血液をサラサラにする効果や、コレステロール濃度を下げる効果が期待出来ると言われています。

骨が丈夫にする

鰹節から摂取することが出来るカルシウム。骨を丈夫にすることで知られていますが、実はカルシウムと他の栄養素のバランスが悪いと、骨を丈夫にする効果は出にくくなってしまいます。

鰹節にはカルシウムの吸収を助ける、リンやビタミンD、マグネシウムといった栄養素も含まれているため、鰹節を食べるだけでカルシウムの効果を最大限に活かすことが出来ます。

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まとめ

この記事をまとめると

  • 鰹節には旨味成分の一種であるイノシン酸が豊富に含まれている
  • 鰹節の用途として知られている出汁は、取り方によって「一番出汁」と「二番出汁」に分けられる
  • 普段スーパーで買うことの出来る鰹節の種類は「荒節」というが、その一方でカビを付着するなど伝統的な手法で時間をかけて作られる出汁を「枯節」と呼んでいる。

いかがだったでしょうか。

日本人にとっては、なくてはならない食材とも言える鰹節。出汁や煮物などは特に手鰹節の魅力を味わうことが出来るメニューと言えるでしょう。

手間ひま掛けて作られた鰹節、様々な料理に使用してその美味しさを存分に味わいましょう。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

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