カリンの毒性は怖い?致死性の毒「青酸」が発生するって本当?気を付けるポイントは?

皆さんは秋から冬にかけて旬を迎えるかりんという果物をご存知ですか?場所によっては全く流通しないので、イメージ出来ない人も多いと思います。果物としてのかりんはあまりメジャーではありませんが、かりんに含まれる成分は実は私たちの生活の中に溶け込んでいる成分なのです。

今回の記事ではかりんはどのような果物なのか、かりんの効果効能、かりんには毒があるのかについて解説していきたいと思います。

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かりんってどんな果物?

カリンは、中国を原産とするバラ科の植物に実を付ける果物です。中国や日本では、古くから薬用として利用されてきました。生のまま食べることはできませんが、果実酒や蜂蜜漬け・ジャムなどにアレンジして食べることができます。

「マルメロ」という果実によく似ていますが、カリンの方が果実が柔らかく、表面に産毛がなくツルツルしているのが特徴です。

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芳香剤にも使えるかりんの実

秋から冬にかけてかりんの実は一番成熟します。秋や冬の山を歩いていると、かりんが下にたくさん落ちているのを見かけます。かりんは熟すと梅と桃を組み合わせたような魅惑的な甘い香りを発します。芳香剤代わりにかりんを使っている人もいるそうです。

ちなみにかりんの香りには高いリラックス効果があることが分かっています。落ち着いた空間でカリンのフルーティーな香りを嗅ぐことで体や気持ちがスッとリラックス状態に入るでしょう。

咳止めや痰の除去などの体調不良を改善する効果がある

かりんの特徴的な成分としてアミグダリンという薬用成分を含んでいることが挙げられます。このアミグダリンには咳を止めてくれたり、痰を除去しやすくなったり、喉の痛みを抑えたりするなど様々な風邪の症状に効果的なので古くから薬として使用されてきました。 

美肌効果も!?

かりんにはたくさんのビタミンCが含まれています。ですので私たちの肌をきれいに保ってくれる効果が高いといわれています。その他にもサポニンやタンニン、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸が収れん作用により肌を引き締めてくれるといわれています。

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生食ができない理由は?

冒頭でもお伝えしましたが、高い健康効果や魅惑的な香りをもつかりんなのできっと味も美味しいだろう思うかもしれませんが、実はかりんは生食できない果物です。間違って食べてしまうと、とんでもないことになってしまいます。

渋みが強すぎる

かりんにはタンニンと言う物質が豊富に含まれています。タンニンは渋さを作り出す物質であり、かりんを生で食べると口の中が渋さでいっぱいになります。猛烈な渋さらしく、一度口に入れるとしばらく渋さが残り口の中を洗っても全く取れないようです。

果実が硬すぎる

もう一つかりんが生食に向かない理由は、実の硬さにあります。かりんの果実には石細胞と言う固い細胞を含んでいます。 この細胞は非常に硬くゴムのような食感をしています。食べたことがある人はいい香りの消しゴムを食べているみたい、ということです。

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かりんのアミグダリンは毒にも薬にもなる

冒頭でアミグダリンという成分が、風邪予防や痰の除去などの様々な作用を持つということを説明しました。アミグダリンはかりんの種子に含まれるのですが、実はアミグダリンは体内に入り分解されると毒のある物質に変わってしまう恐れがあります。

アミグダリン自体に毒性はないのですが、かりんの種を生で食べてしまうと体内で腸内細菌の働きによって分解され、最終的にはシアン化合物である青酸(シアン化水素)という毒物になってしまうのです。青酸(シアン化水素)は人間にとっては有毒な成分で、大量に摂取すると死に至るほどの成分です。

加工すれば毒が消える

先ほども説明しましたがかりんは加工しないで食べようとすると、とてつもない渋みと硬さで食べることができません。このようなことからかりんは食べる前に様々な加工品にするのですが、かりんシロップやかりんのはちみつ漬けを作るにあたって、砂糖やアルコール成分で毒性が分解されていきます。

毒性が取り除かれた状態であれば食べても全く問題はありません。かりん漬けなどに入っている種もしっかり取り除けば大丈夫です。

種は食べないように注意しよう

アミグダリンは本当に様々な作用を持っています。その中でも癌に効果的という情報がたくさん流れており、個人の判断で生の種子を食べてしまう人もいるようです。かりんの種だけではなくバラ科の果物の種には少なからずアミグダリンが含まれていますので、種は取り外して実だけを食べるようにしましょう。

また食品においては、様々な情報が交錯しています。ひとつの情報を鵜呑みにするのではなく、たくさんの情報を集めてから信用できる情報なのかどうかを吟味してから試すようにしてください。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?かりんはなかなか見ることのできない果物ですが、様々な作用があることがわかりましたね。特にアミグダリンの毒性については様々な情報がありますので、ひとつの情報だけを鵜呑みにしないでたくさんの情報を集めてしっかり比較しながら検討してみてください。

この記事をまとめると

  • かりんに含まれるアミグダリンは様々な作用を持つ
  • かりんは生で食べることができないので、加工が必須な果物!
  • アミグダリンはかりんの種に多く含まれている
  • 生のかりんの種を食べると体の中で毒が生まれてしまう
  • 加工しているうちに毒性がなくなるので、加工品は安心して食べよう

今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。

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