夏になると毎年メディアで必ず一度は取り上げるようになった寄生虫の「アニサキス」。皆さんはご存知でしょうか?2012年にある芸人の方たちがアニサキスの被害を訴えてから日本中でかなり認知度が高くなりましたよね。
そんなアニサキスですが魚の内臓にはよく生息していることが分かっていますが、生牡蠣のような貝類に潜んでいる場合があるのか気になりますよね。
今回の記事では、生牡蠣にアニサキスは潜んでいる可能性があるのかどうかについて紹介していきたいと思います。
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目次
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生牡蠣にアニサキスはいる?
まず結論から言うと牡蠣の中にアニサキスがいないということは「断定できない」けれど「ほとんどの確率でアニサキスはいない」といわれています。厳密にいうと市場で出回っている牡蠣はアニサキスの危険性はほとんどなく、生の牡蠣を自然の中から獲って食べようとするとアニサキスや他の寄生虫がいる可能性があるということです。
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そもそも寄生虫とは?
そもそも寄生虫とは一体どのような生き物なのでしょうか。
寄生虫は人や動物に寄生して、栄養や食べ物を分けてもらいながら生きていく生き物のことを言います。寄生虫の中には宿主の生活を脅かすものや宿主に害を与えるものなども存在しており、様々な症状をきたす可能性があります。
ちなみに戦後の日本ではおよそ70%の人が寄生虫に感染していたと言われていますが、現代では医療技術が進み感染症患者数はかなり少なくなっています。
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アニサキスとは
寄生虫の中で一番有名なのがアニサキスだと思います。ではアニサキスについて解説していきますね。
アニサキスは魚に多く存在する
アニサキスは海に生息する小さな寄生虫で、クジラやイルカなどの体内で生まれます。アニサキスの始まりは卵の状態で、クジラやイルカの排泄物と共に海に放出されます。
その後、アニサキスは海中で幼虫のような形状に羽化します。この時点でのサイズは大きくても長さ3cmほどです。その小さなアニサキスの幼虫は最初の住処として甲殻類などの動物プランクトンに寄生し、そこから生まれる食物連鎖によって寄生を繰り返します。
アニサキスが寄生している小さな甲殻類を小魚が食べ、その小魚を大きな魚が食べ…その魚を私たち人間が食べることによって、アニサキスによる食中毒を発症することとなります。
人間の体内では成長できない
アニサキスの色は半透明の白色で、幼虫のサイズは2〜3cmの糸状なので、気づかず食べてしまうことが多いのです。魚など宿主の体内では成虫に成長しますが、人間の体内はアニサキスにとって環境が合わないため成虫にはならず、1週間以内に死滅します。しかし、その際アニサキスが胃や腸内の粘膜に潜り込むことによって激しい激痛などの食中毒症状が起こります。
アニサキスは目に見える?
アニサキスは半透明の白色なので見にくいですが、大きさは幼虫でも長さ2〜3cmなので目視で確認することはできます。白身魚の場合は色が同化しているので発見しにくいですが、赤身魚であれば目に付くことが多いです。
アニサキスから身を守るには?
食べると激しい腹痛や下痢などの食中毒症状を引き起こすアニサキスですが、確実に予防できる方法はいくつかあります。予防するための6つのステップは下記になります。
- 新鮮な魚を選び早めに内臓を取り除く
- 目視で幼虫の有無をチェックする
- しっかりと噛むようにする
- 刺身(生食)を控える
- 冷凍する(-20℃で24時間以上)
- 70℃以上で加熱する
アニサキスによる食中毒を起こさないポイントは、主に鮮度・加熱・冷凍です。アニサキスは加熱や冷凍すれば死滅し、死滅したものは食べてしまっても体に害はありません。
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牡蠣にいる可能性のある寄生虫は「ゴカイ」
ここまでは食べてしまうと体に悪影響を与える可能性のあるアニサキスについての紹介を行ってきました。基本的に牡蠣にはアニサキスは生息していませんが、野生の牡蠣はアニサキスが潜んでいる場合があるので十分に注意しましょう。
牡蠣の中に潜んでいる可能性がある生物で一番多いのが「ゴカイ」です。
ゴカイとは?安全?
牡蠣の中に茶色く細い虫がいるのを見た経験はありませんか?あれがゴカイです。ゴカイは体長2~5cmほどのミミズのような見た目の生き物で、牡蠣の貝と身の間に潜んでいることが多いです。よく釣りの餌などに用いられています。
牡蠣に潜んでいるゴカイは水で洗い流すと簡単に落とすことができます。また、誤ってゴカイを口に入れたとしてもアニサキスのように体に悪影響をもたらす心配はありません。むしろゴカイがいるような牡蠣は「鮮度が高く美味しい」といわれることが多いです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?牡蠣は、食中毒にあたりやすいイメージがあるので食べるときにいろいろ心配してしまいますよね。ですが基本的に購入した牡蠣であれば、アニサキスが潜んでいる可能性はないと考えてよさそうですね!
この記事をまとめると
- 牡蠣にアニサキスが潜んでいる確率は非常に低い
- 購入した牡蠣ではなく、自分で収穫した牡蠣はアニサキスがいないか確認する必要がある
- 牡蠣の中に潜んでいる生物はゴカイで、簡単に洗い流すことができる
- ゴカイが入っている牡蠣は新鮮でおいしい!
今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。
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