皆さんは貝毒という言葉を聞いたことはありますか?潮干狩りに出かけたことがある人は聞いたことがあるかもしれません。貝毒はその言葉の通り「貝に含まれる毒」のことをいいます。ここ最近では貝毒という言葉すらあまり聞くことがなくなりましたよね。
貝毒は非常に強い毒を持ち、最悪の場合死に至るケースもあるとても怖い毒です。今回の記事では貝毒とはどのようなものなのか、予防するにはどうすれば良いのかついて紹介していきたいと思います。
スポンサードリンク
目次
|
|
貝毒とは
貝毒を持つ可能性のある二枚貝は一般的に海中のプランクトンを餌にしています。ですが時々そのプランクトンの中に有毒な物が大量発生することがあるのです。有毒なプランクトンを餌として食べた場合、その二枚貝の体内に毒が蓄積していきます。こうすることにより有毒化した貝を、人間が食べる事によって生じるものを貝毒といいます。
スポンサードリンク
貝毒の種類
貝毒はいくつかの種類がありますので、種類に分けて紹介していきますね。
死に至るケースもある怖い毒「麻痺性貝毒」
貝毒の中でも一番怖いのが、麻痺性貝毒です。麻痺性貝毒は、ふぐのもつ毒にも匹敵するぐらいの強い毒と言われています。
麻痺性貝毒の代表的な毒成分はゴニオトキシンとサキシトキシンです。これらは水溶性の神経毒で、神経を麻痺させ全身を動かなくしてしまうなど非常に危険な毒です。
麻痺性貝毒の症状は、食後20分程度から体に出始め、唇や舌先、指先のしびれなどから始まり、頭痛や腹痛を伴いながら全身の感覚がなくなっていきます。するとすぐに呼吸器系などの生命を維持するための筋肉も動かなくなり、死にいたるケースがあります。
消化器官の障害をきたす「下痢性貝毒」
代表的な貝毒の2つ目は下痢性貝毒です。下痢性貝毒は主に下痢・嘔吐・吐き気・激しい腹痛などの消化器系に症状を引き起こす毒です。下痢性貝毒を引き起こす代表的な毒成分はオカダ酸とディノフィシストキシンです。
これらの毒成分は摂取すると30分から4時間以内に症状が出ることが多く、発熱がないことが特徴的ですので、他の食中毒と区別することができます。麻痺性貝毒とは異なり3日程度で全快するのが一般的で、死亡例はありません。
加熱すれば安心というわけではない!
貝毒は非常に強い毒だということが分かっていただけたかと思います。貝毒には他にも厄介な特性を持ち、他の食中毒と比べて「熱に強い」といった特性を持ちます。ですので加熱処理を行った所で毒が消えることはありません。
どんなものでも加熱処理をしたら食べることができると考えている人も少なくありませんが、それは非常に危険なことなのです。
スポンサードリンク
販売されている貝は大丈夫なの?
ここまで貝毒の怖さについて紹介してきましたが、全ての貝に毒があるかと言われるとそうではありません。貝類は非常に厳しい検査を受けていますので、「スーパーなどに販売されている貝類に貝毒が含まれるということはまずない」と思っていただいてOKです。
最近の技術の発展によって、とても高精度な監視システムがあります。貝毒の原因となるプランクトンの出演を改めて予測する技術も開発されており、最近では貝毒の被害はほとんど見られなくなっています。
スポンサードリンク
どんな貝に気を付ければ良いの?
ただしこれらの監視システムを通過できるのは、販売される予定の貝類のみです。私たちが自然の中で採取した貝類は監視システムを通しませんので、貝毒が含まれている可能性が十分に考えられます。
自分で採取した貝を食べて良いのは「安全宣言」が出されている海域だけのものに限られます。安全宣言が出ていない海域や、安全かどうか確認できない場所で採取した貝類は絶対食べないようにしてください。
スポンサードリンク
貝毒を持つのは基本的に二枚貝だけ!
貝と言っても様々な種類がいますよね。ここまであまり詳しく説明していませんでしたが、貝毒を持つ可能性がある貝類は基本的に二枚貝の貝だけです。さらにその中でも毒を持つ可能性のある貝というのは限られていますので、以下に毒化する可能性のある貝類を紹介していきます。
<毒性を持つ可能性がある貝類>
- ホタテガイ
- マガキ
- アサリ
- ヒオウギガイ
- アカガイ
- ムラサキイガイ(ムール貝)
- アカザラガイ
- マボヤ
- コタマガイ
- チョウセンハマグリ
この中で潮干狩りなどで取ることができるのはアサリや、チョウセンハマグリくらいではないでしょうか。その他の二枚貝に関してはほとんど自分で採取することができません。(ちなみにマボヤなどのホヤは貝類ではありません!)
潮干狩りに行く際は、必ずその海域で毒性のあるプランクトンが出現しているかどうか「地方自治体のホームページ」で確認してから採取しに行くようにしてください。
スポンサードリンク
まとめ
いかがでしたでしょうか?貝毒は技術の進歩により、被害が少なくなってきています。そのおかげで私たちはより安心して貝類を食べることができるのですが、その一方で貝毒に対する知識も薄れてきていて、知らずに食べてしまう人が増えないか少し心配でもあります。
この記事をまとめると
- 貝毒は死の危険が伴う非常に強い毒である!
- 貝毒は加熱しても毒性が消えない
- スーパーで売られている貝類は安心して食べることができる
- 潮干狩りなどで貝を採取する時は安全宣言が出ているか確認してからにしよう
今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。