渋柿が干し柿になったら甘くなる理由は?干す以外に渋抜きする方法も

渋柿は熟しても「タンニン」と呼ばれる成分が残るため、強い渋みを感じる柿の事です。糖度は比較的高く、渋抜きされた柿は「平核無柿(ひらたねなしかき)」などの名称で販売されています。

今回は、渋柿を干し柿にするとどうして甘くなるのか紹介していきます。干し柿は日本の冬の風物詩とも言える光景で、庭先で柿がぶら下がっている光景を一度は目にしたことがあるかもしれません。

収穫したばかりでは渋くて食べられないのに、干すとどうして甘くなるのでしょうか。そこで今回は、

  • 渋柿が干し柿になったら甘くなる理由は?
  • 干す以外に渋柿を渋抜きする方法
  • 渋柿とその他の柿の違い

これらのテーマで紹介していきます。是非最後までチェックしてくださいね。

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渋柿が干し柿になったら甘くなる理由は?

渋柿は干し柿として干すだけでどうしてあれほどまでに甘くなるのでしょうか。甘くなる理由について詳しく見ていきましょう。

渋柿は実は元々甘い?

渋柿は名前を見ただけでは美味しくなさそうですが、実は渋抜きを行えば普通に美味しく食べられます。糖度は高いものも多く、15度~18度程度の柿が多いと言います。

とはいえ、柿本来が持っている渋みの成分により、渋みの方が強く感じられるため渋抜きを行わないと食べられないと言われています。

水溶性タンニンが不溶性になったため

それでは渋柿を干し柿にするとどうして甘くなるのでしょうか。これは渋柿に含まれる苦みや渋みの素である「タンニン」と呼ばれる成分が、不溶性に変化するためです。

通常の渋柿は水溶性のタンニンが含まれているため、食べると口の中にタンニンが溶け出すため強い渋みや苦みを感じます。しかし皮をむいて干し柿にすることにより、柿の表面に被膜が作られ、水溶性タンニンが不溶性に変化します

そのため口の中でタンニンが溶け出すことがないので、甘味のみを感じるようになるという仕組みです。

渋が消えるわけではない

干し柿にすると、水溶性タンニンが不溶性タンニンに変化するため、渋みや苦みを感じないようになります。しかし、渋みの成分であるタンニンが無くなってしまったのかと言いますとそうではありません。

タンニン自体は柿の中に残っています。しかし成分が溶け出さないため、苦味や渋みを感じなくなり、甘味が強くなったように感じられます。決して糖度が増しているわけではありません。

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干す以外に渋柿を渋抜きする方法

渋柿の渋抜きは、干し柿以外にもいろいろな方法があります。自宅でも簡単にできる渋抜きの方法について紹介していきます。

アルコールを使う

一つ目の渋抜きの方法は「アルコール」を使用する方法です。焼酎などで渋抜きを行う方法は有名ですよね。柿のヘタの部分をアルコールに浸し、密封できるビニール袋などに入れて1週間ほど待つだけです。

お湯に一晩漬けておく

二つ目の方法は「お湯に漬けておく」方法です。50℃~60℃くらいのお湯に入れて冷めるまで放置を3回程度行う方法です。タンニンが水に溶けやすいという性質を活かした方法で、特別な道具などは一切必要ないため手軽に行えます。

しかし手間と時間がかかるため、アルコールや干し柿、ドライアイスなどを使用する方法が一般的です。しかし手間がかかる分美味しい仕上がりになる、という方も多いです。

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渋柿とその他の柿の違い

そもそも渋柿とその他の柿はどのような違いがあるのでしょうか。柿の種類や成分の違いなどはあるのか、詳しく見ていきましょう。

普通の柿と渋柿の違いは?

通常の柿と渋柿の違いは、近年それほど無くなっていると言います。以前は種がないものは渋柿、種有は甘柿、果実の形が尖っているものは渋柿などと言われてきました。

しかし近年は品種改良などにより、種無しの甘柿も見られるようになったり、形の違う渋柿なども多く見られるようになってきたと言います。柿をカットした時、可食部分に黒いゴマのようなツブツブがみられるものは甘柿と判断してよいかもしれません。

渋抜き後の渋柿と甘柿はどっちが甘い?

渋柿と甘柿どっちが甘いの?と気になる方も多いでしょうが、これは品種や栽培方法などによって大きく変わるとしか言えません。渋柿であっても糖度が高いものも多いですし、渋抜きをしたから糖度が増すというわけでもないようです。

やはり価格で選んだ方が間違いないでしょう。柿はたくさん食べてきましたが、個人的には次郎柿や富有柿が好きです。

まとめ

今回は、渋柿が渋い理由や、干し柿にすると甘くなる理由などについて紹介していきました。

この記事をまとめると

  • 渋柿が渋い理由は、柿に含まれる「タンニン」が水溶性のため、唾液に溶けて渋みや苦味を感じるから。
  • 干し柿にすると渋が抜ける理由は、皮をむいて干すことで被膜が作られ、タンニンが不溶性に変化するため。
  • 渋柿だからマズい!甘柿だから甘い!というわけではなく、どちらも糖度や栄養素などは高く、どちらが良いとも言えない。

いかがでしたか?渋柿が渋い原因がタンニンの影響だったとは筆者も初耳で、勉強になりました。渋柿というと「まずい」というイメージがありましたが、こちらも間違いであることがわかりました。

ちなみに、通常干し柿は渋柿で作るものですが、甘柿でも干し柿は一応作れるようです。しかし渋みがないため鳥に狙われたり、カビなどがはえやすかったりと管理が大変なようです。干し柿は渋柿で作った方がよさそうですね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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