ホッキ貝はお刺身でも美味しい貝類の一つですが、食中毒やアレルギーの原因となることがあります。食中毒菌やアレルギー症状には、どのようなものがあるのでしょうか?今回は、
- ホッキ貝によるアレルギー症状
- 食中毒症状と原因菌
- 潜伏期間はどれくらい?対処法は?
- 加熱すれば大丈夫?安全?
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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ホッキ貝とはどんな貝?
ホッキ貝は、バカガイ科ウバガイ属の二枚貝です。漢字では「北寄貝」と書き、「姥貝(ウバガイ)」という別名も持っています。「姥貝」という名前は、この貝が30年以上も生きることが由来となっています。
日本では北海道や青森県などの北エリアで収穫され、冬から春にかけた時期が一番の旬の時期となっています。
生でも食べられるの?
ホッキ貝はお寿司のネタやお刺身としても食べられているように、「生のままでも食べることができます」!赤貝やトリガイなどに比べて歯ごたえがあり、噛めば噛むほど味が出てくるののが特徴です。
内臓は食べられる?
ホッキ貝には黒い内臓がありますが、「内臓を食べることはできません」!内臓を取り除いた部位は全て食べることができますが、ホッキ貝の内臓は「ウロ」とも呼ばれ、開いた時に見える黒い部分です。
内臓を食べない理由としては、 美味しくなく、砂が入っていることが多いから です。生で食べる場合も加熱する場合も、内臓は下処理で取り除く必要があります。
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ホッキ貝による食中毒症状と潜伏期間
傷んだホッキ貝や既に菌が付着したホッキ貝を食べることで、『食中毒』を起こすこともあります。その原因となる代表的な菌4種類と、症状が出るまでの潜伏期間などについて詳しく確認してみましょう。
- 寄生虫(アニサキス/ヒモビル)
- ノロウイルス
- 腸炎ビブリオ
- 貝毒
寄生虫
ホッキ貝に高確率で寄生している寄生虫は「ヒモビル」というもので、細長い3〜4cmの幼虫のような形をしています。加熱すれば食べることができますが、大きいので下処理の段階で気づくことが多いでしょう。
また、寄生虫の中でも有名な「アニサキス」もホッキ貝でよく見られます。アニサキスは長さ1〜2mmほどの糸状でかなり小さいため、気づかずに食べてしまうこともあります。
アニサキスも 加熱によって死滅する他、冷凍することで死滅する ので、一度冷凍されたホッキ貝のお刺身であれば危険性はありません。家庭で生のホッキ貝を捌いてお刺身として食べるのは、なかなか難易度が高いかもしれません。
ノロウイルス
ノロウイルスは食中毒の中で有名ですが、食べてから症状が出るまでの時間は12〜48時間後、症状には激しい下痢・腹痛・嘔吐などがあります。潜伏期間が最大2日と長く、食べてすぐに症状が出ないため、翌日〜翌々日に発症することもあります。
腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオの潜伏期間は12時間前後で、強い腹痛・下痢・嘔吐などが症状となります。特に温かい時期に発生し、5月から増加が始まりピーク時期は7〜9月ですが冬場でも見られる菌です。
潜伏期間は11〜18時間が一般的ですが、中には2〜3時間という短時間で発症したケースもあります。軽症で済む場合もありますが、重症化すると死亡することもある危険性の高い食中毒です。
貝毒
貝毒は 牡蠣などの二枚貝が有害なプランクトンを食べ、貝の中にその毒がたまる ことで発生します。貝毒はホッキ貝だけではなく、ホタテやアサリ・しじみ・牡蠣などにも起こり得る食中毒です。
海の中で有害なプランクトンが発生すると、二枚貝がそれを餌として食べ、徐々に毒が体内に蓄積することで貝自体が毒化していくのです。日本国内で発生しやすい貝毒は「下痢性貝毒」と「麻痺性貝毒」の2種類で、それぞれ原因となるプランクトンに違いがあります。
- 下痢性貝毒→ディノフィシス属 [毒成分:オカダ酸/ディノフィシストキシン]
- 麻痺性貝毒→アレキサンドリウム属 [毒成分:ゴニオトキシン/サキシトキシン]
症状には、神経筋肉系を刺激して強い麻痺症状や、消化器系への刺激が強く激しい下痢などがあります。
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食中毒は加熱すれば大丈夫?
ホッキ貝は生でも加熱しても食べることができますが、加熱したホッキ貝でも菌が残っていて食中毒症状を起こすことがあります。
ホッキ貝が生焼けの場合や、加熱温度や加熱時間が十分ではなかった可能性が高いです。
また、ホッキ貝には生食用と加熱用がありますが、生食用のホッキ貝は加工工程で身の中の菌を殺菌し除去されています。それに対し加熱用にはそのような工程はなく出荷されているので、加熱用を生食するのは絶対にNGとなっています!
- 加熱用を生で食べない
- 購入した日に消費する
- その日のうちに食べない時は冷凍する
ホッキ貝による主なアレルギー症状
ホッキ貝には食中毒の危険性がありますが、加熱したものでも何かしらの症状が出た場合は『貝アレルギー』の可能性があります。ホッキ貝を食べてアレルギー反応を起こした場合に発症する症状には、このようなものがあります。
- 蕁麻疹
- 口の痒み
- 胃痛・腹痛
- 喉のイガイガ
- 下痢
- 咳き込み
蕁麻疹
1つ目は、蕁麻疹やまぶたの腫れです。普段はなんともなくても、ある時なにかに反応してじんましんが出る経験をしたことのある方は多いのではないでしょうか。蕁麻疹は食品アレルギーで最も起こりやすい症状と言われています。
皮膚にぷつぷつが出たり、全体的に赤くなったりするほか、むくみが見られることもあります。このむくみはまぶたにできやすく、片目のまぶただけ腫れることもあります。
ちなみに、皮膚反応はその対象である食品を摂取してから最短で1時間で症状が現れると言われています。また遅くとも4時間以内に症状が体に現れるようです。
腹痛
貝類との相性が悪いために消化器系が弱ってしまい、胃痛・腹痛を発症して結果下痢となりことが起こり得ます。消化器系が弱ると腸内で上手く消化ができないため、下痢を起こします。
唇・口内の腫れ
唇や口腔内の腫れが起こることがあります。食べた後に、唇がヒリヒリして大きく腫れたり、口の中がイガイガして風邪の時のように腫れたりします。
このような症状は口腔アレルギー症候群と呼ばれ、特定の食べ物を食べた時のほかに、花粉と反応して起こる場合もあります。花粉症を持っている人はなりやすい傾向があります。
症状は早いと食べてすぐに現れるので、食後にお子様の唇が腫れてきたり、口の中の違和感を訴えてきたらすぐに処置するようにしましょう。
のどの違和感
また、のどの違和感も“口腔内アレルギー症候群”の症状の一つで、喉がヒリヒリと痛くなったり、なにか詰まっているような違和感を感じることがあります。
のどの奥にとどまらず、耳にもかゆみや痛みなどの違和感を感じることもあります。アレルギー症状でのどに違和感が起きるというのはあまり知られていないので、最初は風邪と勘違いする方も多いようです。
しかし早い時は15分ほどで症状が出てくるようなので、食事中に急にのどに違和感を感じることがあったら何を食べたのか確認するようにしてみてください。
咳込み・喘息の症状
そして、咳き込みや喘息症状もあります。咳が出たり、ゼーゼーした呼吸になり喘息状態に陥ります。また、この気管支系症状だけではなく、同時に体全体が赤くなるという皮膚の異常が合わさって出ることもあるようです。
一番多く発症する症状として、蕁麻疹を挙げましたが、その次に多いのがこの気管支系の異常です。アレルギー反応を起こす方の20〜30%が咳や喘息の症状を発症しています。
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まとめ
この記事をまとめると
- ホッキ貝には「食中毒」と「アレルギー」を起こすことがある
- 主な食中毒症状は、下痢・腹痛・発熱・嘔吐・吐き気など
- 主なアレルギー症状も食中毒症状と似ている
- アレルギーは加熱しても起こり得る
- 食中毒に関しても菌によっては生きているので症状が出ることも
ホッキ貝などの貝類は、アレルギーを起こしやすい食品です。また、食中毒菌や寄生虫が付着している可能性もあるので注意しましょう。
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