銀杏を食べて下痢や腹痛が…お腹壊す原因は食べ過ぎ?銀杏中毒も解説

食物繊維が豊富で、お酒のおつまみとしても人気の銀杏。ねっとりとした食感や独特の香りがおいしい秋の味覚ですよね。

しかし「銀杏を食べ過ぎるとどうなるの?」「銀杏中毒って何?」「症状や対処法は?」と疑問に思ったことはありませんか?そこで、今回は以下のことについて解説します。

  • 銀杏は食べ過ぎると、下痢や腹痛などの症状が。
  • 銀杏中毒になるとビタミンB6が欠乏する。
  • 症状が出たらすぐに病院の受診を。
  • 毒抜きはできないので、食べ過ぎないことが大切。

銀杏を食べ過ぎて中毒になると、辛い症状や命に関わる危険性があることも。秋の味覚を安全に楽しめるようになりましょう。

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銀杏を食べて下痢や腹痛が…

銀杏は食べ過ぎると下痢や腹痛を引き起こす恐れがあります。そこで、食べ過ぎた時の症状と銀杏中毒について解説します。

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食べ過ぎると症状が

銀杏を食べ過ぎると、下痢や腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が出ます。これは、銀杏中毒になっているためです。

お腹の調子が悪くなる消化器症状に加えて、ひどくなるとめまいや痙攣、呼吸困難など命に関わる症状が出ることもあります。年齢や健康状態によって銀杏中毒になる個数は違うので、1度にたくさん食べ過ぎず、数個程度に抑えておきましょう。

原因は銀杏中毒

先述した通り、銀杏の食べ過ぎで出る症状の原因は銀杏中毒です。銀杏中毒になるのは、4′-メトキシピリドキシンという成分が含まれているから。

4′-メトキシピリドキシンはビタミンB6と構造が似ているため、本来ビタミンB6が結合すべき場所に誤って結合します。結果、ビタミン欠乏症のような症状を発症してまいます。

通常、1~12時間後症に状が出て90時間以内に回復しますが、銀杏中毒の死亡例もあるので食べ過ぎは禁物です。

MEMO
ビタミンB6:神経伝達物質の生成を促進する。ホルモンバランスを整える働きがある。

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銀杏中毒とは

下痢・腹痛

銀杏の食べ過ぎで起こる銀杏中毒。命に関わる症状が出る場合もあり、銀杏をたくさん食べることは非常に危険です。そこで、銀杏中毒の症状や対処法、症状が出る量について解説します。

症状

銀杏中毒の症状は、嘔吐や吐き気、下痢などです。さらに、めまいやふらつき、痙攣、手足の震えなど神経系の症状が出ることもあります。

これは、グルタミン酸がビタミンB6不足によってうまく変化できず、脳が興奮状態になるためです。

症状が軽い場合は24時間以内に治る場合が多いですが、個人差があるので銀杏を食べた時は自分の体調を気にかけましょう。

MEMO
グルタミン酸:ビタミンB6の働きによって、リラックス成分であるGABAを生成する。

対処法

症状が出た場合は、すぐに病院を受診してください。なぜなら、ビタミン欠乏状態になっていると、ビタミンB6製剤の投与が必要であるためです。

また、銀杏中毒の症状が出たからといって、無理に吐かせようとするのはよくありません。これは、痙攣を起こしやすくなるためです。

自己判断で対処せず、すぐに病院を受診しましょう。受診するときは、いつ、どのくらい銀杏を食べたか分かると、医師が対処しやすくなります。

症状が出る量は?

症状が出る量は、年齢や健康状態によって異なります。症状が出るのは子供なら7個、大人で40個と言われています。

しかし、どれくらいビタミンB6が体内にあるかや持病、その日の体調などによって症状が出る量は変化します。子供は体が小さく、銀杏中毒になりやすいので、5歳以下の子供には与えないほうがいいでしょう。

銀杏に含まれる4′-メトキシピリドキシンは熱に強く、加熱しても消失しないので、ドライ銀杏のようなおやつ感覚で食べられるようなものでも注意が必要です。

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銀杏の毒抜きについて

下痢・腹痛

食べ過ぎるとひどい症状が出る銀杏。可能な限り安全においしく楽しみたいですよね。そこで、銀杏の毒と毒抜きについて解説します。

銀杏の毒について

銀杏に含まれる毒成分は4′-メトキシピリドキシンアミグダリンの2つです。4′-メトキシピリドキシンは前述している通り、ビタミンB6の働きを邪魔します。

アミグダリンは生の銀杏に含まれる、食中毒の原因になる成分です。アミグダリン自身に毒性はありませんが、体内で分解されると毒性の強いシアン化水素に変化する場合があります。

大量に摂取しなければ中毒を起こすことはないので、やはり食べ過ぎないことが大切ですね。

MEMO
アミグダミン:杏や梅、桃や琵琶の未熟果実に含まれる自然毒。果実の成熟に伴って消失する。

毒抜きできる?

銀杏の毒抜きできる方法は、現在見つかっていません。というのも、銀杏中毒の原因となる4′-メトキシピリドキシンは熱に強く、加熱しても消失しないためです。

つまり、銀杏中毒にならないためには、食べる量を調節するしかないと言えます。旬の時期にしか食べられない銀杏ですが、銀杏中毒にならない程度に少しずつ楽しみましょう。

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まとめ

銀杏の食べ過ぎでお腹を壊すのは、食べ過ぎではなく中毒が原因なんですね。

この記事をまとめると

  • 銀杏の食べ過ぎで下痢や腹痛などの消化器症状が出る。ひどいと、めまいや痙攣などの神経症状も。
  • 4′-メトキシピリドキシンが原因で銀杏中毒になるとビタミンB6が欠乏する。
  • 症状が出たら無理に吐き出さず、すぐに病院の受診を。
  • 4′-メトキシピリドキシンは加熱しても消滅せず、毒抜きはできない。

銀杏中毒は年齢や体調によって、症状が出やすい場合もあります。中毒にならないよう、少しずつ秋の味覚を楽しんでくださいね。

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