シュークリームの生地がゆるい時の対処法!膨らむ理由や失敗しない作り方

シュークリームって作られたこと、ありますか?かつて赤毛のアンの世界に憧れ過ぎて、まんまとお菓子作りにハマった筆者も何度か挑戦したことがあるシュークリーム。

とはいえ、生来のズボラさが仇となったのか、焼いても焼いても膨らんでくれないあの生地。何度かの挑戦ののち、オーブンから取り出したぺたんこのシュー生地のごとく、チャレンジ意欲もぺたんこに萎んでしまったために、ついに成功を見ることが無かったシュークリーム…(遠い目)。筆者のような悲劇を二度と生み出さないためにも、今回ご紹介するのはズバリ!

  • シュークリームってどういうお菓子?
  • シュークリームの生地がゆるい!何が原因?
  • シュークリーム、失敗しないコツ

では早速初めていくことにしましょう。

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シュークリームってどういうお菓子?


まずは洋菓子の大定番ともいえるシュークリーム、改めてどういうお菓子なのでしょうか。

シュークリームとは

シュークリームはフランス生まれの洋菓子です。

卵と小麦粉、そしてバターというシンプルな材料を練り上げ、焼いた際に膨らんでできた空洞の中にクリームを詰めて作られます。

日本でも大人気のシュークリーム、専門店も多く、中に入れるクリームも、定番のカスタードクリームから、生クリーム、チョコレートやフルーツピューレの入ったものなど、様々なバリエーションがあります。

また、生地を焼き上げる際にパイ生地やクッキー生地を乗せることで、食感の違いを楽しむシュークリームも人気です。

名前の由来や歴史

フランス生まれと書きましたが、フランスでは「シュー・ア・ラ・クレーム」というのが正式な名前。「シュー」はフランス語でキャベツを指し、焼き上がりの見た目がキャベツに似ていることからつけられたそうです。

日本語のシュークリームは、諸説ありますが、フランス語の「シュー」と、英語の「クリーム」あわせた造語。ちなみに、英語ではシュークリームのことを「クリームパフ」と呼んでいます。

日本にシュークリームが入ってきたのは幕末から明治にかけて、フランスの菓子職人、サミュエル・ピエールによって持ち込まれたと言われています。今でこそ、お手頃価格で買えるシュークリームですが、横浜をスタートとして販売が始まった当時は高級品だったそうですよ。

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シュークリームの生地がゆるい!原因は?


さて、改めてシュークリームがどういうお菓子か分かったところで、いよいよ手作りのシュー生地が失敗する原因についてみていきましょう。

生地がゆるくなってしまう原因は1つじゃない

シュークリームの生地がうまく膨らまない原因はいくつかありますが、その中でも生地の硬さは出来上がりを大きく左右します。

作ったことがある方はお分かりだと思いますが、シュー生地は鍋で溶かしたバターに小麦粉を加え、加熱しながら練り上げたところに、少しずつ卵液を入れて硬さを調節していくんですよね。この仕上がりの硬さを見極めるのがとても難しい…、成功したことが無ければ具体的な目安もわかりません。

硬すぎれば卵液を足せばいいような気がしますが、入れ過ぎたものはどうしたらいいのやら。まずは生地がゆるくなってしまう原因についてご説明します。

バターの加熱が足りない

粉を入れる前の加熱が足りないと、油脂と粉が均一に混ざり切らず、糊化がうまくいかないため、生地がダマになったり、キレイにまとまらずだらけてしまったりします。

シュークリームを風船に例えると、風船のゴムに弾力性が無かったり、そもそもゴム地自体が形成されない状態に。このまま焼いても膨らまないか、割れて硬くなってしまいます。

粉を加えた後の加熱が足りない

粉と油脂をあわせた後、練り上げる際の加熱が足りないと、生地に余分な水分が残ってしまい、仕上がりがゆるくなってしまいます。この場合も、糊化がうまくいかなかったり、焼き上げの時に水分がうまく蒸発しなかったりと、生地が膨らまない原因になってしまいます。

卵を加え過ぎてしまった

生地に入れる卵が多すぎると、生地がゆるくなります。ゆるくなってしまった生地は、重みで流れて横に広がってしまい、焼く前から形が潰れてしまいます。

そもそもシュー生地はどうして膨らむの?

そもそもシュー生地はどうしてあんなに膨らんで中が空洞になるのでしょうか。その秘密は生地の粘りと水蒸気にあります。

シュー生地の中には水分が含まれています。その水分が、焼くときに蒸発して水蒸気に変わり、生地を押し上げてくれることでシュー生地は膨らんでいます。

このとき、生地が破れることなく水蒸気を閉じ込めることができれば、中に空洞が作られます。まさに生地が水蒸気によって風船のように膨らんでいる状態。これが成功したシュー生地です。

生地がゆるくなる原因で、何度か糊化がうまくいかないと書きましたが、生地の粘り気を左右するのが小麦粉の中のグルテンというたんぱく質。

粉がうまく糊化できていると、このグルテンがしっかりと粘り気を発揮し、弾力性のある風船の役割を果たしてくれます。ですが糊化がうまくできていないと、焼いても膨らまない、あるいは片寄って膨らんでしまう、という失敗に繋がってしまいます。

シュークリームの生地がゆるいときはアレンジして美味しく食べよう

ゆるくなりすぎてしまった生地は、残念ながらリカバリーができません。卵を入れる段階では粉の糊化が既に完了していますので、粉を加えても膨らまず、硬い焼き上がりになってしまいます。思い切って他のお菓子にアレンジしてしまいましょう。

広げて焼いてミルフィーユ風に

ゆるくなってしまった生地を、オーブンシートを敷いた天板に広げて焼き上げ、冷ましたら板状にカットします。泡立てた生クリームやフルーツと何層かに重ねてミルフィーユのように。失敗した生地が一気に豪華なスイーツになりますよ!

スティック状に焼いて

生地を、オーブンシートを敷いた天板にスティック状に絞るか、スプーンなどで成形し、シナモンやザラメを振って焼き上げます。生地に甘味がないので粉チーズや黒コショウを振って焼き上げても。お酒のアテにもおいしいスナック菓子になります。

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シュークリーム生地、失敗しないコツ


次はシュークリームの生地が失敗しないコツを、実際のレシピと併せてご紹介します。

シュークリーム生地のレシピ

まずは一般的なシュークリーム生地の材料です。

材料/約10個分

  • バター・・・・40g
  • サラダ油・・・5g
  • 水・・・・・・75g
  • 薄力粉・・・・50g
  • 全卵・・・・・2個
お菓子作りは科学!材料はきちんと計量して
材料が細かいですが、お菓子作りは正確さがものを言う科学の世界。電子はかりを利用してきっちり計ってあげるのが成功への第1歩です。
作り方
  1. 材料を全て常温に戻しておく。卵は良く溶きほぐす。バターは1㎝角の角切りにしておく。

     材料が冷たいと、温まるまで必要以上に水分が飛んでしまったり、生地の温度が下がって硬くなってしまったりして失敗に繋がります。バターを切っておくのも、溶けるまでに水分が蒸発してしまうことを防ぐためです。 

  2. 薄力粉はふるっておく。

     薄力粉が均一に細かく空気を含むことで、生地の糊化が成功しやすくなります。 

  3. オーブンを200℃に予熱しておく。

  4. 鍋にバター、サラダ油、水を入れて火にかけ、沸騰させる。

     ここで温度が低いと薄力粉がダマになりやすくなります。沸騰してバターが溶けてからもCM1本分、15秒ほど火にかけておくといいでしょう。 

  5. 1度火を止め、ふるった薄力粉を一気に加えて、へらで手早く混ぜる。

     火にかけたまま薄力粉を加えるとダマになるので必ず火を止めて、一気にいれるのもダマができないコツです。 

  6.  生地がまとまったら再び弱火にかけ、しっかり練り上げる。このとき、火が強すぎると油が分離してしまうので注意。

  7. 生地がまとまったら、鍋底に広げるように混ぜ、薄い膜が張ってくるまで加熱する。

     生地の糊化はここの加熱が重要!1分強を目安に、鍋の底に薄く白い膜が残るようになるまで練り上げましょう。 

  8. 火からおろし、解いた卵を何度かに分けて、少しずつ加え混ぜる。

     ここで卵を入れ過ぎてしまったらすべてが水の泡!生地の状態に注意しながら、少しずつ加えては混ぜていきましょう。 

  9.  生地にクリームのような艶が出て、へらからぽってりと、逆三角形に伸びるように落ちていけば完成の合図。

  10. 丸口金をつけた絞り出し袋に生地をいれ、オーブンシートを敷いた天板に丸く絞り出す。直径4㎝ほどが目安。表面に霧吹きで水を吹きかけ、予熱しておいたオーブンで200℃10分、180℃に下げて20分、さらに160℃に下げて10分焼き上げる。

     表面の乾燥はひび割れの原因に!霧吹きで水を吹きかけてあげることで予防できます。また、焼いている途中にオーブンを開けてしまうと温度が下がり、生地が萎んでしまいます。焼き上がりが気になっても、オーブンは絶対に開けないこと! 

  11. 生地が冷めたら、好みのクリームを詰めてできあがり。

 

下準備で手際よく

シュー生地を作るのに最も重要なのは手際です。特に練り上げの際にもたついてしまうと、生地の水分や温度調節がうまくいかず失敗の原因に。材料は全て計量し、下準備を済ませた状態で作り始めましょう。

シュークリームの難易度は中級以上!

定番の洋菓子ではありますが、シュークリームは元々、生地の難易度が高い、中~上級者向きのお菓子です失敗したって他のお菓子にアレンジすることもできますので、ぜひくじけずに挑戦してみてくださいね。

何度か挑戦しているうちに、きっとコツもわかってくるはず!この記事を読んでくださっているあなたの成功を心から祈っています!

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事をまとめると

  • フランスからきた洋菓子シュークリーム、日本で横浜からスタート
  • シュークリームの生地がゆるくなってしまうとリカバリーが効かない!思い切って他のお菓子にアレンジしよう
  • 失敗しないためには手際が大事!準備万端で始めよう
  • 難易度は中級以上!失敗しても悲嘆にくれず、何度か挑戦してみよう!

ぷわっと膨らんだシュークリーム、自分で作れたらきっと感動もひとしお!中に入れるクリームもあれこれアレンジできちゃいます。筆者もくじけずにもう1度チャレンジしてみようかな。どうか皆様のシュークリームがきれいに膨らみますように!

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