あさりによる食中毒症状で下痢・腹痛に!ノロウイルスの対処法は?

あさりは色々な調理法があり、好きな方も多いと思います。自分で好きなだけ摂れる潮干狩りも家族とのお出掛けにピッタリです。しかし、ちょっと待ってください。その貝、安全でしょうか?あさりには毒がある場合もあるのです。今回は、

  • あさりで食中毒ってあるの?
  • あさりの食中毒症状って?
  • あさりによる食中毒の対処法は?
といった内容でご紹介します。

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あさりによる食中毒とは?

本来、あさりに毒はありません。海の中にあるウイルスや毒を食べることで、あさりに溜まっていきます。

ノロウイルス

実は1年間に発生する食中毒の約3割がノロウイルスによるものであり、全国で毎年約300~400件も発生しています。ノロウイルスは感染力が非常に強く、ごく少量のウイルスでも口から体内に入ることで感染します

直接の感染源として多いとされているのが、しじみ、あさり、ハマグリなどの二枚貝といわれており、これは海中のウイルスを二枚貝が摂取することでその体内にウイルスが蓄積し、その二枚貝を人間が食べてしまうことで感染すると考えられています。冬に二枚貝を生食や加熱が不十分な状態で食べることは非常に危険です。

また、家庭内での感染として多いのは、ノロウイルスに感染した食材が付着した調理器具を介しての感染や、井戸水など消毒不十分な状態の水を摂取しての感染などがあります。最近よく聞くのは、飲食店などで調理担当者を介しての感染もありますね。感染のリスクはあらゆるところに潜んでいるといえます。

貝毒

あさりは海中のプランクトンを餌にしています。時々有毒なプランクトンが海中に発生することがあり、有毒プランクトンを食べたあさりはその毒成分を体内に蓄積して有毒化します。これが貝毒になります。貝毒は調理などの加熱では消えません

貝毒には麻痺性貝毒下痢性貝毒の2種類があり、麻痺性貝毒の症状としては、食後30分で舌、唇などのしびれ、重症の場合は体が思うように動かなくなり、最悪の場合には死に至る場合があります

また、下痢性貝毒の場合、食後30分から4時間以内に下痢などの症状が現れますが約3日ほどで全快します。後遺症や死亡例はありません。

食中毒が出やすい時期

ノロウイルスは12月から翌年1月にかけてが発生のピークになる傾向があります。これはノロウイルスが、低温、乾燥にとても強く、冬場がもっとも過ごしやすい環境であるためと考えられています。

貝毒が発生しやすいのは、毒性を持つプランクトンが日照時間が長いことと海水の水温が上がりやすくなる3月頃から発生し始め、4~5月に最も多く発生します

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あさり食中毒の症状

あさりによって起こる食中毒は、主にノロウイルスと貝毒によるものが考えられます。

下痢・腹痛

下痢性貝毒の主な症状は、食後30分〜4時間以内に腹痛や激しい下痢、嘔吐などの消化器系に異常が出るようです。約3日で回復し、後遺症や死亡例はありません。

発熱

ノロウイルスの場合は吐き気や嘔吐などと共に発熱することもあります。高熱ではなく微熱なので、感染しても風邪と勘違いすることもあるようです。

胃痛・腹痛

日本では例がないようですが、神経性貝毒の場合は、しびれや温度感覚異常などの神経障害とともに胃痛や吐き気などの胃腸障害を伴うことがあります。

頭痛

日本ではほぼありませんが、記憶喪失性貝毒の症状として頭痛や吐き気、腹痛、下痢といったあり、重症だと記憶喪失やけいれんなどがみられるようです。

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あさりによる食中毒の対処法

一旦体に入ってしまった貝毒やノロウイルスを殺す薬はなく、体から外に出てくれるのを待つしかありません。では、どう予防したらよいでしょうか。

加熱方法

ノロウイルスの場合、貝の内蔵に入り込んでいるため、あさりの表面を洗うだけでは取り除くことはできません。あさりの中心温度を85℃〜90℃にして90秒以上加熱すれば不活化できます

貝毒の場合は、熱に強いため加熱しても毒性を消すことはできません。各自治体が貝毒量検査を行なっているので、スーパーなどに並べられているあさりには貝毒は含まれません。ただし、潮干狩りなどで自分で採った場合は規制されていないため要注意です!

冷凍あさりも危険?

貝毒は加熱しても解毒できません。そのため、「毒がある可能性のある貝は食べないこと」が最善策です。商品として販売されている冷凍あさりについては、法律で検査の規定があるので基本的に大丈夫ですが、危険なのは自治体などで管理されていない場所や自分たちで採ってきたあさりです。

貝毒の症状は、体内に入ってしまった毒を体の外へ排出すれば改善します。排出するには、たくさんの水分を摂取するのが最も有効です。有害な物質を出してしまえば症状は回復します。決して下痢止めは使わないようにしましょう。回復が遅くなり症状が長引くかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?

この記事をまとめると

  • あさり自体に毒はないが、毒性のあるプランクトンを摂取したあさりを人間が食べてしまうことで食中毒になることがある
  • あさりの食中毒の症状としては下痢・嘔吐や舌・唇のしびれなど
  • ノロウイルスはあさりの中心温度を85〜90℃にして90秒以上加熱、貝毒は加熱しても毒性を消すことはできない

美味しくあさりをいただくには、スーパーなどで販売されているものか、有料でもきちんと管理された潮干狩り場で採ったあさりのみ食べるようにしましょう。

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