杏と梅の違いは?あんず梅や豊後梅ってなんの事?交配種も解説!

杏と梅を見比べたことはありますか?杏と梅は樹木や花・果実がよく似ていて、パッと見ただけでは区別するのが難しいと言われています。杏と梅の花が咲く時期や果実を収穫する時期も、多少前後はしますがほぼ同じですよね。そんな杏と梅を見分ける方法はあるのでしょうか?また「あんず梅」や「豊後梅」と呼ばれているものは、杏と梅どちらの品種なのでしょう?この記事では

  • 杏と梅は似ている?
  • 杏と梅の違いは?
  • 梅と杏の交配種も

これらをテーマにご紹介いたします。杏と梅の違いに興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。

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杏と梅は似ている?

杏と梅では、どちらかと言えば梅の方が馴染みがありますよね。梅の花や梅の実はよく見かけますが、住んでいる地域によっては杏を見かける機会が少ないのではないでしょうか。杏も梅も原産地は中国で、分類はどちらもバラ科の落葉小高木です。杏と梅はどこが似ているのかまとめてみました。

なにが似ている?

杏と梅は花や木の形、実など、見た目がとてもよく似ています。一瞥しただけではなかなか見分けることができません。梅だと思って見ていた木が実は杏だった、と勘違いしてしまうことがある程、見た目がそっくりです。

収穫時期は?

杏も梅も成熟度によって収穫時期は異なりますが、杏は6月から7月頃、梅は5月から6月頃に収穫されます。栽培されている地域やその年によっても収穫時期は異なります。梅の方が早めに収穫されますが、時期は被りますね。

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杏と梅の違いは?

見た目がそっくりな杏と梅。簡単な見分け方のひとつに種(核)が実から外れやすいかどうかがあります。種が簡単に外れるのが杏、外れにくいのが梅です。花の香りは杏からはあまり感じませんが、梅の花からは良い香りが漂います。梅の品種の中には酢酸ベンジルという化合物が含まれているものがあり、多幸感をもたらす効果が期待できるとも言われています。この他にも、杏と梅には異なる部分があるのでしょうか?杏と梅の外観の見分け方は?杏と梅の違いをまとめてみました。

外見の違いと見分け方は

外見では、花の付き方に違いがあります。杏は花が枝に直接くっつくように、枝全体にびっしりと美しい花を咲かせます。梅は1つの節から1つの花が咲くので間隔が空いています。花びらは丸っこく、幹はゴツゴツとしていて割れ目が目立ちます。花の付け根の萼(ガク)は杏は反り返り、梅は反り返っていません。また、果実の大きさは杏の方が梅より大きめです。

味は

杏の味は梅にも似ていて甘酸っぱく爽やかです。杏独特の香りがあり、果汁は少なめ。柔らかくなりやすく酸味があることからジャムやドライフルーツなど加工品として使われます。品種も多く、ヨーロッパ系の杏は甘みが強いので生で食べられます。一方で梅は生では食べません。梅干しや梅酒、梅ジュースなどに加工して使われます。梅は熟しても甘味が出ることはなく、酸味は残ります

栄養価は

杏の栄養価 βカロテン、ビタミンB1・C・Eなどのビタミン類、リコピン、クエン酸、食物繊維、鉄等
梅の栄養価 カリウム・鉄・リンなどのミネラル類、ビタミンB1・B2・C・Eなどのビタミン類等

杏には抗酸化作用、疲労軽減効果、美肌効果、夜盲症予防、便秘の予防と解消、咳止め、体を温めるといった効果が期待できます。

梅には疲労回復効果、免疫力を高める効果、塩分の摂りすぎやむくみの解消、血圧を下げる効果、整腸作用、食欲増進効果などが期待できます。

大きさ以外は見た目が似ている杏と梅ですが、栄養価には違いがあることがわかりますね。

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梅と杏の交配種も

梅と杏は植物学上とても近い種類です。自然の状態でも混じり合って雑種化が進んでいます。交配種とは、異なる種を交配させてできた新しい品種のこと。最近では甘みの強い品種に人気があるため、梅と杏を交配することがあります。梅と杏の交配種の一例を紹介します。

あんず梅

あんず梅とは梅の品種の一つです。杏に似ているため「あんず梅」と名付けられました。酸味が少なく柔らかくて厚めの果肉が特徴です。梅酒や梅干しなどに用いられます。あんず梅の他にも、八助梅と呼ばれる品種があります。梅と名付けられているものの、実は杏です。梅と杏は同じ仲間で雑種も多数あるため、見た目や名前だけでは判断が難しいですね。

豊後梅

杏との交配が進んでいる梅は、豊後系と杏系の2つに品種が分類されます。その中のひとつ梅と杏の交配種・豊後梅は、寒さに強く香りが少なめの品種です。大粒で果肉が厚く、種は小さめ。酸味が少ないので、梅ジャムや梅シロップなどに加工すると美味しく食べられます。果実の大きさは40〜60gと大きめです。

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まとめ

杏と梅の違いをテーマにご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

この記事をまとめると

  • 杏と梅は原産地は中国、分類はどちらもバラ科の落葉小高木、見た目と収穫時期が似ている
  • 杏と梅は、花の付き方・生食できるかどうか・栄養価が違う
  • 梅と杏は植物学上とても近い種類、交配種にはあんず梅や豊後梅がある

見た目がそっくりな杏と梅ですが、栄養価や味が異なります。杏も梅も健康に良い効果が期待できるので、ぜひ食べたい果実ですね。交配種もあるので食べ比べや違いを楽しむのもいいでしょう。杏と梅の木の外観は、花の付き方で見分けることができます。花の咲く季節を迎えたら、ぜひ違いを確かめてみてください。普段見ていた梅の木が実は杏の木だった、ということもあるかもしれませんよ。

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