食中毒が発生しない食品は少なく、保存環境の良し悪しが関係します。あんこも比較的腐りにくい食品ではありますが、腐らないわけではありません。
そこで今回はあんこの食中毒について以下にまとめました。今一度確認してみて頂けると幸いです。
- あんこで食中毒に?
- あんこによる食中毒症状
- あんこの日持ち・賞味期限はどれくらい?
- 腐ったあんこの見分け方
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目次
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あんこで食中毒に?
あんこで食中毒になるかと問われれば、答えは食中毒になります!
原因はセレウス菌
あんこの食中毒の原因はセレウス菌によるものです。製造時、あんこを調整した際に室内放置など不適切な環境下に置き、あんこの中でセレウス菌が増殖し毒素を産生することによって起こります。
セレウス菌は28℃~35℃の温度帯で最も増殖しやすいことから7~9月にかけての夏場は特に注意が必要となります。
嘔吐型(細菌性毒素型)と下痢型(細菌性生体内毒素型)
セレウス菌による食中毒症状は嘔吐型(細菌性毒素型)と下痢型(細菌性生体内毒素型)に分けられます。
嘔吐型(細菌性毒素型)の毒素は消化酵素や熱や酸、アルカリにも安定であるため、食品中で産生された毒素で食中毒が起こります。日本のセレウス菌食中毒は「セレウリド」と呼ばれる嘔吐毒によるもので、毒素が失活しないためその大半を占めています。
下痢型(細菌性生体内毒素型)の食中毒は、菌が付着した食品を食べ、腸管内で菌が増殖するときに産生した下痢毒により発症する感染型(生体内毒素型)の食中毒になります。通常下痢型(細菌性生体内毒素型)の毒素は60 ℃以上の加熱、pH4以下の酸性条件などによって失活することが知られています。
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あんこによる食中毒症状
食中毒症状は多岐に渡り様々あります。
腹痛・下痢
セレウス菌食中毒の下痢型(細菌性生体内毒素型)の場合腹痛・下痢を発症します。食後6~15時間ほどで、水のような下痢と腹痛が出現し、吐き気を伴うことがありますが、嘔吐や発熱はまれです。症状は最低24時間持続します。
下痢型(細菌性生体内毒素型)の毒素は60 ℃以上の加熱、pH4以下の酸性条件などによって失活しますので一般的に加熱処理は有効です。
発熱
嘔吐型(細菌性毒素型)、下痢型(細菌性生体内毒素型)どちらも発熱はまれです。発熱したとしても軽度で収まります。
嘔吐・吐き気
セレウス菌食中毒の嘔吐型(細菌性毒素型)の場合嘔吐・吐き気を発症します。食後30分~6時間(平均2時間~3時間)で嘔吐が出現し、時々腹痛や下痢が見られる場合もあります。嘔吐型の症状は、24時間未満に収まることがほどんどです。
死亡する可能性もあるって本当?
下痢型(細菌性生体内毒素型)の食中毒は、体が弱っている方では、セレウス菌による菌血症、心内膜炎、髄膜炎、肺炎、急性肝不全などを起こすことがあり、死亡例もあることから注意が必要です。
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あんこの日持ち・賞味期限はどれくらい?
安全にあんこを保管する条件とはどのようなものなのでしょうか。
常温
家庭で作る糖度が低いあんこの場合は、常温に置いておくと菌が繁殖して腐る可能性が出てきますので常温には置かない方が良いです。 市販のものであっても開封済みの場合、夏などの暑い時期は6時間程度、 冬の寒い時期で室温が10℃以下の場合は12~24時間程度を目安に食べきるようにして下さい。
冷蔵庫
あんこの量が少量の場合や、すぐ食べる予定があるという時は冷蔵保存が良いです。鍋やパッケージなどから清潔な保存容器に移し替えて上からラップをして、空気を抜き、ピッタリさせてさらにその上から蓋をして保管します。乾燥やカビを防ぐために、空気に触れさせないのが一番です。
冷凍保存
あんこを安全に保存するには冷凍保存が一番良い方法です。家庭用冷凍庫の温度は-18℃が基準となっており、菌の繁殖危険温度帯を避けてあんこを保存することができるからです。
約50g〜100gぐらいずつに分けてラップにピッタリと包んで冷凍保存袋などにまとめて入れて冷凍する方法がオススメです。冷凍保存では約1〜3ヶ月ぐらい保存できます。
しかし、冷凍と解凍を繰り返すと風味は劣りますので必要分だけ自然解凍して使用するようにしてください。解凍しましたら当日中の消費をお願いします。
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腐ったあんこの見分け方
腐ったあんこは目視で出来る場合と出来ない場合があります。
カビが生えている
あんこが腐っているかどうかの判断の一つに目視によるものがあります。あんこの表面に白い綿状や緑色のカビが生えている場合はカビが生えていますので腐っていると考えて間違いないでしょう。食べることはしないでください。
ネバネバと糸を引く
これも目視による判断が出来ます。納豆のような強い粘り気ではないかと思いますが、箸などで持ち上げた時に細い白もしくは透明の糸がひくようでしたら傷んでいる証拠です。袋などに入れて処分して下さい。
すっぱい・変な臭いがする
傷んだあんこだけではなく、あらゆる食品は傷むと酸味が出てすっぱくなることが多いです。また臭いも腐敗臭がしてきますのでわかることが多いかと思います。食べることはやめましょう。
まとめ
この記事をまとめると
- あんこで食中毒は起こりえます
- 原因はセレウス菌によるもので、嘔吐型(細菌性毒素型)と下痢型(細菌性生体内毒素型)に分かれます
- セレウス菌食中毒の下痢型(細菌性生体内毒素型)の場合、食後6~15時間ほどで腹痛・下痢症状を発症します
- セレウス菌食中毒の嘔吐型(細菌性毒素型)の場合、食後30分~6時間(平均2時間~3時間)ほどで嘔吐・吐き気を発症します
- どちらも発熱はまれで、発熱したとしても軽度で収まります
- 下痢型(細菌性生体内毒素型)の食中毒は、体が弱っている方ではセレウス菌による菌血症、心内膜炎、髄膜炎、肺炎、急性肝不全などを起こすことがあり、死亡例もあることから注意が必要です
- あんこの保存方法は冷凍保存がおすすめです
- 腐ったあんこは表面がカビていたり、糸がひいたり、味や臭いに変化が生じていることが多いです
夏場は食中毒が増える時期です、食べ物の取り扱いにはお気をつけ下さい。あんこに関して他にも記事がありますので参考にしてみて下さい。
詳しくはこの記事をチェック!
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