アニサキスを食べてしまったら症状はいつまで?自然排出まで何日生きる?

アニサキスを食べてしまったらどうなるか知っていますか?魚に寄生する寄生虫ということは知っているかもしれませんが、詳しい症状や潜伏期間についてあまり知らない方も多いのではないでしょうか?今回は、

  • アニサキスを食べるとどうなる?
  • 食中毒症状はすぐ出るの?潜伏期間は?
  • 症状が軽いときは自然治癒できる?
  • アニサキス対処法・死骸は食べても大丈夫?

これらのテーマについて紹介いたします。

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アニサキスを食べてしまったらどうなる?

アニサキスは魚の内臓部分や筋肉部分に寄生する危険な寄生虫です。寄生した魚介類を食べることによって様々な食中毒症状を起こすわけですが、もし食べてしまったらどんな症状が出るのでしょうか?

アニサキス食中毒

アニサキスによる食中毒症状は、主に激しい腹痛・吐き気・下痢です。アニサキスが消化器官の粘膜に刺入することで痛みを伴い、刺入した場所によって「胃アニサキス症」「腸アニサキス症」に分かれます。

胃アニサキス症

“胃アニサキス症”とは、生きたまま体内に入ったアニサキスが胃の粘膜に潜り込むことで激しい胃痛や吐き気・腹痛を伴う症状です。アニサキスは胃や腸の粘膜に刺入する寄生虫ですが、腸よりも胃に刺入するケースが多いです。

腸アニサキス症

“腸アニサキス症”とは、アニサキスが腸内まで到達して腸内の粘膜に潜り込むことで激しい腹痛や下痢を起こす症状です。腸アニサキス症が重症化すると、稀に腸閉塞となることもあります。アニサキスにより腸閉塞を起こした場合は、外科的処置をすることで治療されます。

ちなみに、腸アニサキス症のケースは稀で、アニサキスによる食中毒全体の5%以下となっています。

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アニサキスアレルギー

アニサキスによる体への影響として 『アニサキスアレルギー』 というものもあります。これはアニサキスによる食中毒とは別物で、死んだアニサキスによっても体に症状が現れます。

通常のアニサキス食中毒であればアニサキスの死骸は食べてしまっても大丈夫なのですが、アレルギーの場合は死骸を食べることによってもアレルギー症状が出るのです。

アニサキスアレルギーの症状には、蕁麻疹や呼吸困難があります。この2つは食中毒では出ない症状なので、魚を食べた時に蕁麻疹や呼吸困難となった場合はアレルギーの可能性があります。

食中毒症状は食べてからすぐ?

アニサキスを含む魚介類を食べてから腹痛や下痢などの症状が出るまので時間は、数十分〜十数時間となっています。早ければ食後数数十分で症状が出ますが、遅い場合は翌日に症状が出ることもあるのです。アニサキス食中毒による食中毒症状は、治療しない限りアニサキスが体内で死滅するまで続きます。

アニサキスは何日生きるの?

魚の体内では生き続けれるアニサキスですが、 人間の体内では環境が合わないため4〜5日で死滅します 。ですが、最長で5日ほど生き続けるため、その間は症状が続くことになります。

症状が軽い・我慢できる痛みなら自然治癒できる?

アニサキスが死滅すれば症状はなくなるので、その寿命である4〜5日の痛みを我慢し続ければ症状は自然治癒することができます。そのため、我慢できる痛みなど症状が軽い場合は自然治癒を待つことも可能です。人によっては、激しい腹痛を伴わず軽傷で済むケースもあります。

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自然排出される

アニサキスを含む魚を食べ、体内で死滅したアニサキスはそのまま消化されて自然排出されます。食べてしまってもアニサキスが胃や腸に刺入せずすぐに死滅すれば、排泄物と一緒に自然排出されるので問題ありません。

アニサキス治療に熱いお茶・アルコールは効く?

アニサキス治療には、“熱いお茶たアルコールが効果的”と言われることがありますが、これは本当なのでしょうか?民間療法として効くと言われている2つの治療法について解説します。

熱いお茶

“アニサキスには熱いお茶が効く”と言われることがありますが、生きたアニサキスを食べてしまった場合、熱いお茶を飲んでも食中毒症状を改善することはできません。加熱によるアニサキスの死滅温度は60度以上であり、飲める温度の熱いお茶を飲んでも効果はありません。

アルコール

“アニサキスにはアルコールが効く”と言われることがありますが、こちらも効果はありません。アニサキスはアルコールに強く、2.5〜10%濃度のアルコール飲料内で 5 日間生存、14〜25%アルコール飲料内でも平均 5.6 時間生存します。

あくまでも温度の決まった冷凍処理か加熱処理でしか死滅させることができないので、それ以外の方法は効かないので注意しましょう。

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アニサキスの対処方法は?

アニサキスによる食中毒にならないための対処方法には、加熱処理と冷凍処理があります。魚を加熱か冷凍することによってアニサキスを死滅させることができるので、お刺身として生魚を食べる際も一度冷凍されていることが多いです。

加熱・冷凍それぞれ温度と時間に条件があるので、詳しく見ていきましょう。

加熱処理

アニサキスを加熱死滅させる際は、 60度以上で1分間以上 加熱することで、完全に危険性をなくすことができます。また、70度以上であれば1分かけずともアニサキスは死滅します。

アニサキスのいる可能性のある魚を加熱する際のポイントは、加熱温度が重要です。電子レンジ加熱だと温度が死滅温度に達しず、また加熱ムラも出るためオススメしません。しっかり火を通し熱処理するには、フライパンや魚焼きグリル・オーブンなど高温で加熱できる方法が良いでしょう。

加熱すると何色?

アニサキスは元々半透明の白色ですが、魚に寄生し血液や体液を吸うことで赤色になっていることが多いです。 加熱したり死滅すると、アニサキスは白色に変色 します。

冷凍処理

アニサキスを冷凍死滅させる際は、 マイナス20度で24時間以上 冷凍することで完全に危険性をなくすことができます。

冷凍で死なない場合

家庭用の冷凍庫の設定温度は、だいたい-18度となっています。-18度だとアニサキスの死滅温度としては足りないため、24時間以上冷凍しても完全に死なないことがあるので要注意です。

注意

家庭用の冷蔵庫・冷凍庫ではアニサキスが死ぬくらいの温度にならないので死滅しない

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加熱後・冷凍後の死骸は食べても大丈夫?

ところで、「アニサキスは死滅したとしても、死骸が魚の中に残っているのでは…?」と気になった方はいませんか?

そうなんです、アニサキスは死んでも、その死骸が鯖に残っています。ですが、アニサキスは死んでいれば、食べても問題ありません。アニサキスを持つ魚で加熱処理や冷凍処理されているものを食べている私たちは、普段からアニサキスの死骸を口にしている可能性が高いのです。

注意

アニサキスアレルギーの場合は、死骸でも反応して症状が出るので注意!

まとめ

この記事をまとめると

  • アニサキスには食中毒とアレルギーがある
  • アニサキスの死骸で食中毒になることはないが、アレルギーの場合は死骸でも発症する
  • アニサキスを食べたら体内で4〜5日生き続け、死滅するまで症状は続く

アニサキスを食べてしまったら胃アニサキス症を発症するケースが多いですが、中には軽傷で済むパターンもあります。激しい痛みを伴ったら消化器系の粘膜に刺さっている可能性が高いので、速やかに病院で診てもらうようにしましょう。

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