アニサキスの食中毒は何時間後?潜伏期間・症状はいつまで?自然治癒する?

アニサキスによる食中毒は、何名かの芸能人がかかり”アニサキス騒動”と言われ2017年に話題となりました。激しい腹痛を伴うアニサキス食中毒ですが、症状が出るのは何時間ごなのでしょうか?潜伏期間がどのくらいなのか気になるところです。今回は、

  • アニサキス食中毒の症状
  • 症状が出るまでの潜伏期間
  • 治療法・自然治癒は可能?
  • アニサキスの予防方法は?

これらのテーマについて紹介いたします。

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アニサキスの食中毒症状は?

胃アニサキス症

“胃アニサキス症”とは、生きたまま体内に入ったアニサキスが胃の粘膜に潜り込むことで激しい胃痛や吐き気・腹痛を伴う症状です。アニサキスは胃や腸の粘膜に刺入する寄生虫ですが、腸よりも胃に刺入するケースが多いです。

人の体内に寄生し続け生きることはありませんが、体内に侵入した後の寿命が来るまではその激しい痛みが続きます。中にはアニサキスを食べてもこうした症状が出ない人もいるようです。

腸アニサキス症

“腸アニサキス症”とは、アニサキスを腸内まで到達して腸内の粘膜に潜り込むことで激しい腹痛や下痢を起こす症状です。腸アニサキス症が重症化すると、稀に腸閉塞となることもあります。アニサキスにより腸閉塞を起こした場合は、外科的処置をすることで治療されます。ちなみに、腸アニサキス症のケースは稀で、アニサキスによる食中毒全体の5%以下となっています。

腸閉塞とは?

小腸や大腸が詰まり腸の内容物が停滞して腸管が拡張し、腹痛を伴う病気

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アニサキスの食中毒件数

アニサキスの過去の発生件数は、2017年は230件、2018年は468件となっています。2017年〜2018年の間に倍増し、それ以降もアニサキスによる食中毒発症件数は増え続けています。

アニサキスが増えた理由としては、『アニサキスの感染を食中毒として届出をするという認識が医療関係者の間で普及したから』と言われています。つまり、 急増したわけではなく以前から起きていたけれど報告事例が増えた ということです。実際のアニサキスによる食中毒の発生件数は、年間7,000件近くにも及ぶと言われています。

アニサキス食中毒の症状が出るのは何時間後?

アニサキスを含む魚介類を食べてから腹痛や下痢などの症状が出るまので時間は、数十分〜十数時間となっています。早ければ食後数数十分で症状が出ますが、遅い場合は翌日に症状が出ることもあるのです。

症状はいつまで続く?

アニサキス食中毒による食中毒症状は、治療しない限りアニサキスが体内で死滅するまで続きます。魚の体内では生き続けれるアニサキスですが、人間の体内では環境が合わないため、4〜5日で死滅します。

胃に刺入した場合の症状は4〜5日腸に刺入した場合の症状は3〜4日続くと言われています。では、アニサキス食中毒になった場合どのような治療法があるのでしょうか?

アニサキス食中毒の治療法は?

アニサキスによる食中毒の疑いがある場合、病院で診てもらった方が安全です。症状が軽症であまり重くない場合は家で安静にしていてもOKですが、アニサキスは激しい痛みを伴う食中毒なので病院に行かずにはいられないことの方が多いでしょう。

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病院に行かないのはアリ?自然治癒できる?

アニサキスが死滅すれば症状はなくなるので、その寿命である4〜5日の痛みを我慢し続ければ症状は自然治癒することができます。しかし、かなりの激痛を伴うので病院に行かず数日耐えるというのは難しいかもしれません。病院に行くと、胃カメラなど内視鏡で確認しながらアニサキスを摘出する処置を受けることができます。 

熱いお茶は効く?

“アニサキスには熱いお茶が効く”と言われることがありますが、生きたアニサキスを食べてしまった場合、熱いお茶を飲んでも食中毒症状を改善することはできません。加熱によるアニサキスの死滅温度は60度以上であり、飲める温度の熱いお茶を飲んでも効果はありません。

アルコールは効く?

“アニサキスにはアルコールが効く”と言われることがありますが、こちらも効果はありません。アニサキスはアルコールに強く、2.5〜10%濃度のアルコール飲料内で 5 日間生存、14〜25%アルコール飲料内でも平均 5.6 時間生存します。

あくまでも温度の決まった冷凍処理か加熱処理でしか死滅させることができないので、それ以外の方法は効かないので注意しましょう。

正露丸は効く?

アニサキスによる食中毒症状が出た時の対処法として、正露丸を飲む方法があります。正露丸は下痢や腹痛に効果的なので、一時的な応急処置としては効果があります。

アニサキス食中毒を予防するには

アニサキスが死滅する条件には、2つのパターンがあります。“冷凍処理”“加熱処理”によるものです。それぞれアニサキスが死滅する温度と時間が決まっており、正しく処理すれば食中毒となることはありません。それぞれの詳しい条件について確認してみましょう。

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加熱温度・加熱時間

アニサキスを加熱死滅させる際は、 60度以上で1分間以上 加熱することで、完全に危険性をなくすことができます。また、70度以上であれば1分かけずともアニサキスは死滅します。

アニサキスのいる可能性のある魚を加熱する際のポイントは、加熱温度が重要です。電子レンジ加熱だと温度が死滅温度に達しず、また加熱ムラも出るためオススメしません。しっかり火を通し熱処理するには、フライパンや魚焼きグリル・オーブンなど高温で加熱できる方法が良いでしょう。

注意

流行りの低温調理は温度が足りずアニサキスが死滅しないので注意!

冷凍温度・冷凍時間

アニサキスを冷凍死滅させる際は、 マイナス20度で24時間以上 冷凍することで完全に危険性をなくすことができます。

注意

家庭用の冷蔵庫・冷凍庫ではアニサキスが死ぬくらいの温度にならないので死滅しない

家庭用の冷凍庫の設定温度は、だいたい-18度となっています。-18度だとアニサキスの死滅温度としては足りないため、24時間以上冷凍しても完全に死なないことがあるので要注意です。

まとめ

この記事をまとめると

  • アニサキス食中毒の症状は食後数十分〜十数時間と幅広い!
  • 食中毒症状には胃に刺さる胃アニサキス症、腸に刺さる腸アニサキス症がある
  • アニサキス食中毒の大半は胃アニサキス症であることが多い

アニサキスによる食中毒は毎年起き続けています。その発生件数は7,000件にもなると言われているのであなどれません。自分で釣った魚など生魚を調理する際は、十分に気をつけましょう!

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