魚に寄生するアニサキスを食べると激しい腹痛や下痢を伴う食中毒になりますが、干物の場合は大丈夫なのでしょうか?今回は、
- 干物のアニサキスは大丈夫?
- アニサキスは乾燥に弱い?
- 死骸を食べるのは無害なの?
- アニサキス食中毒の症状・治療法
これらのテーマについて紹介いたします。
スポンサードリンク
目次
|
|
干物のアニサキスは大丈夫?
結論からお答えすると、 干物に関してはアニサキスの心配はありません! 魚をしっかり加熱して煮ることで、万が一アニサキスが寄生していても食中毒症状は起こりません。
アニサキスは海に住む一部の魚に寄生する寄生虫で、私たちが普段食べているサーモン・アジ・イワシ・カツオなど様々な魚介類に含まれている可能性があります。加熱すれば死滅し、食べても問題ない寄生虫なので“煮魚の場合は大丈夫”と言えます。
干物が安全な理由
干物が安全な理由は、乾燥させることと食べる前に加熱することによってアニサキスが完全に死んでしまうからです。加熱するには60度以上で1分という条件がありますが、干物の場合は乾燥させた時点で死滅します。
スポンサードリンク
干物は生で食べられる?
干物は乾燥しているので、“そのまま生で食べられるの?”と疑問に思うかもしれません。しかし、 干物は焼いて食べるのが必須なのでそのまま生食することはできません 。
乾燥してアニサキスは死滅していても、他の食中毒になる可能性があるので干物は必ず焼いて食べるようにしましょう。
生焼けにも注意!
干物を焼く時は、乾燥しているので火が十分に通っていない生焼けの状態になりやすいです。生焼けは食中毒の原因となるので、両面しっかり加熱しましょう。
イカの干物もアニサキスは安全?
スルメイカ・ホタルイカ
おつまみとして食べられているスルメイカやホタルイカの干物は、乾燥しているのでアニサキスが寄生していたとしても死滅済みで安全に食べることができます。
イカにはアニサキスが寄生しやすく、そのまま生食すると食中毒となる危険性のある海の生き物です。ですが、干物に加工されたものに生きたアニサキスはいないので安心しましょう◎
また、アニサキス以外にも“腸炎ビブリオ”という菌が付着していることがあります。こちらも食中毒を引き起こす菌ですが、真水に弱く、洗った時点で死んでいる可能性が高いので問題ありません。
アニサキスがいる5種のイカ
イカは全世界に450種類以上存在すると言われ、日本近海の海で獲れるのはそのうち100種類ほどです。その中でも、よく食べられていてアニサキスが出るイカの種類は下記になります。
- アオリイカ
- ケンサキイカ
- コウイカ
- スルメイカ
- ヤリイカ
どれもお刺身や塩辛・沖漬けなど生も美味しいイカの種類で、冷凍処理をしていないと生きたアニサキスを一緒に食べてしまう可能性があります。
中でもスルメイカへの寄生率が高く、ほとんどのスルメイカにアニサキスが含まれていることが多いです。
詳しくはこの記事をチェック!
スポンサードリンク
アニサキスの死骸を食べてるってこと?
加熱後は食べても大丈夫
干物の乾燥させる工程や加熱・冷凍によってアニサキスは死ぬわけですが、死んだところで魚から排出されるわけではありません。調理中に死んだアニサキスは、私たちはそのまま気づかず食べていることが多いのです。
アニサキスの死骸を魚と一緒に食べていることになるわけですが、アニサキスの死骸は食べても害がなく、味がすることもありません。知らず識らずのうちにアニサキスを食べているのは少々気持ち悪い気もしますが、食べても問題ないので安心しましょう。
詳しくはこの記事をチェック!
アニサキスアレルギーは注意
中には稀にアニサキスアレルギーの人がいて、その場合はアニサキスの死骸でも蕁麻疹や呼吸困難といったアレルギー症状を起こすことがあります。アレルギー以外の場合は加熱したアニサキスの死骸は食べても大丈夫なので、安心しましょう◎
冷凍で死なない場合は?
冷凍してもアニサキスが完全に死滅せず、生き残っていることがあります。冷凍したはずの魚でアニサキスが死滅しない原因は、魚を冷凍する温度です。 アニサキスが死滅する冷凍温度は-20度 と決まっています。また、 冷凍時間も24時間を超えていないと死滅せず生き残っている可能性がある のです。
家庭用の冷凍庫の設定温度は、だいたい-18度となっています。-18度だとアニサキスの死滅温度としては足りないため、24時間以上冷凍しても完全に死なないことがあるので要注意です。
スポンサードリンク
アニサキスを生で食べてしまったらどうなる?
アニサキスを生で食べてしまったら、激しい風通・下痢・吐き気などの食中毒症状が食後数十分〜十数時間後に現れます。アニサキスが胃の粘膜に刺入した時はみぞおち辺りに激しい痛みを生じ、腸の粘膜に刺入した時は下腹部に激しい痛みを生じします。これはアニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こすからです。
痛みが出るのは主に胃・腸ですが、そのほとんどが胃のケースであることが多いです。胃に刺入した場合は食後すぐに発症しやすく、腸に刺入した場合は到達までに時間がかかるため、食べてから2日後に発症することもあります。
- 胃アニサキス症…アニサキスが胃に刺入
- 腸アニサキス症…アニサキスが腸に刺入→重症化すると腸閉塞になることも
症状はいつまで?
魚の体内では生き続けれるアニサキスですが、 人間の体内では環境が合わないため4〜5日で死滅します 。ですが、最長で5日ほど生き続けるため、その間は症状が続くことになります。
アニサキスの治療は?
アニサキス食中毒になった場合、その多くは激しい腹痛を伴うので医療機関で診てもらう必要があります。内視鏡検査によってアニサキスの場所を特定し、刺さったアニサキスを抜き取る処置が行われます。アニサキスを抜き取ることで痛みは緩和し、下痢など他の症状も落ち着きます。
- 我慢できる痛み
- 症状が軽い場合
生きたアニサキスを食べても、症状が軽かったり我慢できる痛みだったりすることがあります。人によっては食中毒症状が全く出ず、アニサキスを食べたことに気づかないこともあるようです。このような場合、アニサキスは体内で死滅し排出されるので病院に行かなくてもOKです。
詳しくはこの記事をチェック!
スポンサードリンク
まとめ
この記事をまとめると
- 干物は乾燥・加熱されているのでアニサキスの危険性はない!
- スルメイカ・ホタルイカなどイカ類も干物なら安全!
- アニサキスの死骸は食べても大丈夫!
アニサキスは海に住む様々な魚類に含まれている寄生虫ですが、干物の場合は乾燥させた時点で死滅するので食べても問題ありません。焼かずに食べるとその他の食中毒になる可能性があるので、しっかり加熱してから食べるようにしましょう!
スポンサードリンク