オイルサーディンにアンチョビ、パスタやアヒージョに、日本でも随分一般的になりましたよね。独特の旨みが料理に深みを与え、あわせるお酒もおいしくしてくれます。
この2つ、原料となるのはどちらもイワシ。ではいったい、どんな違いがあるのでしょうか?そこで今回は、
- オイルサーディンとアンチョビ、何が違う?
- オイルサーディンとは
- アンチョビとは
- オイルサーディンとアンチョビ、代用できる?
について、ご紹介させていただきます。
スポンサードリンク
目次
|
|
オイルサーディンとアンチョビ、何が違う?
オイルサーディンとアンチョビ、基本的な材料はどちらも、イワシと油、そして塩です。その最も大きな違いは製造方法にあります。
【オイルサーディン】
オイルサーディンは、イワシを、塩、香辛料と一緒にオイルで煮て作られます。流通しているのは、主に缶詰に加工されたもの。加熱により殺菌された後、製品化されるため、塩分はそれほど強くなく、そのまま食べることができます。
【アンチョビ】
対してアンチョビは、イワシを塩漬けにして発酵させ、それからオイルに漬け込んだもので、缶詰や瓶詰のもの、最近ではペーストをチューブに加工したものも流通しています。発酵食品であるアンチョビは非加熱、また、保存のために塩分もかなり強くなっていますので、そのまま食べるのには向きません。
スポンサードリンク
オイルサーディンとは?
オイルサーディンとアンチョビ、違うことはわかったけれど、それぞれどんな特徴や食べ方があるのかも気になりますよね。まずはオイルサーディンについて、詳しくみていきましょう。
特徴
オイルサーディンは、小型のイワシから頭と内臓、尾っぽを取り除き、油で煮て作られます。現在は世界各国で作られており、加工の際に使われる香辛料や油の種類も、国や地域、メーカーによっても様々です。
日本で初めてオイルサーディン缶が作られたのは、なんと明治4年!実はこの日本初のオイルサーディン缶、同時に日本初の缶詰だったそうです。
今では魚の加工品からフルーツ、果てはケーキまで作られている缶詰のスタートがオイルサーディン缶だったなんて、ちょっと意外な気もしますね。
どんな味?まずい?美味しい?
オイルサーディンは、その昔は軍用の保存食糧として利用され、味付けも塩と油のみ、というシンプルさだったとか。基本的な材料のベースは今も同じ。イワシを塩で調理した、シンプルな味わいです。
とはいえ、現在では、塩の他にいろんな香辛料が加えられていることも多く、さらに大豆油やオリーブオイル、こめ油など、使われる油の種類も様々。味わいも変わってくるので、用途によって選んでみても楽しいですよ!
ただ、やはり青魚であるイワシの加工品なので、独特の風味があることは否めません。ツナ缶よりはだいぶクセのある味わいですが、それがお酒のお供には堪らない!という根強いファンが多いのも、青魚でできた肴の本領発揮、といったところでしょうか。
この青魚特有の風味、加工されるイワシの鮮度に拠るところが大きいとか。価格=鮮度と一概に言うことはできませんが、オイルサーディンが苦手という方は、1度国産の、ちょっとお高めのものを試してみられてもいいかもしれませんね。
原材料
サーディンという言葉自体は、元々はイワシ属の魚全体を指します。オイルサーディンは、主にマイワシやウルメイワシといった、日本でいうニシン科のイワシ、その小型のものを加工して作られます。
おいしい食べ方
そんなオイルサーディン、おススメの食べ方をご紹介します。
【開けてそのまま】
アンチョビと違って、既に火が通っているオイルサーディンはいわば食材。缶を開けたらそのまま食べられる手軽さも魅力です。
独特の臭いが気になる時は、お醤油を少し垂らしてみてください。とても食べやすく、ごはんのおかずにもぴったりの味わいですよ!
【缶ごと加熱して】
缶に直接、にんにくや唐辛子、レモンスライスなどを加えてトースターやグリルで焼くのもオススメ!
調理器具がいらないので、キャンプなどでも手軽に楽しめます。
【いろんな料理に加えて】
シンプルな味わいは、料理の具材としても大活躍。ピザやパスタに、炒め物に、変わったところではサンドイッチの具材にしてもおいしくいただけます。
イワシの旨味がぎゅっと詰まったオイルサーディンの油。旨味だけでなく、EPAやDHAなど、青魚のうれしい栄養もたっぷり含まれています。ぜひ捨てずに、パスタソースや炒め油として使ってみてくださいね!
スポンサードリンク
アンチョビとは?
それでは続いて、アンチョビについても詳しくみていきましょう。
特徴
イワシを3枚におろして塩漬けにした後、熟成・発酵させ、さらにオイルに漬け込んで作られるアンチョビ。その特徴は、なんといっても発酵の過程で生まれる濃い旨味と香りです。
オイルサーディンとは違い、今日本で流通しているものはほとんどが外国産。国産のアンチョビは希少といってもいいかもしれません。
3枚におろしたイワシの形状をそのまま残したアンチョビフィレや、ペーストのものなど、用途によって使い分けることもできます。
どんな味?まずい?美味しい?
加熱されずに作られるアンチョビには、保存性を持たせるために、かなりの塩分が加えられています。
単体では食べられない程の塩辛さですが、発酵により生まれた旨味と香りが、その塩辛さと相まって、料理に強いコクと味わい深さを与えてくれます。
原材料
アンチョビの材料となるイワシは一般的にカタクチイワシ科のカタクチイワシ。オイルサーディンの材料である、ニシン科のマイワシやウルメイワシとは、正確に言えば種類の違う魚です。
国産のアンチョビが希少になったのは、このカタクチイワシの漁獲量が減ってしまったことが原因です。ですが最近では、カタクチイワシだけでなく、キビナゴやアゴを使って作られたご当地アンチョビも登場!お土産としても人気だそうですよ。
おいしい食べ方
食材として食べられるオイルサーディンと違って、塩辛いアンチョビは調味料として使う場合がほとんど。
アンチョビ人気の立役者ともいえるバーニャカウダのように、オイルやニンニクと併せてソースとして使うのがオススメです。
また、強い旨味は炒め物の塩代わりに使うだけで、料理をワンランクアップさせてくれます。
イタリア生まれのアンチョビは、オイルサーディンのようにピザやパスタとの相性も抜群!とはいえ塩気が強いので、併せる具材やソースの塩分は控えめにしてバランスを取りましょう。
スポンサードリンク
オイルサーディンとアンチョビは代用できる?
アンチョビ⇒オイルサーディン
アンチョビを使う料理にオイルサーディンを代用する場合、塩気と旨味が物足りなくなってしまうかもしれません。
塩気は塩を足して補えますが、独特の香りは発酵食品特有のもの。その味わいを活かした料理では、やはりアンチョビを使うことをオススメします。
アンチョビの旨味は発酵によるものと書きましたが、実は他にも魚を発酵させた調味料があるんです。それが魚醤!ナンプラーやヌクマムがあれば、オイルサーディンと一緒に加えてあげると、塩気と同時に旨みと香りも補えます。
オイルサーディン⇒アンチョビ
オイルサーディンを使うレシピにアンチョビを使ってしまうと、塩辛さと香りで全く違う味わいになってしまうかもしれません。
トッピングなどに使う場合は、極小量にしておくなどで塩気が調節できますが、それ以外のレシピでは、代用はやめておいたほうがいいでしょう。
スポンサードリンク
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事をまとめると
- オイルサーディンはマイワシやウルメイワシを塩と油で加熱して仕上げたもの、アンチョビはカタクチイワシを加熱せず、熟成・発酵させて仕上げたもの
- 食材としてそのまま食べられるオイルサーディン、塩分と旨味が強く調味料として使われるアンチョビ、特徴を知って上手に使い分けよう
オイルサーディンとアンチョビ、どちらも保存食なので、買い置きができて手軽に青魚の栄養や旨味が取り入れられるのがうれしいですね。ごはんやお酒のお供に、ぜひお試しください!
スポンサードリンク