妊娠中(妊婦)でもひじきはどれくらい食べられる?ヒ素は危険?影響は?

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、海藻の“ひじき”は妊婦さんでも食べられるのでしょうか?ひじきが持つ栄養素や、危険性の有無について着目しました。それでは、

  • ひじきは妊娠中でも食べられる?
  • 妊娠中のヒ素は大丈夫?危険?
  • ひじきを使った料理には何がある?

これらのテーマについて紹介いたします。

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ひじきってどんな食べ物?

英名 Hijiki seaweed
別名・和名 鹿尾菜
エネルギー(100gあたり) 145kcal
糖質量(100gあたり) 4.2g

ひじきは、北海道南部から九州地方にかけた広い範囲に生息してる海藻の仲間です。小さなものは「枝ひじき」、太い茎を使用したものは「長ひじき」と区別され、そのほとんどが乾燥させた状態で出回っています。日本では古くから「ひじき=不老長寿」と言われており、敬老の日にちなんで9月15日はひじきの日とされています。

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ひじきは妊娠中でも食べられる?

ひじきは色々な栄養素が含まれている海藻で、妊娠中でも食べることができます◎ しかし、『妊娠中の食べ過ぎはあまり良くない』とされています。その理由は、ひじきに“ヒ素”含まれているためです。ヒ素が体内に短期間で大量に入った場合、このような影響が出ると言われています。

ヒ素を摂りすぎると?
  • 発熱
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 興奮
  • 脱毛

しかし、普段食べているようなひじきの量で上記のような症状が出ることはないので安心しましょう◎ 妊娠中はできるだけ危険性のある食べ物を避けた方が良いため、たくさん食べるのは控えた方が無難です。

どれくらいなら大丈夫?

妊娠中に食べるひじきの摂取量ですが、1度に小鉢1杯分が目安となっています。この量であれば毎日食べても体に影響が出ることはないので安心しましょう。

ひじきに含まれる主な5つの栄養素

ひじきを始めとする海藻類は高栄養で、牛乳と比較するとカルシウムは12倍、ごぼうと比較すると食物繊維は12倍と、びっくりする数値です。

これ以外にもミネラル類を豊富に含んでおり、健康維持には欠かせない食材です。ぜひ煮物にして普段の食事に取り入れましょう。

  • カルシウム:カルシウムは骨や歯の主成分のリン酸化カルシウムの材料でもあり、人間の体内の筋肉や臓器の収縮に関わるミネラルです。神経伝達の正常化にも大きな働きを持ち、体の酵素の働きをサポートします。血液凝固やホルモンの分泌等、多用な働きを持ちます。
  • ナトリウム:ナトリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分保持に欠かせないミネラルです。人間の体内の水分を留める働きを持ち、普段は細胞外液に多く存在しています。ナトリウムとカリウムはセットで働き体内の水分調節とともに、老廃物の排出や栄養の取り込み、血圧に関わるミネラルです。
  • アルギニンアルギニンは、代謝、ホルモン分泌、組織の修復や成長に関わるアミノ酸です。代謝面では、老廃物のアンモニアの除去に関わっています。ホルモン分泌では成長ホルモンの分泌を促進させるため、筋肉を増やし、骨を太くする効果があります。血流も改善するため体を若くするアンチエイジング効果が高いアミノ酸です。
  • 食物繊維:食物繊維は、植物の細胞壁を構成する、人間の消化酵素では消化できない成分とされています。食物繊維は、植物しか作り出すことしか出来ず、水に溶けるか溶けないかで種類が分かれます。人間の腸内環境を整える免疫力改善等の働きがあります。
  • マグネシウム:マグネシウムは、健康な骨を作る上でビタミンDを活性型にする働きや、エネルギー代謝、たんぱく質の合成を担います。マグネシウムは、体内の酵素の要になる触媒や酵素反応を助ける働きを含めると300種類以上サポートしています。血圧の調整機能もあり、片頭痛や冷え性の改善にも効果があるとされています。

これらの栄養素が妊娠中にどんな働きと効果をもたらすのか、詳しく見てみましょう。

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妊娠中の便秘に食物繊維

ひじきには、食物繊維が豊富に含まれており、便秘解消に効果があります。妊娠中はホルモンバランスの関係で頑固な便秘になりやすく、便秘薬を飲まないとなかなか排便できないことが多いです。妊娠中でも飲める便秘薬には“酸化マグネシウム”などがあり、かかりつけの産科で処方してくれます。

妊娠中の便秘はなかなか手ごわいものですが、その対処法として 「食物繊維の多い食材を摂ること」 があります。

また、食物繊維を摂ることで腹持ちを良くし、妊娠中の体重増加を緩和させる効果もあります。食べづわりなどでつい食べ過ぎてしまい、体重が急増してしまった…!という時は、食物繊維たっぷりのひじきを食事に取り入れてみましょう。

妊娠中不足しがちなカルシウム

妊娠中は、カルシウムが不足しやすいと言われています。葉酸のようにサプリで補う必要はありませんが、カルシウムは骨や歯の材料となります。乳製品や小魚・大豆などに含まれる栄養素ですが、ひじきにもカルシウムが含まれています◎

妊娠中は貧血になりやすい

妊娠すると赤血球が多くつくられるようになり、胎盤や胎児形成のためにお腹に送られていきます。血液量も増えるため、より多く鉄分を摂らないと貧血になりやすくなります。

特に妊娠初期は貧血が起こりやすく、 鉄分が不足することで動悸や息切れが起こり、つわりがより一層辛くなる 方も多いです。また、貧血状態が酷くなると『鉄欠乏性貧血』となることもあります。

ひじきには鉄分が多く含まれているため、妊娠中の鉄分不足を解消する効果を期待することができます◎ 妊娠中に必要な葉酸と鉄分がセットになったサプリもありますが、食品からも摂るようにしましょう。

ひじき料理には何がある?

妊娠中にたくさん食べるのは控えたいひじきですが、どんな風に食べることができるのでしょうか?栄養満点のひじきの使い方を、いくつかご紹介いたします。

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ひじきご飯

ご飯をひじきを一緒に炊けば、ひじきご飯として美味しく食べることができます◎味の染みた油揚げや、にんじんを入れ、おにぎりにしてもGOODです。

大豆ひじき

ひじき料理の定番は、ひじきと大豆の煮物ですね。沢山作って小分けにし、冷凍しておくことで作り置きおかずとしても重宝します。あと一品欲しい!という時の副菜として役立つので便利ですよ◎

POINT

大豆には妊娠中に摂りたいタンパク質が多く含まれる!

妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • 妊娠中でもひじきは食べられる海藻!
  • ヒ素が含まれているため、たくさん食べるのは控えた方が良いとされる!
  • 少量であれば影響が出ることはない◎

ひじきはヒ素が含まれているため、食べ過ぎは控えた方が良いとされています。少量であればすぐに影響が出る可能性は少ないので安心しましょう。

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