妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“ニシン”は妊婦さんにもオススメの魚なんです!ニシンを始めとする青魚には妊娠中に嬉しい栄養素が多く、妊婦さんにとって効果的な食材です。今回は、
- ニシンが妊娠中にオススメな理由
- ニシンが含む主な栄養素とは?
- 妊娠中でも安全おいしいレシピ
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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ニシンってどんな魚?
英名 | Herring |
別名・和名 | 鰊、春告魚(ハルツゲウオ) |
エネルギー(100gあたり) | 216kcal |
糖質量(100gあたり) | 0.1g |
ニシン(鰊)は、江戸時代後期頃によく食べられていた魚です。かつては干物として食べたり、お米が採れない時の年貢代わりに納められていました。
冷たい海域に生息し、日本では富士以北のエリアで収穫できます。全長35cmほどで細長いのが特徴です。お正月に食べられている「数の子」は、ニシンの卵です。
アニサキスの危険性は?
ニシンは生で食べることもありますが、そこで気になるのが“寄生虫”です。寄生虫は魚が死んでも内臓部分や筋肉部分に寄生したまま生きていることが多く、そのまま食べると食中毒を起こす原因となることがあります。
ニシンには、“アニサキス”という寄生虫が寄生している可能性があります。アニサキスに関しては、食べると激しい腹痛・嘔吐・下痢などの 食中毒症状を引き起こす危険なもの です。
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ニシンは妊娠中にオススメ食材!
ニシンは、魚介類の中でも特に妊娠中にオススメの食材です!その理由には、ニシンに含まれる“DHA・EPA”、“カルシウム”、“タンパク質”などがあります。
DHA・EPAは脳の発達に欠かせない
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペタエン酸)は、主に魚に含まれている良質な資質です。この2つは 赤ちゃんの脳の発達に欠かせない栄養素 で、体内で合成することができないため食事から摂る必要があります。
妊娠中は1日1.6gほどDHAを摂ると良いとされる
(※2020年『日本人の食事摂取基準』より)
この量は、ニシンを1切食べれば十分に補うことができる量です。ママが食べたDHA・EPAは胎盤を通して赤ちゃんに届き、成長を大きくサポートします。
DHAやEPAは妊娠20週のから胎児の脳で増え、2歳までの成長の脳の成長と共に蓄積する
出産後も継続的にDHAやEPAを摂り、母乳を通して与えることで赤ちゃんの成長を助ける働きがあります。
妊娠中期以降はタンパク質量を増やして
ニシンなどの魚類には、タンパク質も多く含まれています。タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素で、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。
- 妊娠前の成人女性…50g/1日
- 妊娠初期…50g/1日
- 妊娠中期…60g/1日
- 妊娠後期…75g/1日
妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。
妊娠中不足しがちなカルシウム
妊娠中は、カルシウムが不足しやすいと言われています。葉酸のようにサプリで補う必要はありませんが、カルシウムは骨や歯の材料となります。ニシンにもカルシウムが含まれている他、乳製品・大豆などにも含まれる栄養素です。
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ニシンに多く含まれる主な5つの栄養素
ニシンをはじめとする魚類には、DHAやEPAといった脳に働きかける栄養素が含まれています。サプリにも使われており、脳の老化防止にも効果があると言われています。
また、たんぱく質やカリウム・カルシウムなどのミネラル類も豊富です。お肉では摂ることのできない栄養成分がいくつかあるので、普段から取り入れるようにしましょう。
- DHA(ドコサへキサエン酸):DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や血管、加えて代謝にも関わる多くの健康効果を持つ栄養素です。脳の栄養素としての働きは特に有名で、脳の発達や神経の機能維持に使われています。眼精疲労の解消や情報伝達にも使用され、疲労を軽減します。血液の脂質を減少させ、脂肪燃焼も助ける栄養素です。
- IPA/EPA(イコサペンタエン酸):IPA(イコサペンタエン酸)はEPAにとも呼ばれ、人間の血管性の病気を予防する働きが特に強く、ドロドロになっている血液をサラサラにする力が強い脂質です。そのため、心筋梗塞や脳梗塞と言った病気や高血圧の改善効果があります。最近の研究ではアレルギー症状の改善も報告されている栄養素です。
- 葉酸:葉酸は、細胞分裂の核酸合成に不可欠であり、胎児の発育や妊婦において重要なビタミンです。胎児の場合は、脊椎の正常な分化を促進し先天性の奇形リスクを減らします。赤血球の分化に特に関わっており、貧血予防に効果があります。アミノ酸代謝にも関わるビタミンです。
- リン:リンはカルシウムと結合し、リン酸化カルシウムとなり骨と歯の材料になります。そのため、カルシウムとセットで摂ることが大事です。また、細胞の遺伝子情報の核酸に不可欠なミネラルです。加えて三大栄養素から分解したエネルギーを蓄える最終形態ののアデノシン三リン酸の材料にも必要です。
- 鉄分:鉄分は、人間の血液を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料として使用されます。加えて、体内に存在する酵素の材料にもなりエネルギー代謝や肝臓での解毒の働きに関わっているミネラルです。
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妊娠中でも安全おいしいニシンのおススメレシピ
妊娠中にニシンを食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?妊婦さんでも安心して食べられるオススメのニシンレシピをご紹介!栄養たっぷりなので是非お試しください♩
トマト煮込み
ニシンをトマトで煮込むと、ほっくり柔らかくなり美味しいです。トマトにはβカロテンやビタミンCが含まれているので、栄養面も◎です。
煮付け
煮付けはハードルが高いイメージがありますが、調味料と一緒に煮込むだけなので意外と難しくないんです◎
日持ちはどれくらい?
ニシンの保存期間は、冷蔵庫のパーシャル室を利用して2〜3日が目安です。
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- ニシンは妊娠中にもオススメの魚!
- ニシンに含まれるDHA・EPA:胎児の脳の発達に大きく関わる!
- ニシンに含まれる鉄分:妊娠中に起こりやすい貧血予防に効果的
- ニシンに含まれるタンパク質:妊娠中は妊娠前より多く必要な栄養素
ニシンは魚の中でも特にDHAやEPA量が多く、妊娠中のママの体や赤ちゃんに嬉しい栄養素が豊富に含まれています。妊娠中はなかなか調理する気力が出なかったり、食欲がない時もありますが、栄養のため時々魚も食べるようにしましょう。
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