キノコの毒の理由とは?どうして毒を持つ必要があるの?気を付けるべき毒キノコとは?

皆さんは秋の味覚として美味しいキノコはお好きですか?人によっては販売されているものだけでなく、自分自身で山にキノコ狩りに行くという人も少なくないそうです。様々な種類が食用にされていますが、それでも毎年のように毒キノコによる食中毒の事故が発生していますよね。毒を持つキノコは、明らかに見た目がおかしいものもあれば、私たちのよく食べているしいたけやヒラタケによく似ているものもあり、素人目では全く判断することができないものもあります。

皆さんは毒キノコについてどれくらいの知識がありますか?今回の記事ではキノコが持つ毒とはどのようなものがあるのか、気をつけるべき毒キノコとはどんなものなのかについて解説していきたいと思います。

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どうしてキノコは毒を持つの?

まずキノコにはなぜ毒があるのか気になったことはありませんか?

キノコなどの植物には一般的に動物から捕食されることによって受ける損害を逃れるために、様々な植物毒を合成して動物から捕食されないように体を守ります。防御するための毒の場合は、動物が食べてすぐに毒として分かるような成分なのです。例えば強い苦み成分だったり、強い臭み、強い酸味成分などが挙げられますね。

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きのこの場合は毒の種類が違う

しかしきのこの毒の場合は「ゆっくり効き目が表れる」というのが特徴的です。ですので食べてもすぐに毒と判断することができず、たくさん食べてしまうので症状が重くなる傾向にあります。

一般的には胃腸系に影響を及ぼす毒が「食後約1時間」、命に関わる毒でも体が反応するまでには「約6時間」もの時間を要するといわれています。このようにきのこの毒は効果が出るまで非常に時間がかかるため、捕食者は毒キノコを少し食べたぐらいで回避することができません。

きのこは動物や人「殺す」ために毒を作る?

ではどうして防御のためのすぐに効果が表れる毒をきのこは持たないのでしょうか?様々調べてみると色々な答えが出てきました。きのこは地球上の物質循環になくてはならない存在であり、動物や植物の死骸を分解して難し土に返す分解者としての役割を担っています。

共生関係にある植物や動物が死ぬことで、分解・吸収しやすくなるため、キノコは積極的に動植物を死に追いやる働きをもつようになったとされています。

動物が死ぬ=キノコにとっての繁殖する場が増える、栄養がもらえるということですから、キノコとしては嬉しいことですよね。少し恐ろしい話ですが、自然環境ではこのようなことが常に起こっています。

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中毒を起こす代表的なキノコ

致命的な中毒(胃腸系の中毒症状を経て、死に至る)

テングタケ科:ドクツルタケ、タマゴタケモドキ、タマシロオニタケ、フクロツルタケ

フウセンタケ科:コレラタケ(ドクアジロガサ)

ベニタケ科:ニセクロハツ

ニクザキン科:カエンタケ

ノボリリュウタケ科:シャグマアミガサタケ

消化器系の中毒(胃腸系を刺激する)

キシメジ科:カキシメジ、ツキヨタケ

イッポンシメジ科:クサウラベニタケ

モエギタケ科:ニガクリタケ

アルコールとともに食べると悪酔いする中毒

キシメジ科:ホテイシメジ

ナヨタケ科:ヒトヨタケ

酔ったような中毒

テングタケ科:テングタケ、イボテングタケ、ベニテングタケ

催幻覚性の中毒

ナヨタケ科:ワライタケ

モエギタケ科:ヒカゲシビレタケ

その他(手足の痛みを伴う)

キシメジ科:ドクササゴ

引用:株式会社キノックス

この表を見ると致命傷を及ぼすきのこだけでなく、酔ったような中毒を起こしてキノコ、幻覚を見せる中毒を起こすキノコなど、きのこには様々な種類の毒があるということがわかりますね。

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よくニュースになるキノコときのこの食中毒にならない方法

皆さんがもしキノコ狩りをしに行くなら、必ず気をつけた方が良いキノコがあります。私たちの身近なところにある毒キノコをいくつか紹介していきます。

ヒラタケに似ているキノコに注意

キノコ狩りでメインになってくるのが「ヒラタケ」と言う美味しいきのこです。比較的手に入るのは簡単で、味にクセや臭みが無くどんな料理にも合わせることが出来るのが特徴です。そんなヒラタケですが、形がよく似ている毒キノコが多いので素人は安易に手を出してはいけないとも言われています。

ツキヨタケ

ヒラタケに似ている毒キノコの代表的なものはツキヨタケと言います。主にブナやカエデの倒木や枯れ木に重なり合うように発生しています。 傘の大きさは直径10cm~25cm程で暗褐色・暗紫色をしています。ひだに弱い発光性があるので、闇の中でうっすらと緑色に光っていることがあります。

ツキヨタケは縦に裂くと、傘と柄の部分に濃い紫褐色・暗褐色のシミがあるかどうかで判断します。薄い色をしている場合や柄の部分が切り落とされていて判断できない場合などは食べないようにしましょう。

スギヒラタケ

主に針葉樹・スギの倒木や切り株・枯れ木などにやや上向きに発生しています。傘の大きさは直径1~6cm程で美しい白色・淡黄色をしています。かつてはスギヒラタケは食用できると考えられていたため、資料によっては食用可能とされている場合もあり注意が必要です。

スギヒラタケはやや上向きに発生していることと、短いきのこですが食用できるウスヒラタケとは違い”柄”がある事で判断されます。現在は猛毒キノコと認定されているので、絶対に食べないようにしましょう。

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キノコ狩りをするときの注意点

上記で説明したとおりきのこの中には体に大きな害を与えるキノコがあります。そして専門家であっても間違えて食べてしまうほど、見分け方が難しいとも言われています。安易に初心者が手を出して良いものではありませんので、きのこ狩り行く際は専門家の指示を仰ぎながら同伴してもらうようにしてください。

またキノコを見つけたとしても、完全にそのキノコの種類が特定できるまでは絶対に口にしないようにしましょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?毒キノコには様々な種類があるということが分かっていただけたでしょうか。基本的には外で見つけたキノコは食べないようにする意識を持っていれば、毒キノコの食中毒になる危険性はほぼありません。しかしいつどんな時キノコ狩りに行って、とってきたキノコを食べるタイミングがあるか分かりませんので、日頃から注意しておくようにしましょう。

今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。

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