夏の海辺に行くととても良い匂いを放っているのが、ホタテやツブ貝などの浜焼きですよね。貝類は生で食べればとっても甘くて美味しいですし、焼いて食べれば香ばしい磯の風味が広がるとても美味しい食品ですよね。私も一年に何回ホタテを食べているか分からないほど、ホタテは大好きです。
そんなホタテなどの貝類ですが、実は結構危険な食品でもあります。今回の記事ではホタテやその他の貝類を食べた時に生じる可能性はある食中毒について紹介していきたいと思います。
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目次
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ホタテは貝類を食べて生じる食中毒とは?
ホタテなどの二枚貝特有の食中毒といえば「貝毒」です。皆さんは貝毒というワードを聞いたことはありますか?
潮干狩りや海の方に住んでいる方でなければその言葉すら聞いたことがないかもしれません。 貝毒は様々な種類があり、種類によっては激しい下痢や吐き気などを引き起こすもの、全身の麻痺を引き起こすものなど様々です。
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貝毒とは?
まずは貝毒とはどのようなものなのかを一緒におさらいしていきましょう。
貝毒は海中の二枚貝がもつ可能性のある毒のことをいいます。そもそもホタテなどの二枚貝は元々は無毒な生物です。ですが時々二枚貝が食用としているプランクトンの中に有毒なプランクトンが大量発生することがあります。この有毒なプランクトンを二枚貝が食べた場合、体に毒が蓄積していき、その状態の二枚貝を人間が食べる事によって生じるものを貝毒といいます。
ちなみに貝毒は「冷凍したホタテ」や「焼いたホタテ」であっても、消えることはありません。
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貝毒の種類
貝毒はいくつかの種類がありますので、種類に分けて紹介していきますね。
死に至るケースもある怖い毒「麻痺性貝毒」
貝毒の中でも一番怖いのが、麻痺性貝毒です。麻痺性貝毒は、ふぐのもつ毒にも匹敵するぐらいの強い毒と言われています。
麻痺性貝毒の代表的な毒成分はゴニオトキシンとサキシトキシンです。これらは水溶性の神経毒で、神経を麻痺させ全身を動かなくしてしまうなど非常に危険な毒です。
麻痺性貝毒の症状は、食後20分程度から体に出始め、唇や舌先、指先のしびれなどから始まり、頭痛や腹痛を伴いながら全身の感覚がなくなっていきます。するとすぐに呼吸器系などの生命を維持するための筋肉も動かなくなり、死にいたるケースがあります。
消化器官の障害をきたす「下痢性貝毒」
代表的な貝毒の2つ目は下痢性貝毒です。下痢性貝毒は主に下痢・嘔吐・吐き気・激しい腹痛などの消化器系に症状を引き起こす毒です。下痢性貝毒を引き起こす代表的な毒成分はオカダ酸とディノフィシストキシンです。
これらの毒成分は摂取すると30分から4時間以内に症状が出ることが多く、発熱がないことが特徴的ですので、他の食中毒と区別することができます。麻痺性貝毒とは異なり3日程度で全快するのが一般的で、死亡例はありません。
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日本では貝毒の被害はほとんどない!
ここまでは貝毒の恐ろしさを紹介してきましたが、日本国内で食べる二枚貝はほぼ間違いなく貝毒は含まれていません。昔の日本ではとても多く見られたようなのですが、現在は貝毒になり得る有害なプランクトンが出現するか、もしく出現する予測が立った場合はすぐに貝の捕獲を中止されます。
捕獲した二枚貝に貝毒が含まれていないかをしっかりチェックしないと販売することができません。ですので基本的には日本で二枚貝を食べる際に注意する必要はないのですが、自然の中で自分で収穫した二枚貝は貝毒の検査を通していないため安全性が確保されていません。自然の中で収穫した二枚貝(潮干狩りで安全が確認されている場所のもの以外)は絶対食べないようにしましょう。
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日本で食中毒に当たった場合
日本で二枚貝を食べた後に食中毒に当たった場合は、「腸炎ビブリオ」か「ノロウイルス」に感染したものですね。例えば牡蠣も二枚貝ですが、牡蠣に当たるという言葉をよく聞きますよね?あれは牡蠣の体内に腸炎ビブリオかノロウイルスが潜んでいたために引き起こされるものです。
腸炎ビブリオとは?
腸炎ビブリオは海水や海産の魚介類などに生息している細菌で、人間の体内に入ると様々な症状をきたす場合があります。特に夏場の海産物は腸炎ビブリオの繁殖がとても早いため、夏場の海産物を食べた後に生じる食中毒はほとんどが腸炎ビブリオによるものです。腸炎ビブリオは潜伏期間8~12時間後に激しい腹痛や激しい下痢、発熱、嘔吐などの症状が出ます。
ノロウイルスとは?
ノロウイルスは基本的に人間の腸内に生息しているウイルスのことを言い、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層に急性胃腸炎などの症状を引き起こします。免疫が成立しないので何度も感染する可能性があります。
主に冬場に多発するもので、爆発的な感染力を持っている為、気をつけていないと簡単に感染してしまいます。ノロウイルスにかかると激しい嘔吐や下痢、腹部膨満感、吐き気などを引き起こします。
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どの食中毒も気をつけていればOK
ここまで様々な食中毒について紹介してきましたが、基本的につけていさえすれば感染することはありません。ただしそれぞれの食中毒シーズンになり、爆発的に繁殖が進んでしまうと気をつけていても感染してしまうことがあります。
予防や注意をしているだけで感染率はかなり激減しますので、それぞれの感染症のシーズンになったら一人一人がしっかり意識しておくことが大切です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?ホタテやその他の二枚貝を食べる時、感染症のピークになる時期の海産物を食べる際はしっかり感染予防を行って、楽しく食事をするようにしてください。
この記事をまとめると
- ホタテなどの二枚貝にだけにだけ貝毒というものがある
- 貝毒には下痢性貝毒や麻痺性貝毒などの種類がある
- 日本で食べる二枚貝は基本的には安全
- 日本で食中毒になったらノロウイルスか腸炎ビブリオ感染症を疑おう
今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。
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