妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“じゃがいも”は妊婦さんにもオススメの野菜なんです!妊娠中にもオススメな理由を、妊娠中に必要な栄養素と共に解説いたします。また、芽に含まれる毒成分のソラニンの危険性についてもチェックしてみましょう。
- じゃがいもが妊娠中にオススメな理由
- じゃがいもが含む主な栄養素とは?
- 妊娠中でも安全おいしいレシピ
- 芽の毒ソラニンは妊婦さんにとって危険?
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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じゃがいもってどんな野菜?
漢字だと | 馬鈴薯 |
学名 | Solanum tuberosum |
分類 | ナス科ナス属 |
原産地 | 南アメリカ |
別名 | ジャガタライモ、五升イモ、二度イモ |
じゃがいもの原産地は、南アメリカの標高3,000〜4,000mのアンデス山脈と言われています。当時、じゃがいもやとうもろこしが食生活を支えていました。
日本へは、1,600年頃にオランダ人が長崎へ持ち込んだという説があり、明治時代からようやく全国的な栽培が始まりまりました。初めは食用ではなく観賞用としてじゃがいもが扱われていたそうです。
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じゃがいもは妊娠中にオススメ食材!
じゃがいもは、妊娠中にオススメの食材です!その理由には、じゃがいもに含まれる豊富な“食物繊維”や、“ビタミンC“、“カリウム“があります。
妊娠中の便秘に食物繊維
じゃがいもには、食物繊維が豊富に含まれており、便秘解消に効果があります。妊娠中はホルモンバランスの関係で頑固な便秘になりやすく、便秘薬を飲まないとなかなか排便できないことが多いです。妊娠中でも飲める便秘薬には“酸化マグネシウム”などがあり、かかりつけの産科で処方してくれます。
妊娠中の便秘はなかなか手ごわいものですが、その対処法として 「食物繊維の多い食材を摂ること」 があります。
また、食物繊維を摂ることで腹持ちを良くし、妊娠中の体重増加を緩和させる効果もあります。食べづわりなどでつい食べ過ぎてしまい、体重が急増してしまった…!という時は、食物繊維たっぷりのじゃがいもを食事に取り入れてみましょう。
じゃがいもはどっしりしている割に低カロリーなので太りにくい食材なのです◎
ビタミンCは鉄の吸収をサポート
ビタミンCは美肌効果など美容に効果的な栄養素のイメージがありますが、 妊娠中に必要な鉄分の吸収をサポートし、体の免疫力を高める効果 があります。
妊娠中は妊娠前と比べて免疫力が下がり、食中毒や感染症にかかりやすくなるので、免疫力を上げることはとても良いことなのです◎
妊娠中のビタミンC摂取目安量は、1日110mg!
厚生労働省の調査(2020年度)によると、18歳〜49歳の女性に推奨されているビタミンC摂取量は1日100mgです。それが妊娠中となると1日110mg、授乳中になると1日145mgが必要な目安量と言われています。
ビタミンCは妊娠中だけに限らず、産後の体にとっても大切な栄養素となっています。
カリウムは悪阻(つわり)と関係アリ!
ミネラルの一つであるカリウムは、妊娠すると胎盤や胎児に多く取り込まれるのですが、 体内のカリウム量が減ると、つわりが酷くなる と言われています。
また、カリウムは体内の塩分量を調整して尿と共に排出する働きがあるため、むくみ改善にも効果的です。妊娠後期は特に足や指がむくみやすいので、カリウムを含む食べ物は妊婦さんにオススメなのです◎
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じゃがいもに多く含まれる主な5つの栄養素
じゃがいもは炭水化物が多い野菜ですが、食物繊維やビタミンC・鉄分・葉酸・ペクチンなどの栄養成分も含まれています。葉酸は妊娠初期から妊婦さんに必要とされる重要な栄養素です。
- 炭水化物:炭水化物はブドウ糖・果糖などから構成されているものを総称です。大きく分類すると体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」、消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」とに分類できます。
- ペクチン(水溶性&不溶性):ペクチンは、植物の細胞壁に含まれている多糖類で、砂糖やさんを加えることでゼリーの様なとろみに変化します。水溶性と不溶性の2種類に分類することができ、主な働きは便秘・下痢の解消、コレステロール値、血糖値を下げる栄養素です。
- ビタミンC:ビタミンCは、抗酸化効果が高く活性酸素を除去し、過酸化脂質の生成を押さえや動脈硬化含む血管疾患、免疫力を上げるため風邪の予防効果があります。コラーゲンの生成やメラニン生成を抑えるため美肌効果が高いのも大きな特徴です。また、脳を落ち着かせる働きの脳内物質の生成や、ホルモン合成にも関わっています。
- 鉄分:鉄分は、人間の血液を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料として使用されます。加えて、体内に存在する酵素の材料にもなりエネルギー代謝や肝臓での解毒の働きに関わっているミネラルです。
- 葉酸:葉酸は、細胞分裂の核酸合成に不可欠であり、胎児の発育や妊婦において重要なビタミンです。胎児の場合は、脊椎の正常な分化を促進し先天性の奇形リスクを減らします。赤血球の分化に特に関わっており、貧血予防に効果があります。アミノ酸代謝にも関わるビタミンです。
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妊娠中でも安全おいしいじゃがいものおススメレシピ
妊娠中にじゃがいもを食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?妊婦さんでも安心して食べられるオススメのじゃがいもレシピをご紹介!栄養たっぷりなので是非お試しください♩
ポトフ
ソーセージやベーコンの塩分が気になる場合は、鶏肉で代用しましょう◎
シチュー
じゃがいもをはじめ、鶏肉・にんじん・ブロッコリーなどを煮込み、ルーで味付けするだけなので料理する気力のない妊娠中でも作りやすいのがシチューです。作り置きもできるので重宝します。
- 鶏肉を入れてたんぱく質も摂れる!
- にんじんにはβカロテンが豊富!→胎児の皮膚や臓器形成をサポート
- ブロッコリーには葉酸が豊富!→妊娠初期から必須とされる栄養素
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じゃがいもの芽は妊婦に毒?
芽には「ソラニン(別名:ポテトグリコアルカロイド)」という毒成分が含まれており、食中毒の危険がある上に味も苦いので下処理で取り除く必要があります。緑色に変色した部分にも毒成分が含まれており、食べると苦味やえぐみを感じます。
じゃがいもの芽を食べたことによって、このような症状が出ることがあります。
- 吐き気
- 下痢
- 腹痛
- 脱力感
- めまい
芽には毒性があるものの、妊婦さんだからといって危険性が高まるわけではありません。特別胎児に影響するようなことはありませんが、芽は食べる部位ではないので普段通りに下処理の段階で取り除けばOKです。
万が一食べて食中毒になった場合、繰り返す下痢によって子宮収縮を起こす可能性はあるので注意しましょう。
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- じゃがいもは妊娠中にオススメの野菜!
- じゃがいもに含まれるビタミンC:妊娠中に必要な鉄分の吸収をサポートする
- じゃがいもに含まれる食物繊維:便秘になりやすい妊娠中にオススメ!
- じゃがいもに含まれるカリウム:むくみやすい妊娠中の体に効果的!
じゃがいもには妊娠中にも欠かせないビタミンCやカリウムが多く含まれているので、妊婦さんにもオススメの野菜です。食物繊維も多いので、便秘になりやすい妊婦さんは必見のお野菜です。
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