アニサキスは生で食べることで腹痛や下痢などの食中毒症状を起こす寄生虫ですが、加熱すれば食べられるということは”煮魚”なら安心なのでしょうか?今回は、
- 煮魚のアニサキスは大丈夫?
- 飲酒・アルコールがアニサキスを殺す?
- 死骸を食べるのは大丈夫?
- アニサキスが死なない加熱温度って?
これらのテーマについて紹介いたします。
スポンサードリンク
目次
|
|
煮魚のアニサキスは大丈夫?
結論からお答えすると、 煮魚に関してはアニサキスの心配はありません! 魚をしっかり加熱して煮ることで、万が一アニサキスが寄生していても食中毒症状は起こりません。
アニサキスは海に住む一部の魚に寄生する寄生虫で、私たちが普段食べているサーモン・アジ・イワシ・カツオ・イカなど様々な魚介類に含まれている可能性があります。加熱すれば死滅し、食べても問題ない寄生虫なので“煮魚の場合は大丈夫”と言えます。
煮魚が安全な理由
煮魚が安全な理由は、加熱することによってアニサキスが死んでしまうからです。アニサキスは加熱と冷凍どちらかの方法で死滅します。
一度冷凍すればアニサキスが死ぬため、解凍してお刺身やお寿司などの料理で生食しても大丈夫なのです。煮魚はしっかり加熱されるため、アニサキスが混ざっていても死んでしまうので食中毒は起こりません◎
スポンサードリンク
アルコール・飲酒は効かない!
“アニサキスにはアルコールが効く”と言われることがありますが、飲酒に効果はありません。アニサキスはアルコールに強く、2.5〜10%濃度のアルコール飲料内で 5 日間生存、14〜25%アルコール飲料内でも平均 5.6 時間生存します。
あくまでも温度の決まった冷凍処理か加熱処理でしか死滅させることができないので、それ以外の方法は効かないので注意しましょう。
アニサキスが死なない加熱温度とは?
アニサキスは加熱処理することで死滅しますが、その温度や加熱時間には条件があります。アニサキスを加熱死滅させる際は、 60度以上で1分間以上 加熱することで、完全に危険性をなくすことができます。また、70度以上であれば1分かけずともアニサキスは死滅します。
魚の中心部が60度に満たない場合は、アニサキスは死滅しないので注意しましょう。生煮え・生焼けだとアニサキスが生きている可能性があります。
冷凍温度は?
アニサキスを冷凍死滅させる際は、 マイナス20度で24時間以上 冷凍することで完全に危険性をなくすことができます。
家庭用の冷凍庫の設定温度は、だいたい-18度となっています。-18度だとアニサキスの死滅温度としては足りないため、24時間以上冷凍しても完全に死なないことがあるので要注意です。
スポンサードリンク
アニサキスの死骸を食べるってこと?
加熱や冷凍によってアニサキスは死ぬわけですが、死んだところで魚から排出されるわけではありません。調理中に死んだアニサキスは、私たちはそのまま気づかず食べていることが多いのです。
アニサキスの死骸を魚と一緒に食べていることになるわけですが、アニサキスの死骸は食べても害がなく、味がすることもありません。知らず識らずのうちにアニサキスを食べているのは少々気持ち悪い気もしますが、食べても問題ないので安心しましょう。
アニサキスアレルギーは注意
中には稀にアニサキスアレルギーの人がいて、その場合はアニサキスの死骸でも蕁麻疹や呼吸困難といったアレルギー症状を起こすことがあります。アレルギー以外の場合は加熱したアニサキスの死骸は食べても大丈夫なので、安心しましょう◎
詳しくはこの記事をチェック!
アニサキスは加熱すると何色になる?
アニサキスは生きた状態だと半透明の白色ですが、加熱すると真っ白く変化します。魚の体液や血液をエサとしているため、アニサキスが赤色や赤茶色の場合もあります。
詳しくはこの記事をチェック!
スポンサードリンク
アニサキス症状は自然治癒できる?
万が一アニサキスによる食中毒となった場合、激しい腹痛や下痢・吐き気といった症状が現れます。強い痛みを伴うので医療機関での治療が必要となるケースが多いですが、中には我慢できる痛みで症状が軽いこともあります。
体内に入ったアニサキスの寿命は4〜5日なので、軽症の場合は自然治癒を待つことも可能です。民間療法として下記の方法が効くと言われることがありますが、間違ったものが多いので注意してください。
熱いお茶
“アニサキスには熱いお茶が効く”と言われることがありますが、生きたアニサキスを食べてしまった場合、熱いお茶を飲んでも食中毒症状を改善することはできません。加熱によるアニサキスの死滅温度は60度以上であり、飲める温度の熱いお茶を飲んでも効果はありません。
ロキソニン
腹痛の痛み止めとしてロキソニンを飲む人もいますが、腹痛の原因は粘膜にアニサキスが潜り混んでいることにあります。病院では内視鏡を使ってアニサキスを抜き取る治療を行うため、ロキソニンで痛みを緩和させるのは効果としては弱いです。
正露丸
アニサキスによる食中毒症状が出た時の対処法として、正露丸を飲む方法があります。正露丸は下痢や腹痛に効果的なので、一時的な応急処置としては効果がありますが、食中毒の根本を治すものではありません。
アニサキスの治療は?
アニサキス食中毒になった場合、その多くは激しい腹痛を伴うので医療機関で診てもらう必要があります。内視鏡検査によってアニサキスの場所を特定し、刺さったアニサキスを抜き取る処置が行われます。アニサキスを抜き取ることで痛みは緩和し、下痢など他の症状も落ち着きます。
- 我慢できる痛み
- 症状が軽い場合
生きたアニサキスを食べても、症状が軽かったり我慢できる痛みだったりすることがあります。人によっては食中毒症状が全く出ず、アニサキスを食べたことに気づかないこともあるようです。このような場合、アニサキスは体内で死滅し排出されるので病院に行かなくてもOKです。
詳しくはこの記事をチェック!
スポンサードリンク
まとめ
この記事をまとめると
- 煮魚は加熱されているのでアニサキスの危険性はない!
- アニサキスを殺す加熱温度は、60度以上で1分加熱が条件
- アニサキスはアルコールに強いので飲酒しても効果はない
アニサキスは加熱することで死滅し、その死骸は食べても全く害のないものになります。生食することで食中毒症状を起こす寄生虫なので、生魚を調理する際は加熱温度とか加熱時間に十分注意しましょう。
スポンサードリンク