アニサキスは魚に住み着く寄生虫で、カツオやアジ・イワシなど身近な魚に含まれている可能性のある危険なものです。時には死んだアニサキスが混入していることもありますが、死骸は食べても大丈夫なのでしょうか?今回は、
- アニサキスの死骸は食べても大丈夫?
- 食中毒は自然治癒できる?
- アニサキスの死滅条件
- アニサキスアレルギーとの違いは?
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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アニサキスは食べるとどうなる?
アニサキスは海に生息する一部の魚に寄生して生き続ける寄生虫です。主に内臓部分を住処として生きているのですが、宿主である魚が死ぬと内臓部分から筋肉部分へと移動します。
私たちが普段食用としている魚の部位が筋肉部分であるため、アニサキスが混入したものを食べると食中毒症状を引き起こしてしまいます。
アニサキスによる食中毒は、生きた状態のアニサキスを食べることで発症する ため、お刺身やお寿司て・なめろうなど生魚を使った料理を食べる際は注意が必要です。
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胃アニサキス症
“胃アニサキス症”とは、生きたまま体内に入ったアニサキスが胃の粘膜に潜り込むことで激しい胃痛や吐き気・腹痛を伴う症状です。アニサキスは胃や腸の粘膜に刺入する寄生虫ですが、 腸よりも胃に刺入するケースが多い です。
人の体内に寄生し続け生きることはありませんが、体内に侵入した後の寿命が来るまではその激しい痛みが続きます。アニサキスの寿命はどのくらいなのでしょうか?
症状はいつまで続く?寿命は?
アニサキスは魚の体内で生き続けることができますが、人の体内では環境が合わずずっと生きることはできません。そのため”人には寄生しない寄生虫”なのですが、食べてすぐに死滅するわけではありません。
人間の体内に入った後の寿命は4〜5日と言われています。それ以上経つと死滅し、そのまま排泄物と共に体外に排出されます。
アニサキス症状は自然治癒できる?
体内に入ったアニサキスは4〜5日生き続けますが、 死滅すれば腹痛や下痢といった症状は治まります 。アニサキス食中毒担った場合は、”病院に行かない”という選択肢はアリなのでしょうか?
アニサキスは胃や腸の粘膜に刺入することで激しい痛みを伴うので、その痛みを抱えたまま自然治癒を待つのはなかなか難しいかもしれません。痛みが弱い場合は、数日耐えればアニサキスが体内で死ぬので、自然と症状は消えていきます。
“アニサキスに効く”と言われている噂の治療法に本当に効果があるのか、解説します。
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熱いお茶で治る?
“アニサキスには熱いお茶が効く”と言われることがありますが、生きたアニサキスを食べてしまった場合、熱いお茶を飲んでも食中毒症状を改善することはできません。加熱によるアニサキスの死滅温度は60度以上であり、飲める温度の熱いお茶を飲んでも効果はありません。
アルコールで治る?
“アニサキスにはアルコールが効く”と言われることがありますが、こちらも効果はありません。アニサキスはアルコールに強く、2.5〜10%濃度のアルコール飲料内で 5 日間生存、14〜25%アルコール飲料内でも平均 5.6 時間生存します。
あくまでも温度の決まった冷凍処理か加熱処理でしか死滅させることができないので、それ以外の方法は効かないので注意しましょう。
正露丸で治る?
アニサキスによる食中毒症状が出た時の対処法として、正露丸を飲む方法があります。正露丸は下痢や腹痛に効果的なので、一時的な応急処置としては効果があります。
胃液で治る?
“アニサキスは胃液の酸が効く”と言われることがありますが、こちらも効果なしです。アニサキスは胃に入ると粘膜に入り込むため、胃液の酸で死ぬことはありません。
アニサキスの死骸は食べても大丈夫?
ところで、「アニサキスは死滅したとしても、死骸が魚の中に残っているのでは…?」と気になった方はいませんか?
そうなんです、アニサキスは死んでも、その死骸が鯖に残っています。ですが、アニサキスは死んでいれば、食べても問題ありません。アニサキスを持つ魚で加熱処理や冷凍処理されているものを食べている私たちは、普段からアニサキスの死骸を口にしている可能性が高いのです。
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アニサキスアレルギーは死骸でも反応する
注意したいのが、 “アニサキスアレルギー” の場合はアニサキスの死骸でも反応して症状が出てしまうことです。通常であれば死んだアニサキスで食中毒を起こすことはありませんが、アレルギーは別物でアニサキスの死骸でもアレルギー症状を発症します。
アニサキスアレルギー症状
アニサキスアレルギーの症状には、蕁麻疹や呼吸困難があります。この2つはアニサキス食中毒では出ない症状なので、生の魚を食べた時に蕁麻疹や呼吸困難となった場合はアレルギーの可能性があります。
アレルギーの場合は救急車を呼んでもOK
アニサキスアレルギーと思われる 呼吸困難を生じた場合は救急車を呼んでも大丈夫 です。
アニサキスアレルギーの発症は稀ですが、発症した場合命に関わるので救急で診てもらう必要があります。蕁麻疹や呼吸困難などがなく、我慢できる痛みであれば救急搬送ではなく通常の方法で診察を受けましょう。
アニサキスが死滅する加熱温度・冷凍温度
アニサキスが死滅する条件には、2つのパターンがあります。“冷凍処理”と“加熱処理”によるものです。それぞれアニサキスが死滅する温度と時間が決まっており、正しく処理すれば食中毒となることはありません。
アレルギーに関しては冷凍や加熱によって死滅しても反応が出てしまうので注意してください。
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加熱温度
アニサキスは加熱すると死滅するので、焼き魚や天ぷらなどに調理すれば食中毒の危険性はなくなります。加熱によって死滅するアニサキスですが、加熱温度が低いと生き続けることがあります。
アニサキスを殺すための加熱温度は決まっていて、それに達しないと完全に死滅しないため、生焼けだと食中毒になるっ可能性があります。
冷凍温度
アニサキスは冷凍することでも死滅させることができます。お店のお刺身に使用されている魚は一度冷凍されたものがほとんどで、アニサキスを死滅させるための下処理となっています。
冷凍せずそのままお刺身やお寿司として食べると、アニサキスが生きた状態で混ざっていることがあるので食べると食中毒を起こしてしまいます。冷凍の場合も、死滅させる冷凍温度と冷凍時間が決まっています。
まとめ
この記事をまとめると
- アニサキスの死骸は食べても食中毒にならない!
- アニサキスアレルギーの場合は死骸でも症状が出る!
- アレルギー症状は蕁麻疹・呼吸困難など食中毒とは異なる!
アニサキスの死骸は食べても食中毒になりませんが、アレルギーの場合は死骸でも体が反応を起こしてしまいます。食中毒を予防する分には、加熱処理か冷凍処理によって死滅させることができるので安心しましょう。
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