現代では物の重さを測る際、スケールなどの便利な機械がありますが、かつては「天秤」に乗せて重さを測っていました。
その際に必要なアイテムとなるのが「分銅(ふんどう)」でした。分銅は重りとして活躍し、家紋にもなっています。
今回は、「分銅紋」の由来・意味・種類や、分銅の豆知識についてご紹介いたします。
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分銅紋の意味・由来とは?
読み方 | ふんどうもん |
家紋の分類 | 器物紋 |
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分銅は、天秤で金銀などを測量する際の重りとして使用していた道具で、家紋としては新しい部類です。
正確にものを測れることや、その形状の面白さから家紋に用いられるようになったと言われています。
江戸時代には、両替所に分銅を描いた看板が登場し、家紋には商人が使用したとされています。
また、使用地域は兵庫県や大阪府、徳島県などに見られています。使用者には、松平氏や近藤氏などがあります。
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分銅紋の種類いろいろまとめて解説
分銅自体はいたってシンプルな紋なのですが、あらゆるアレンジを加え、豊富な種類が存在しています。
今回は分銅紋を2つのタイプに分けて、どんな種類があるのかご紹介いたします。
「分銅のみ」で構成された分銅紋
分銅 |
中陰分銅 |
持ち合い分銅 |
陰陽分銅 |
丸に分銅 |
細輪に三つ分銅 |
三つ寄せ分銅 |
子持ち分銅 |
1つめは「分銅のみ」を描いたデザインの分銅紋です。分銅は円形の両端にくり抜いた円形のあるものが基本の形で、それを複数使用したり配置を変えることでアレンジした種類が多数ありました。
こうして見ると1つから3つの分銅をモチーフにしています。4つ以上の分銅を家紋にしたものは無く、多くて3つとなっています。
「子持ち分銅」は穴の部分にミニサイズの分銅を入れたユーモアのあるデザインですね。
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「分銅+別の紋」で構成された分銅紋
分銅桜 |
陰分銅に違い丁子 |
亀甲に分銅 |
分銅梅鉢 |
五つ鐶に分銅 |
菱に分銅 |
分銅熨斗 |
五瓜に分銅 |
2つめは「分銅紋に別の家紋を合わせた」デザインの分銅紋です。下に家紋の名前も載せていますが、名前を見ずにわかる紋はいくつありますか?
組み合わされている家紋は全て独自の紋として存在するもので、「分銅桜」「分銅梅鉢」のように植物関連の紋と掛け合わせたものや、「五つ鐶に分銅」など器物関連の紋と掛け合わせたものなど様々です。
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分銅の製作者は決められていた!
ここからは家紋ではなく、道具としての分銅のお話です。分銅は天秤で金銀などを測量する際の重りとして使用していた道具ですが、その分銅を製作できる者は許可が下りた者だけと決められていました。
その理由は不正を防ぐためで、室町時代から江戸時代にかけて御用達彫金師であった「後藤四郎兵衛家」のみにその許可が下り、それ以外の者が製作することは許されていませんでした。
製作者を限ったことにより、その後200年以上分銅の重りは均一のまま継続しました。許可なく製作すれば不正が起きることを見越した政策だったのですね。
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まとめ
重りとして使用されていた分銅をモチーフとした「分銅紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
分銅という道具はあまり華やかなものではありませんが、家紋には様々な種類があり、今回ご紹介しきれなかったものも多数あります。
分銅の製作者を限るなどの歴史的ストーリーがわかるのも面白いですよね。色々な家紋について調べてみましょう。
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