「綿」は「コットン」として現代でも衣服の素材に使用されていますが、かつては祝い事の際に用いていた特別な綿がありました。
その特別な綿を紋化した「綿紋」は、束ねたデザインでシンプルな種類が豊富です。
今回は、「綿紋」の由来・意味・種類や、使用していた武家の中岡慎太郎についてご紹介いたします。
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綿紋の意味・由来とは?
読み方 | わたもん |
家紋の分類 | 器物紋 |
>>家紋辞典で他の家紋もチェック<< |
綿紋は「結綿(ゆいわた)紋」とも言い、普通の綿ではなく「祝い事の神物」として扱われていたものをデザイン化したものです。
神聖さを表したもので、慶事のシンボルとされていたため、縁起の良い家紋でもありました。
5つに束ねた基本的な結綿紋が主流でしたが、形状の異なる様々な種類があります。
使用者は、佐野氏、大橋氏、石渡氏などで、武家の中岡慎太郎は「丸に綿の実」を家紋としていました。
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綿紋の種類いろいろまとめて解説
結綿 |
変わり結綿 |
二つ結綿 |
結綿菱 |
丸に対い結綿 |
紐付き結綿 |
三つ寄せ結綿 |
三つ割り結綿 |
このように綿紋は、ふわふわとした塊の状態ではなく束ねられたデザインとなっていまいした。
主に1束で描かれていますが、中には「二つ結綿」「結綿菱」「丸に対い結綿」のように2つの束を描いたものや、「三つ寄せ結綿」「三つ割り結綿」のように3つの束で描かれたものがありました。
家紋は「輪紋」で囲んだものや、他の紋と組み合わせたデザインのものが多く存在するのですが、綿紋に関し点ては綿のみを描いているものがほとんどですね。
綿によって円形や菱型を描いていますが、組み合わせの紋が少ないことも珍しい特徴です。
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武家の中岡慎太郎は「丸に綿の実」
中岡慎太郎は1838年に土佐に生まれた武家の一人で、陸援隊隊長を務めていました。長州はじめ各地の志士たちとの重要な連絡役として、日本の志士を全うしました。
使用していたのは「丸に綿の実紋」で、綿紋の中では珍しい綿の実を描いたものです。
他の綿紋はふわふわの綿を束ねたものが描かれているので、一工夫された紋ですね。
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まとめ
現代でも衣服などに使用されている綿をモチーフとした「綿紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
綿紋は、束ねた綿を描いたもので、そのふんわり感については表現されていませんが、縁起の良い家紋として使用されてきました。
家紋は特に縁起が大切にされてきたため、縁起が良いとされる紋は非常に多いのです。是非他の器物紋についてもチェックしてみてくださいね。
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