【家紋】蝋燭紋(ろうそく)の意味・由来を解説!レア?珍しい器物紋の一種

現代では香りの良い「アロマキャンドル」や、水に浮かべる「フローティングキャンドル」など、様々なお洒落キャンドルが販売されていますが、かつては細長い棒状の「蝋燭」として明かりを灯していました。

その蝋燭は家紋にもなっていますが、使用者は少なく、レアな家紋の一つです。

今回は、「蝋燭紋」の由来・意味・種類や、関連する家紋についてご紹介いたします。

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蝋燭紋の意味・由来とは?

読み方 ろうそくもん
家紋の分類 器物紋
>>家紋辞典で他の家紋もチェック<<

蝋燭紋は、火を灯して明るくするための蝋燭(ろうそく)をデザイン化したもので、蝋燭そのものがそのまま描かれています。

蝋燭という漢字をそれぞれ見てみると、」は植物などから採取できる脂に似た物質を、」は灯りを意味しており、漢字を合わせると、どのようなものなのか直ぐにわかります。

蝋燭紋は丸の中に描かれたものが多く、本数は1本から3本が一般的です。

江戸時代以降に商人が家紋に使用し、それまで武家が使用した例はなどは記録として残っていません。

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蝋燭紋の種類いろいろまとめて解説

丸に一つ蝋燭

丸に二つ蝋燭

細輪に三つ蝋燭

中輪に三つ盛り蝋燭

石持ち地抜き蝋燭

太輪に違い蝋燭

糸輪に三つ違い蝋燭

三つ割り蝋燭

蝋燭紋はどれもシンプルで、このように1本から3本を描いたものが一般的でした。現代では様々な形のキャンドルがありますが、かつては絵のように細長いものが主流でした。

「輪紋」に囲まれたものがほとんどで、上段の4つ全てと、下段の「太輪に違い登録」「糸輪に三つ違い蝋燭」がその例です。

また、「石持ち地抜き蝋燭」は食べ物である「餅」を表す「石持ち」と合わせたもので、白抜きしていることから地抜きと呼ばれています。

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なぜ「餅」が家紋に登場?

かつて餅は日持ちの良さから、軍の食糧として重宝していました。それが家紋にも用いられるようになり、黒いものは「黒餅」、白いものは「白餅」よ呼ばれていました。

しかし、黒田氏が餅紋を使用していたことが定着すると、やがて餅紋のほとんどは黒い黒餅が用いられるようになります。

「餅紋」について詳しく気になる方は、上記の記事で紹介していますので見てみましょう!戦国武将も使用していた、色々な家紋と組み合わせて用いられる紋なのです。

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「◯◯輪」と言われる種類豊富な輪紋

蝋燭紋には「太輪」「丸」「糸輪」「中輪」が登場しましたが、これはどれも「輪紋」に分類される輪っか状の家紋です。

輪紋は単体で使用されることはあまりなく、蝋燭紋の種類でも見たように中に別の紋を入れて使用されます。輪紋を合わせる目的には、このようなことがありました。

  • 本家と分家を区別するため
  • 囲むことで中の紋を強調するため
  • 全体的な紋のバランスを整えるため

また、蝋燭紋に使用されていたシンプルな線の輪紋だけではなく、模様を使用した輪紋も豊富なのです。


鐶輪



唐草輪


三重輪



梅輪

こちらの記事では「輪紋」について更に詳しくご紹介していますので、合わせてチェックしてみましょう!

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まとめ

蝋燭をそのまま描いた「蝋燭紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

蝋燭紋は武将や公家に用いられた記録はなく、商家の間で使用された、あまりポピュラーではないレアな家紋です。

蝋燭の形も現代のものとは大きく異なるので、時代の差を感じますね。是非別途ご紹介した餅紋や輪紋についてもチェックしてみてくださいね。

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