武士が戦いの場で必ず使用していたものに「矢」があります。鉄砲などより力のあるものが誕生する前は、矢を使っていました。
その矢を家紋にした「矢紋」は、武士の間で多く用いられていたと言います。
今回は、「矢紋」の由来・意味・種類や、矢紋を用いていた戦国武将、片桐且元の歴史についてご紹介いたします。
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矢紋/矢筈紋の意味・由来とは?
読み方 | やもん/やはずもん |
家紋の分類 | 器物紋 |
>>家紋辞典で他の家紋もチェック<< |
矢は、古代より狩猟の道具として使われていました。また、武器としても邪気を払う神器としても使われていました。
「破魔矢」は今でもお正月に見られるものです。 鉄砲が日本に伝来するまで矢は武士にとって重要なものだったため、武士が家紋として矢を多く使用していました。
矢には「家を守る」という信仰的な意味があり、矢紋を用いる家は多かったようです。
中でも有名なのは服部氏で、古くから伊賀の国に勢力を持っていました。服部氏のある者が功労賞として矢を賜ったことから、矢を家紋にした言われています。
また、矢紋は矢全体をモチーフにしたものもあれば、矢の先端や矢尻、矢羽根など部分的に家紋に用いた家もありました。
ちなみに、矢を作っていた職人たちの間でも矢紋を用いた者がいたそうです。
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矢紋/矢筈紋の種類いろいろまとめて解説
一本矢 |
違い矢 |
三つ並び矢 |
七つ矢車 |
五つ矢扇 |
三本束ね矢 |
源氏輪に違い矢 |
矢尻付き横二本矢 |
矢紋には、1本や複数本使用したものなど様々な種類があります。今回は矢全体を描いたものをピックアップしました。
シンプルに描かれた「一本矢」「違い矢」「三つ並び矢」をはじめ、扇状に描いた「五つ矢扇」、円形状に描いた「七つ矢車」などもあります。
また、3本の矢を紐でくくったような「三本束ね矢」という紋もあり、同じ3本の矢をモチーフとしたものでもいくつかの種類がありました。
「源氏輪に違い矢」は、当時の荷物運搬手段でもあった牛舎の車輪をモチーフにしたものです。その中に矢を入れることで、強調した家紋となっています。
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片桐且元の家紋「片桐違い矢」
片桐且元の家紋「片桐違い矢」を解説!豊臣の裏切り者?忠義者と言われる戦国武将の人生に迫る豊臣家を裏切ったと言われる片桐且元は、矢紋の「片桐違い矢」を使用していました。
2本の矢をモチーフにしたもので、片桐氏のオリジナル家紋となっています。
片桐且元とはどのような人物だったのか、その歴史的ストーリーについては上記の別途記事で紹介していますので、合わせてチェックしてみましょう。
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まとめ
武士にとって戦いの場では必須のアイテムであった矢をモチーフにした「矢紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
武士が使用していた家紋は、縁起の良いものに加え、強さをアピールするような力強いデザインが多い傾向がありました。矢紋はそのように戦いへの意や強さを象徴するものだったのでしょう。
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