秋のフルーツとして現在でも食べられている「梨」ですが、「梨紋」という家紋があります。
他の植物紋とは異なるちょっと珍しいデザインで、その成り立ちも特徴的なのです。一体どのような紋なのでしょうか?
今回は、「梨紋」の由来・意味・種類や、組み合わせて使用された「輪紋」についてご紹介いたします。
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梨紋の意味・由来とは?
読み方 | なしもん |
家紋の分類 | 植物紋 |
>>家紋辞典で他の家紋もチェック<< |
梨はバラ科の落葉高木で、古代中国では解熱効果や咳や痰を抑える薬効があるとされていました。現在は果樹の印象が強い梨ですが、漢方薬として扱われていたのです。
梨紋はベースとなった植物は不明とされていて、梨の実を切った時の切り口ににていることから梨紋と呼ばれるようになりました。
また、梨紋は「唐梨紋」と言うこともあります。主に愛知県で用いられ、東海地方に多く見られます。
使用者には、永井氏、吉見氏、大橋氏、戸祭氏などがあり、永井氏が使用していた紋は「永井梨の切り口」という独自の名前が付けられています。
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梨の家紋の種類解説
梨の切り口 |
丸に梨切り口 |
梨切り口菱 |
石持ち地抜き梨の切り口 |
永井梨の切り口 |
糸輪に三つ梨の切り口 |
糸輪に豆梨の切り口 |
三つ盛り梨の花 |
梨紋は、切った時の断面をモチーフにしたデザインです。一般的な植物紋は花や葉・枝を描いているので、珍しいものとなっています。
四方形に描かれた「梨の切り口」は、「丸に梨切り口」「梨切り口菱」「石持ち地抜き梨の切り口」などにアンレジされており、菱や石持ちなど他の紋と組み合わせたものもあります。
また、輪紋の一つでもある「糸輪」の中に入れた「糸輪に三つ梨の切り口」「糸輪に豆梨の切り口」では、梨が三つに描かれていたり、ミニサイズの豆梨に切り口として描かれています。
冒頭で永井氏が使用していた梨紋には独自のものがあるとお話しましたが、細みに描かれているといった特徴もあります。
イレギュラーなのは「三つ盛り梨の花」で、こちらは切り口ではなく花そのものを描いたものです。少数ではありますが、梨の花をデザイン化したものもありました。
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輪紋をつかう目的とは?
先ほども「糸輪」があったように、モチーフを囲むものに「輪紋」があります。輪の形をした紋ですが、線の太さや線タイプが様々あり、バリエーションが非常に豊富なものです。
輪紋を他の紋に合わせる目的には、このようなことがあったと言われています。
- 本家と分家を区別するため
- 囲むことで中の紋を強調するため
- 全体的な紋のバランスを整えるため
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輪紋のいろいろ
せっくなのでその他の輪紋をいくつか見てみましょう。中には直線ではないものもあります。
鐶輪 |
唐草輪 |
三重輪 |
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詳しくはこの記事をチェック!
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まとめ
フルーツとしてお馴染みの「梨紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
植物紋に分類される梨紋ですが、モチーフは花や葉ではなく実の断面というところが珍しいデザインでした。また、梨から誕生した紋ではなく、紋を見て梨に似ていることから「梨紋」となった成り立ちも珍しい紋です。
フルーツを使用した紋は他にあまりありませんので、興味のある方は是非その他の梨紋についても調べてみてくださいね。
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