鴨肉は生でそのまま食べても大丈夫?食中毒は?焼き加減は?赤いのは大丈夫?

食卓に上がるとごちそう感が出る鴨肉は、特別な日のメニューやパーティーにもぴったりです。

特に狩猟が解禁になる冬は、高級品であるマガモも出回るので楽しみにしている方も多いのではないでしょうか?

いろいろ楽しみがある鴨肉ですが、刺身やたたきのように生で食べても大丈夫なのでしょうか?

新鮮なら食中毒の心配は少ないのでしょうか?そこで今回は、

  • 鴨肉とは?

  • 鴨肉のレア・赤色の場合は食べて大丈夫?

  • 鴨肉の焼き方・ロースト方法

についてご紹介します。

スポンサードリンク

鴨肉は生で食べて大丈夫?

鴨肉は、馬刺しやユッケのように生で食べても大丈夫なのでしょうか?

鴨肉の説明と生食の可否、リスクについて解説します。

 鴨肉とは?

 「カモ」とは、雁より小さく首の短いカモ科の鳥類の総称で、特定の鳥を指すものではありません。 

そのため、日本で流通する「鴨肉」は、以下の4種類があります。

マガモ

北半球に広く分布する渡り鳥。日本では鳥獣保護法によって狩猟鳥に指定されている。

肉の質、量ともに最高位とされている。

アイガモ

アヒルと野生のマガモを交配したもの。においが少なくて初心者でも食べやすい。脂肪分が多く柔らかい肉質。

アヒル

野生のマガモを家畜化したもの。脂肪分がとても多く、柔らかい肉質。北京種は北京ダックとして有名。

ガチョウ

野生の雁を家畜化したもの。鶏と同様古い歴史がある。ドイツや中国でよく利用される。

生食はおすすめしない

 刺身やたたきのような生、もしくは半生の状態で食べるのはあまりおすすめしません。 

鴨肉に限らず、鶏肉類はサルモネラ菌に汚染されている確率が高く、肉から出たドリップなどが付くことで広がります。

加熱によって死滅するので、鮮度に関係なく調理してから食べる方がいいでしょう。

また、狩猟などで取った野生の鴨は、必ず加熱して食べましょう。

ピンク色だけど大丈夫?

 ピンク色でも中まで火が通っていれば大丈夫です。 

中心温度が75℃以上で1分以上加熱していれば、サルモネラ菌は死滅しますので、食中毒の危険性は低くなります。

食中毒のリスク

 鴨肉で最もリスクのあるものはサルモネラ菌です。 

サルモネラ菌による食中毒になると、

  • 吐き気・嘔吐
  • 胃けいれん(腹痛)
  • 下痢
  • 発熱
  • 頭痛
  • 筋肉痛

などの症状が見られます。

サルモネラ菌に汚染された鴨肉などを食べてから、半日から2日ほどで症状が現れることが多く、症状は数日から1週間ほど続きます

高齢者や乳幼児だと重症化することもありますので、

  • 生の鴨肉を触った手で他の食器等を触らない

  • 他の物に触る前に手を洗う

  • 肉を焼くときに使った箸と食べるときの箸は分ける

  • 中心部まで加熱する

など、しっかり予防しましょう。

スポンサードリンク

鴨肉のレア・赤色の場合は食べて大丈夫?

鴨肉を調理した時に、お肉が赤かったり、赤い汁が出ていることがありますよね。

それはきちんと火が通ってないということなのでしょうか?

赤い汁の正体やピンク色の鴨肉を食べてもいいのか解説します。

赤い汁が出ているけど大丈夫?

低温調理すると、赤い汁が出ていることがあります。

これって血?と心配になると思いますが、市販の鴨肉は血抜きされているのでほぼ残っていません。

この赤い汁の正体は、 肉に含まれている「ミオグロビン」という筋肉に酸素を運ぶたんぱく質の一種です。 

ミオグロビンは、60℃以上になるとグレーに変色しますので、低温調理などでじっくり加熱した時によくみられます。

ですので、基本、調理済みの鴨肉から赤い汁が出ていても食べても問題ありません。

中身がピンクの場合は食べて良い?

上記でも触れていますが、加熱後の肉がピンク色に見えるのもミオグロビンのせいです。

 しっかり中心まで火が入っていれば食べても問題ありません。 

食中毒菌が死滅する温度・焼き時間

 サルモネラ菌が死滅する温度は75℃以上で1分間加熱 することです。

この時、75℃以上必要なのは中心温度ですので、中心温度計があれば測定してみてください。

スポンサードリンク

鴨肉の焼き方・ロースト方法

鴨肉はしっかり加熱した方がいいのはわかりましたが、鴨肉は繊維が多いのが特徴で、加熱しすぎると硬くなりやすい性質があります。

柔らかく仕上げるためのコツをご紹介します。

下処理の方法

鴨肉を調理する前に、下準備と下処理をしておきましょう。

下準備
  1. 鴨肉を常温に戻しておく

  2. ドリップを丁寧にふき取る

下処理
  1. 皮目に格子状の切り込みを入れる

  2. フライパンを弱火で熱する

  3. 皮目から弱火のままじっくり焼く

  4. 20分ほど経ったら皮目を確認する

  5. こんがり焼き目がついていたら裏返してさらに焼く(出てくる脂を掛けながら焼くと◎)

  6. 両面に焼き目が付いたらフライパンから取り出す

これで下処理完了です。

この後、蒸し煮などに使う場合は、火が入りすぎるのを防ぐために冷水に浸けましょう。

そのままスライスして食べるなら、耐熱袋に入れてお湯の中に20分ほど置いておきます。

袋の中に脂が出てきますので、鴨南蛮汁などに使ってください。

旨味が出ていておいしいですよ。

火加減の目安

 火加減は弱火から弱めの中火 です。

ステーキのレアやミディアムレアを焼くようなイメージで火加減を調整しましょう。

いきなり強火で焼くのではなく、最初から弱火でじっくり時間をかけて焼くのがポイントです。

焼き加減のチェック方法

鴨肉は火が入りすぎると硬くなるので、できればミディアムぐらいで焼きたいところです。

そんな時は、 金串を使ってチェック しましょう。

鴨肉の中心まで刺して、下唇に当てて温度をチェックします。

  • レア:冷たい、ほとんど熱さを感じない

  • ミディアム:ほんのり温かい

  • ウェルダン:熱い

低温調理器も便利

じっくり加熱するのが鴨肉を柔らかく調理するコツですが、ずっとコンロの前にいるのも大変ですよね。

そんな時は、低温調理器が便利です。

設定温度を一定時間保ってくれるので、火加減も気にしなくていいですし、失敗も少ないです。

 鴨肉は弱火でじっくり加熱しないと硬くなる ので、低温調理は一番おいしく食べられる調理方法だと思います。

ひとつ注意していただきたいのは、衛生面や鮮度の面で不安がある場合です。

購入してきてから少し時間が経ったものや、他の肉と一緒に保管していた場合などは75℃以上で作るほうがいいかと思います。

75℃以上でもしっとりおいしくできますので心配無用ですよ。

まとめ

今回は、鴨肉を生で食べても大丈夫なのか、赤い汁やピンク色の正体についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

この記事をまとめると

  • 鴨肉の生食は避けた方が無難
  • サルモネラ菌に注意!
  • 赤い汁やピンク色の正体はミオグロビン

野生のマガモは冬限定ですが、家禽の鴨肉は比較的手に入りやすくなっています。

調理もコツやポイントさえ押さえていれば、難しい工程はありません。

この記事を参考に、特別な日には鴨肉でお祝いしてみませんか?

スポンサードリンク