赤ちゃんに離乳食を口にさせる際、卵は最も気を使う食材と言っても過言ではありません。なぜなら食物アレルギーが出やすい食材だからです。
そこで今回は…
- 1歳が卵を食べても大丈夫?
- 卵を食べる際の注意点
- 卵の栄養素・カロリーは?
身近な食材である卵と乳幼児への食事の与え方について考えていきたいと思います。
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目次
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1歳が卵を食べても大丈夫?
1歳といってもついこの間まで乳児さんだった成り立ての幼児さんです。卵は食べても大丈夫なのでしょうか?
1歳であれば卵白・卵黄も大丈夫
離乳食は約5~6カ月頃を目安に始め、1歳~1歳半(12~18か月)でおおよそ完了期を迎えます。(進め方や完了の頃合いはお子様の成長により異なります)
完了期を迎える頃には卵黄・卵白ともに与えても大丈夫です。
しかし、完了期を迎えたからと言って半熟や生の卵を与えるのは控え、基本的にはしっかりと加熱をしたものを与えるようにしましょう。
1回あたりに与える卵の量は、全卵で1/2個~2/3個程度を目安にしてください。
1歳未満は卵白を徐々に少しずつ
乳児においてもっとも食物アレルギーの数が多いのが、卵アレルギーです。乳児期に食物アレルギーを発症するケースのうち50~60%が卵によるものです。そして2番目に牛乳、3番目に小麦と続きます。
卵は卵黄と卵白に分けられますが、実はアレルギーを起こしやすいのは卵白の方です。
さらに加熱時間や加熱温度もアレルギー症状の発症リスクと関係しており、長く加熱するほど、高温で加熱するほど、アレルギー反応は起こりにくくなります。離乳食に完全に火を通した卵となっているのはそのためです。
離乳食で卵を与える時期と順番
厚生労働省から2019年に「授乳・離乳の支援ガイド」が、12年ぶりに改定されました。
これは、妊産婦や子どもに関わる医療従事者向けのものであり、一般の方への離乳食指導を行う際の公式な指針になります。その中に近年の食物アレルギーに関するエビデンスなどから、改定版では一般の方に対する食物アレルギーに関する支援について新たな項目として記載されました。
さらに離乳の開始時期や特定の食物の摂取開始の時期を遅らせることによって食物アレルギーを予防できる根拠はないことから、生後5~6か月頃から離乳食を開始することとされています。
なお、従来のガイドでは生後7~8か月頃からとされていた卵(卵黄)の摂取時期が、離乳初期である5~6か月からに改定されました。
また、子どものアレルギー疾患予防のために母親が特定の食品を極端に避けたり過剰に摂取したりする必要はなく、食事をバランス良く食べることが重要であることが明記されたのも大きな点になります。
- 離乳初期(生後5~6カ月頃):慣れてきたら、つぶした豆腐・白身魚・卵黄等を試してみる
- 離乳中期(生後7~8カ月頃):卵黄1~全卵1/3程度
- 離乳後期(生後9~11か月頃):全卵1/2程度
- 離乳完了期(生後12~18か月頃):全卵1/2~2/3程度
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卵を食べる際の注意点
卵を与える際注意すべき点はどんなものでしょうか?
アレルギー症状が出たら即やめよう
卵アレルギーの主な症状はこちらです。
- 皮膚の赤みや蕁麻疹
- 咳や喉の痛み
- 鼻の症状
- 喘息
- 口のまわりの赤みや腫れ
- 呼吸困難
症状の現れ方には個人差があり、数時間程度の皮膚の症状から、数分で急激な症状が現れ呼吸困難などの重い症状になることもあります。
食べ過ぎに気を付ける
何事もほどほどにと言われるように、卵の食べ過ぎも例外ではありません。卵は大人でも1日1〜2個に留めておくことが良いとされています。
乳幼児であれば卵は、3歳くらいまでは半分~2/3個程度に抑え、3歳を過ぎた頃から、1食(1日)1個とすると良いかと思います。
また卵はアレルギー症状発症リスクの観点から3歳くらいまでは完全に火を通したものを食べさせてあげましょう!
卵アレルギーは改善するのか
年齢とともにアレルギー症状が改善する可能性が高いので、将来的には安心して食べられるようになることもあります。定期的に食物負荷試験を受けるなどして、医師とともに経過を安全に見守っていきましょう。
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卵の栄養素・カロリーは?
卵は万能食品と言われるほど栄養バランスが良く、カロリーも取れる食べ物です。
卵1個の栄養素
卵1個(50g)のエネルギーは76kcal、タンパク質6.2g、脂質5.2g、炭水化物0.2gです。
卵のアミノ酸スコアは100であるため、良質なタンパク質を含む完全栄養食品といえます。
また、卵の脂質には必須脂肪酸のリノール酸が豊富に含まれています。 その他、ビタミン、ミネラルも含まれています。
タンパク質が豊富
タンパク質含有量が多い食品類としては肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品があげられます。
卵には良質なタンパク質や豊富なアミノ酸など、疲労回復に必要な栄養素が多く含まれています。 また、タンパク質は筋肉を作るのに必要な栄養素です。 良質なタンパク質を摂って、筋肉がつくと新陳代謝が良くなり疲弊しにくい体作りに繋がります。
映画『ロッキー』の生卵飲み干しシーンは筋肉をつけ新陳代謝を良くするという意味では一応意味のある行動と言えますね(しかし飲みすぎですので体を鍛えている方でもマネしないでください)
アミノ酸スコアが優秀
アミノ酸スコアとは、体内で合成することのできない9種類の必須アミノ酸が、体の必要量に対してどのくらい含まれているかを0~100の数値で表したものです。
卵のアミノ酸スコアは上記でも述べた通り「100」です。つまり卵は食べ物に含まれる「タンパク質」の量と「必須アミノ酸」が最もバランス良く含まれている完全栄養食品となります。
まとめ
この記事をまとめると
- 1歳~1歳半(12~18か月)の完了期を迎える頃には卵黄・卵白ともに与えても大丈夫です
- 完了期を迎えても半熟や生の卵を与えるのは控え、基本的にはしっかりと加熱をした卵を与えるようにしましょう
- 離乳完了期(生後12~18か月頃)は全卵1/2~2/3程度を目安に与えましょう
- 乳児においてもっとも食物アレルギーの数が多いのが、卵アレルギーで、乳児期に食物アレルギーを発症するケースのうち50~60%が卵によるものです
- 卵は卵黄と卵白に分けられますが、アレルギーを起こしやすいのは卵白の方です
- 加熱時間や加熱温度もアレルギー症状の発症リスクと関係しており、長く加熱するほど、高温で加熱するほど、アレルギー反応は起こりにくくなります
- 離乳の開始時期や特定の食物の摂取開始の時期を遅らせることによって食物アレルギーを予防できる根拠はありません
- 子どものアレルギー疾患予防のために母親が特定の食品を極端に避けたり過剰に摂取したりする必要はなく、食事をバランス良く食べることが重要です
- 乳幼児であれば卵は、3歳くらいまでは半分~2/3個程度に抑え、3歳を過ぎた頃から、1食(1日)1個とすると良いでしょう
- 卵のアミノ酸スコアは「100」、つまり卵は食べ物に含まれる「タンパク質」の量と「必須アミノ酸」が最もバランス良く含まれている完全栄養食品です
もうすぐクリスマスもやってきます。初めてクリスマスケーキを口にするというお子さんもいるかと思いますがスポンジ部分には卵が使用されていますので、食べすぎないよう親御さんが気をつけてあげてくださいね。
ここまでお付き合い頂きましてありがとうございました。
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