爽やかな香りとつるんとした食感が魅力の杏仁豆腐は、女性を中心に人気の高いスイーツです。しかし、この杏仁豆腐に含まれる成分の一つが体に悪影響を与える可能性があることをご存じでしょうか。
- 杏仁豆腐ってどんな食べ物?
- 杏仁豆腐が体に悪いって本当?
- 杏仁豆腐による健康効果を解説
今回は、こちらについて詳しく解説していきます。
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目次
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杏仁豆腐って何?
どんな食べ物?
杏仁豆腐は、中国を起源とする薬膳料理の一種です。その歴史は、はるか中国三国時代にまで遡ると言われています。
日本においてもその歴史は古く、大正時代に杏仁豆腐のことが新聞に記載されていたとのことです。その後、1970年代に入ると既に庶民の間ではデザートとしての杏仁豆腐が浸透していました。
子供の頃にフルーツと一緒にひし形にカットされた杏仁豆腐を食べたことがあるという方は、非常に多いのでは無いでしょうか。
杏仁ってなに?
杏仁豆腐の名前にもある「杏仁(あんにん)」とは一体なんのことでしょうか。
杏仁は、もともとは「きょうにん」と読み、杏(あんず)の種子の中にある仁と呼ばれる部分のことを指しています。この仁の存在は杏特有のものではなく、他にも桃やアーモンド、梅などにも見られます。
この仁を取り出して、粉末状にし甘味などを加えたものを杏仁霜(きょうにんそう)と呼びます。
加工した杏仁霜に砂糖や牛乳、ゼラチンを加えて固めていく工程を経て私たちの良く知る杏仁豆腐になるのです。
以下に、杏仁から杏仁豆腐までの過程を一覧にまとめてみました。
呼び名 | 意味するもの |
杏仁(きょうにん) | 杏の種子のこと(原料) |
杏仁霜(きょうにんそう) | 杏仁をすり潰して加工したもの(中間原料) |
杏仁豆腐(あんにんどうふ) | 完成品(製品) |
栄養価は?
コンビニで購入することが出来る杏仁豆腐に含まれる栄養成分及び原材料表示は、以下の通りです。
アジア茶房杏仁豆腐(雪印メグミルク)140gあたり
栄養成分 | 含有量 |
エネルギー | 180kcal |
たんぱく質 | 3.8g |
脂質 | 6.7g |
炭水化物 | 26.5g |
食塩相当量 | 0.16g |
原材料表示:糖類(水飴、砂糖、ぶどう糖)、乳製品(国内製造、スイス製造)、ココナッツオイル、杏仁霜、でん粉/ゲル化剤(増粘多糖類)、香料、乳化剤
カロリーや糖質は?
杏仁豆腐1つあたりに含まれるカロリー及び糖質量は、以下の通りです。
アジア茶房杏仁豆腐(雪印メグミルク)140gあたり
カロリー | 180kcal |
糖質 | 26.1g |
これだけでは少しわかりにくいので、大手コンビニであるローソンで購入出来るその他のデザートのカロリー及び糖質と比較してみました。
製品名 | カロリー | 糖質 |
大きなツインシュー | 361kcal | 24.2g |
もちぷよ | 248kcal | 25.8g |
モアホボクリム | 311kcal | 24.2g |
アジア茶房 杏仁豆腐 | 180kcal | 26.1g |
上記のように、杏仁豆腐は他のデザートと比較するとカロリーは控えめなものの糖質が多く含まれていることがわかります。これは、杏仁豆腐を作る際には白砂糖が多く使用されることが原因です。
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杏仁豆腐は体に悪いの?
体に良いというイメージが強い杏仁豆腐ですが、家庭で杏仁豆腐を作る場合に注意しなくてはならない成分があります。
アミグダリンが危険
アミグダリンとは、杏などに含まれる成分のことを指します。唾液などによって分解され、天然の毒物であるシアン化合物に変化する性質を持っています。その一方で、シアン化合物と共に発生する香り成分ベンズアルデヒドは、杏仁豆腐特有の香りの源となります。
アミグダリンを大量に摂取するとどうなる?
アミグダリンは体内で分解を繰り返して、最終的には青酸へと変化します。青酸は摂取量によっては、頭痛やめまい、悪心などの中毒症状を引き起こすリスクがあり、大量に摂取することで毒性が更に高まり、重篤な症状を引き起こしたという事例も報告されています。
どれくらいまでなら大丈夫?
一般に販売されている杏仁豆腐の場合は、アミグダリンの心配をする必要はありません。その一方で、家庭で手作りの杏仁豆腐を作る場合は、「香りづけのため」に生の杏の仁を使用するレシピが見られます。
生の杏の仁を使用することはシアン化合物の発生に繋がるリスクが高いため、家庭での杏仁豆腐作りには市販のアーモンドエッセンスなどを使用することが特におすすめです。
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むしろ体にいいって本当?
杏仁豆腐は、食べることで様々な健康効果を得ることも出来ます。
コレステロールを下げてくれる
杏仁には、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす役割を持つオレイン酸が大量に含まれています。
オレイン酸には、糖質の消化吸収を防ぐ働きもあるため、太り気味の人には特におすすめのスイーツです。ただし、糖質自体は多めなので食べ過ぎには注意が必要です。
咳止めなどの効果もある
杏仁豆腐の原料である杏仁(きょうにん)には、咳を止める働きがあると言われています。その理由は、もともと杏仁は漢方薬として使用されている生薬のひとつであるため。
杏仁豆腐を食べることで、渇いた咳や喘息などの喉の不調を改善することが出来るのは嬉しいですね。
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まとめ
この記事をまとめると
- 杏仁豆腐は中国を発祥とするデザートのこと
- 杏仁とは杏の種のことを指し、種をすりつぶして甘味で加工したものを杏仁霜と呼ぶ
- 生の杏を粉末にする際に生じるアミグダリンは、分解を繰り返し青酸に変化するので注意が必要
- 杏仁豆腐は、食べることでコレステロールを下げたり、辛い咳を緩和する効果もあると言われている
いかがだったでしょうか。
白い見た目が可愛らしい杏仁豆腐は、美味しくたべながら健康効果も得られるまさに万能デザートと言えるでしょう。
ただし、見かけによらず糖質は高めなため食べ過ぎには十分注意が必要です。
この記事がみなさんの参考になれば幸いです。
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