妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“お肉”は妊婦さんにもオススメの食材です。しかし、お肉ばかり食べていても大丈夫なのでしょうか?
妊娠中は色々な栄養素を摂ることが理想的です。お肉に含まれる栄養や、お肉ばかり食べることの可否に着目しました。それでは、
- お肉が妊娠中にオススメな理由
- お肉の栄養成分と妊婦への効果
- 肉ばかりはダメ?
- 妊娠中にお肉を食べる時の注意点
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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妊娠中、お肉ばかり食べてもいい?
妊娠中は食の好みが変わることもありますが、「お肉なら食べられる」や、「焼肉が食べたくなる」という方もいるようです。
お肉には体に必要な栄養成分が含まれているので、もちろん妊婦さんが食べても良いものですが、栄養素の偏りは良くありません。
主食・主菜・副菜をバランスよく
妊娠中は、主食・主菜・副菜をバランス良く食べることが大切 です。妊娠期間がすすむほど、摂取したい食品量は徐々に増えていきます。主食は、ご飯・パン・麺類などの炭水化物を多く含む食材で摂ります。白米ではなく玄米や雑穀米に変えることで、炭水化物にプラスして食物繊維・ビタミン・ミネラルを一緒に摂ることができます◎
主菜には、たんぱく質を多く含むお肉・魚・豆類・卵を摂りれましょう。副菜は、ビタミンとミネラルを含む海藻類やきのこを摂り入れるのが理想です。
食品の中には、妊娠中に食べると食中毒を起こすリスクのあるものもあるので、注意しましょう。どんな食材が危険かについては、記事の後半で紹介しています。
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1日のバランスの良い摂取量の目安
妊娠中に取り入れたい『バランスの良い1日の栄養摂取量』は、どのくらいなのでしょうか?主食・主菜・副菜の3つと妊娠時期に分けてチェックしてみましょう!
- 主食…妊娠初期〜中期は妊娠前と同量でOK / 後期は少し増やして!
- 主菜…妊娠初期は妊娠前と同量でOK / 中期・後期は少し増やして!
- 副菜…妊娠初期は妊娠前と同量でOK / 中期・後期は少し増やして!
基本的に妊娠がすすむにつれて必要栄養素は増えていきます。妊娠後期(9ヶ月以降)には、胎児の重さが10日で約200gのペースで増えていくので、今までよりも多く栄養摂取する必要があります。
胎児の脳や体・神経発達の素となるのは、胎盤を通して送るママが食べた食品です。胎児の成長とともに必要カロリー数も上がっていくため、主食・主菜・副菜を妊娠時期に合わせ徐々に増やしていくことも大切です。
お肉の栄養成分と妊婦への効果
お肉が妊娠中におすすめの理由には、鶏肉に含まれる“たんぱく質”、“鉄分”、“ビタミンB6”があります。それぞれの妊婦さんへの効果について詳しく見てみましょう。
妊娠中期以降はタンパク質量を増やして
タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。
- 妊娠前の成人女性…50g/1日
- 妊娠初期…50g/1日
- 妊娠中期…60g/1日
- 妊娠後期…75g/1日
妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。
妊娠中は貧血になりやすい
妊娠すると赤血球が多くつくられるようになり、胎盤や胎児形成のためにお腹に送られていきます。血液量も増えるため、より多く鉄分を摂らないと貧血になりやすくなります。
特に妊娠初期は貧血が起こりやすく、 鉄分が不足することで動悸や息切れが起こり、つわりがより一層辛くなる 方も多いです。また、貧血状態が酷くなると『鉄欠乏性貧血』となることもあります。
鶏肉には鉄分が多く含まれているため、妊娠中の鉄分不足を解消する効果を期待することができます◎ 葉酸と鉄分がセットになったサプリもありますが、食品からも摂るようにしましょう。
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ビタミンB群の各効果とは?
鶏肉にはビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群の中でも、鶏肉に含まれるB1・B2・B6・B12それぞれには、妊婦さんにとってこのような効果があります。
- ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
- ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進
- ビタミンB6…鉄分の合成を高めてつわりの吐き気を軽減
- ビタミンB12…DNAの合成を助ける働きがある
どれもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。特に、鶏肉にはビタミンB6が豊富に含まれています。
生焼けは食中毒に注意して!
お肉が生焼けの場合、食べると食中毒を起こす可能性があります。その原因菌は、黄色ブドウ球菌などです。生焼けの可能性がある鶏肉は、絶対に食べないようにしましょう。
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌とは牛・豚・鶏どのお肉にも起こり得る食中毒で、その割合は牛が13%・豚8%・鶏36%となっています。
黄色ブドウ球菌はエンテロトキシンという毒成分を生成する働きがあり、それによって激しい嘔吐・腹痛・下痢などの急性胃腸炎を発症します。健康体であれば食べてしまっても無症状で済むこともありまうすが、免疫力が下がっている妊娠中はより注意が必要です。
- 治療に必要な薬が制限される
- 繰り返す下痢によって子宮収縮が起こる
- 子宮収縮によって酸素や栄養が届きにくくなる
- 酷い場合は流産に繋がる可能性もゼロではない
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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- お肉は妊娠中にもおすすめの食品◎
- 肉ばかりは栄養が偏るのでNG!バランスの取れた食事を
- 生焼けは食中毒になるリスクがあるのでしっかり加熱する
お肉はたんぱく質やビタミンB群が豊富なので、妊娠生活の食事に是非取り入れたい食材です。生焼けに注意して、定期的に食べるようにしましょう。
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