苦味のある食品が好きな人には、その独特の強い味わいが人気です。ですが主張が強すぎるために本来の料理の甘みや塩気、旨味に苦味が勝ってしまい、食べにくいと感じる人も多くいます。そこで今回は
- 苦い食べ物は体にいい?
- 代表的な苦い野菜
- 苦手な人でも食べやすくする方法
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目次
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苦い食べ物は栄養があって体に良い!
苦い食べ物は苦手という方も多いと思います。でもその苦味、実はとても体にいいものだったんです!
ポリフェノール
人の味覚は甘味・旨味・塩味・酸味・苦味の5つが基本ですが、赤ちゃんが好むのはエネルギー源となる甘味と、体の組織を作るたんぱく質の元となる旨味だと言われています。
反対に嫌がるのは、腐っていることを知らせる酸味や毒であることを知らせる苦味。
つまり、味覚は生まれながらにして人間に備わった、生きていくために必要や食べ物を見分ける能力なのです。
ですがもちろん苦いからといって全てが毒というわけではありません。
野菜の苦味成分は体の活性酸素を除去するポリフェノールや、老廃物の代謝を促す植物性アルカノイドなどでできており、これらは体にとって必要な栄養素です。
日本人は昔から「冬の間に体に溜まった悪いものを出すため」として春に育つ山菜をよく食べますが、これは理にかなったことなのです。
また漢方の薬膳では、苦味のある食べ物は熱を覚まし、体の中にある余分な水分を外に出す作用がある、と言われています。
植物性アルカノイド
苦味のある食品には植物由来の化学物質が含まれています。これは植物アルカノイドという成分で、腎臓の濾過機能を上げて体内の余分な水分や熱を排出するはたらきがあります。
体に溜まった老廃物や毒素を除去したいという場合にはぴったりの食材こそが、苦い野菜なのです。
また、ストレスを感じた後には苦味を感じる機能が低下し、苦味のある食品をおいしく感じるという傾向があります。
気分を変えたいときやイライラを解消したいときにコーヒーなどの苦味を含んだ嗜好品が欲しくなるように、苦味には気分をスッキリさせたりストレスを和らげる作用があるとされています。
「良薬口に苦し」ということわざがありますが、これは苦味のある野菜の効能を的確に表していると言えますね。
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苦い食べ物一覧
苦い食べ物といえばいくつか思いつくと思いますが、中でも代表的なものをご紹介します。
ゴーヤ
苦い野菜として一番有名なものといえば、やはりゴーヤではないでしょうか。ゴーヤは新鮮であるほど栄養価が高くなりますが、その分苦味も強くなります。
ゴーヤの苦味はモモルデシンという成分で、血液をサラサラにして生活習慣を予防する効果が期待されています。
またウリ科の野菜に多く含まれるクエルシトリンは、高血圧の抑制や抗うつ作用があるとも言われています。
ピーマン
ピーマンといえば、こどもが嫌いな野菜ランキングで常にナンバー1を誇る野菜ですよね。
ピーマンはゴーヤとは逆です。新鮮であるほど栄養価は高くなりますが、苦味は弱まるという特徴があります。
また同じピーマンでも、赤ピーマンは苦味が弱い傾向にあります。ここからわかるように、必ずしも苦味が強いものほど栄養価が高くなる、とは言い切れないのです。
春菊
春菊にはビタミンやミネラルが多く含まれていますが、中でもβカロテンがとても豊富です。
春菊を食べることで高血圧や高脂血症、動脈硬化、ガンなどの生活習慣病の予防に効果が期待できると言われています。
独特の苦味は食欲を増進させるとも言われており、昔から風邪予防のために食べられてきたという歴史もあります。
春菊の香りの成分には自律神経を安定させ、咳やタンを鎮める効果があります。また体が本来持つ抵抗力や自然治癒力を高めるはたらきも。
鍋に入れたりおひたしにするのが一般的な食べ方だと思いますが、実は生でサラダにしてもとてもおいしくておすすめですよ。
ケール
生のケールを手に取ることはそんなにないかもしれませんが、サラダにして食べるとその苦味がよくわかります。
ケールは食物繊維の宝庫。かつ消化を促進する効果もあり、健康をサポートしてくれる食材であると言えます。
ケールはビタミンやミネラルが豊富で、高い抗酸化作用が魅力です。また肝臓の健康状態を整えるのに役立つ、植物由来のグルコシノレートも含んでいます。
さらに腸内環境を整えるプロバイオティクスも含まれており、これが消化を助ける腸内バクテリアの数を増大させます。
ケール食べることで体内の悪玉コレステロールを排出し、コレステロール値を下げるとも言われています。
ルッコラ
ケールの親戚であるルッコラには、ビタミン・ミネラル・抗酸化物質のほか、食物繊維も多く含まれています。
ルッコラにもケールと同じグルコシノレートという苦味成分が含まれており、消化の促進を助けてくれます。
グルコシノレートとは「天然の農薬」とも言われるほどで、植物をあらゆる動物や害虫の被害から守ってくれているものなのです。
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苦味のある野菜を美味しく食べる方法
こどもが苦い野菜を食べない、でも体にいいので食べさせたい、ということもあると思います。そんなときのための簡単な対処法をご紹介します。
みじん切りにする
まずできるのは、入っているかわからないくらいに細かくすることです。みじん切りやすりおろし、また崩れて形がなくなるくらい煮込むのもおすすめ。
大抵の人やこどもはカレーやシチュー、ハンバーグなどが好きですよね。ここに見えないように混ぜてしまいましょう。
苦味が他の強い味に隠れてしまえばわかりませんし、目に見えなければ案外気付かれないものです。
これが問題なく食べられるようになれば、無意識にでも味に慣れてきます。そうなれば苦手意識の克服にも役立ちますよね。
好きな食べ物と組合わせる
大人であれば自分の意思で栄養バランスを考えて食べることができますが、こどもにはまだそれができません。好きなものだけを食べてしまうのは当然のことです。
ですが好きなものを食べる前に、コース料理のように野菜料理から順番に出してみるのはいかがでしょうか。
好きなおかずを出す前に「ひと口だけ食べてみよう」と促してみてください。ただしひと口食べることができたら、オーバーなくらいに褒めてあげてくださいね。
また大人がおいしく食べる姿を見せることも重要です。こどもは大人の真似をしたがるので「おいしいよ」と伝えて食べる見本を見せてあげることで、野菜への興味に繋がります。
大人が隣で嫌いなものを食べないのに、こどもだけに食べさせるなんていうのは無理な話です。まずは自分からですね。
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まとめ
苦い食べ物がどれほど体にいいのか、伝わりましたか?
この記事をまとめると
- 苦みは体にいい証拠!体内の毒素を排出するはたらきがある
- 苦い食品が苦手なのは本能によるもの
こどものうちの苦手意識は、当然その後の食生活にも影響を及ぼします。早いうちに慣れることができれば大人も安心ですよね。
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