お茶や料理に、またアロマオイルやスキンケアにと、日本でも人気のカモミール。あの、りんごのような爽やかな香りが好き、という方も多いのではないでしょうか。実はこのカモミール、何種類かあるのをご存知ですか?そこで今回は、
- カモミールってどんなもの?
- こんなにあった!カモミールの種類
- どうやって見分ける?ジャーマンカモミールとローマンカモミール
について、ご紹介させていただきます。
スポンサードリンク
目次
|
|
カモミールってどんなもの?
まずはこのカモミール、どんなハーブなのでしょうか。
カモミールとは
カモミールは、元は西ヨーロッパやアジア北部が原産のキク科の植物ですが、現在では世界中でハーブとして利用されています。
小さいデイジーのような、白い花びらと黄色の花托をもつ可憐な花をつけます。
カモミールという名前の語源は、ギリシャ語で「大地のりんご」。その名の通り、りんごやパイナップルを思わせる、フルーティーな香りがします。
繊細で優しい香りとは裏腹に、寒さや風雨に強く、踏まれても枯れない丈夫さを持つカモミールは、古くから安眠や鎮静、消化促進などに幅広く利用されてきました。その歴史はなんと4000年を越え、世界最古のハーブとも言われています。
カモミールの日本語名
世界中で栽培されているカモミール、日本では、江戸時代末期にオランダから伝わったとされ、薬として民間に広まりました。
オランダ名の「カミルレ(kamille)」がなまって、「カミツレ(加密列)」と呼ばれ親しまれたカモミール。今でもゲームのキャラクター名などに使用されるなど、日本語名に馴染みのある方も多いかもしれませんね。
スポンサードリンク
カモミールの種類
そんなカモミール、実は同じ名前で呼ばれる植物が数種類、存在しているんです。中でも、日本でもよく栽培されている品種をご紹介します。
ローマンカモミール
学名:Chamaemelum nobile
分類:多年草
春から秋にかけて花をつけ、成長しても草丈は25cmに届かないほど。踏まれても枯れない丈夫さから、グラウンドカバーとしてもよく利用される種類です。
花だけでなく、葉や茎にも香りがあり、上を歩くとあのりんごのような爽やかな香りが立ち上ります。
多年草ですので、冬は地上に出ている部分が枯れてしまいますが、次の春にはまた芽吹いて花をつけます。
鎮痛作用があり、頭痛や筋肉痛を緩和してくれます。また、抗炎症作用や抗アレルギー作用を持ち、花粉症などの症状を和らげてくれます。リラックス効果も高く、眠れないときなどにお茶にして飲むと安眠できるといわれています。
ジャーマンカモミール
学名:Matricaria chamomilla
種類:一年草
ジャーマンカモミールは、その名の通り、ドイツで古くから薬用として利用されてきたカモミールです。一年草ですが、こぼれ種によって増え、毎年花を咲かせてくれます。
またの名をブルーカモミールと呼ばれるジャーマンカモミール。これはエッセンシャルオイルを作る過程で、アズレンという物質が青い色が生成することから名づけられました。このアズレンには抗炎症作用があり、塗り薬や化粧品、香水などにも広く使われています。
また、高い鎮静作用があり、ストレスによる緊張をほぐしてくれます。健胃作用があることも知られており、胃の働きを良くして消化を促してくれます。
ノンフラワーカモミール
学名:Chamaemelum nobile ‘Treneague’
分類:多年草
ノンフラワーカモミールは、ローマンカモミールが園芸用に改良された品種です。その名の通り、花をつけにくい品種ですが、上を歩くとカモミール特有の甘い匂いが強く香ります。
寒さや乾燥にも強く、香りも良いため、ヨーロッパなどで人気があり、芝生のように使われます。湿度の高くなる日本では栽培が難しく、芝生として利用されることはあまりありません。
ダイヤーズカモミール
学名:Anthemis tinctoria
種類:常緑多年草
ダイヤーズカモミールは、初夏に鮮やかな黄色の花を咲かせます。ジャーマンカモミールとは別の種類、ローマンカモミールとは比較的近い種類ではありますが、花の形状が似ている程度で、香りもあまりありません。ハーブとしての利用も少ないですが、寒さに強く、キレイな花をつけ、葉や茎とのバランスも良いため、観賞用として人気の植物です。
スポンサードリンク
ジャーマンカモミールとローマンカモミールの見分け方
ジャーマンカモミールとローマンカモミール、見た目はそっくりですが、実は別の品種の植物です。この2つ、見分けるにはどうすればいいのでしょうか。いくつかポイントに分けてご紹介します。
花
花の形状は非常に似ており、どちらも小さなデイジーのような花をつけます。
中央に黄色の花托があるのも同じですが、ジャーマンカモミールはこの花托が、成長の過程で盛り上がるように突起します。対してローマンカモミールの花托はそれほど盛り上がりません。
香り
ジャーマンカモミールとローマンカモミールの1番の違いは香りです。
ローマンカモミールのところでも書きましたが、ローマンカモミールには、花だけでなく、葉や茎にも香りがあります。
対してジャーマンカモミールには、花にしか香りがありません。
葉を少し擦ってから、指を嗅いでみてください。甘い香りがあれば、ローマンカモミールです。
長さ
ローマンカモミールは地面に広がるように成長し、大きくなっても草丈は25cm程にしかなりません。対してジャーマンカモミールは上に伸びるのが特徴。成長すると50cm程になることもあります。
ローマンカモミール | ジャーマンカモミール |
スポンサードリンク
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事をまとめると
- 世界最古のハーブとして世界中で親しまれているカモミール、「大地のりんご」と呼ばれる甘い香りが特徴的
- 日本でカモミールと呼ばれる植物は主に、ローマン、ジャーマン、ノンフラワー、ダイヤーズの4種類
- ハーブや民間薬として利用されるローマンカモミールとジャーマンカモミール、花の形や香りで見分けよう
普段、何気なく耳にしているカモミール、こんなに種類があったなんて驚きですね。次にもし見かけることがあったら、花の形や草の丈にも注意して見てみようと思います。新しい発見があるかもしれませんね!
スポンサードリンク