水飴やねり飴と聞くと、昔ながらのおやつとして、駄菓子屋さんやお祭りの屋台に並んでいるイメージを持たれるかと思います。
皆さんはどういったものから作られているか、またいつ頃から親しまれてきているのかなど、ご存知でしょうか?そこで今回は…
- 水飴とは?
- ねり飴とは?
- 水飴とねり飴の違いとは?
- 水飴やねり飴は体に悪い?
についてご紹介をしていきます。
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目次
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水飴とは?
水飴は粘りけのある液状の甘味料で、飴をつくるのに欠かせない原料となります。原料や製法によって無色透明のものもあれば、褐色に色づいている水飴もあるようです。
糖分濃度が高く、液体のように見えて水分量が少ないのが水あめです。市販品では飴玉のように個包装ではなく、瓶やパウチなどの容器に入れられています。
原材料
水飴は穀物や芋類などに含まれるでん粉が原料となり、ブドウ糖、麦芽糖、デキストリンなどが混ざってできた甘味料です。
製法の異なる酸糖化飴と酵素糖化飴の2種類に分けられ、酸糖化飴とはシュウ酸や塩酸でデンプンを酸分解して作られるもので、今日水飴と呼ばれるものの多くは酸糖化飴のようです。
酵素糖化飴はデンプン分解酵素から麦芽を使用した麦芽飴と、酵素剤を用いて作られた水飴となります。
用途・使い方
飴を作るための原料として使われるほか、ジャムやアイスクリームなどの食品の加工や、料理の調味料として使われ、水飴を使うことで料理などにコクや光沢を与え、口当たり良く仕上げることができます。
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ねり飴とは?
ねり飴とは、粘りけのある液状の水飴を割りばしの先にからめ、空気を含ませながら練って食べる飴のことです。
原材料
駄菓子として販売されているねり飴の原材料は、主に水飴、砂糖、香料、着色料といったものが原材料となります。
用途・使い方
お祭りや駄菓子屋さんでは子どもから大人までとても人気のねり飴ですが、正しい食べ方についてはご存知ですか?
ねり飴は割箸のような2本の木の棒が一緒になっていることがほとんどで、その木の棒を使い、空気を含ませるようにこねて、ある程度固まってから食べるのが一般的です。
飴は蜂蜜よりも粘り気が強く、コーラ味やソーダ味、ブドウ味やイチゴ味といった様々なフレーバーもあり、味によって色に違いがあることも子どもたちに人気なポイント。
練るという動作が行われるのは、子どもの楽しみであるから。というのも理由の一つだそうです。練った飴は少し硬くなるため、口のなかでゆっくりと転がして味わうと良いようですよ。
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水飴とねり飴の違いとは?
原材料や用途・使い道をご紹介してきましたが、ねり飴の原料ともなる、やわらかな液状の飴のことを水飴、食べやすいように硬くするために割りばしで練ったもののことをねり飴といいます。
ねり飴ももとは水飴であり、水飴は液体、ねり飴は個体となったものと考えると良いかもしれません。
飴の歴史
ここで一度、飴の歴史についてをお伝えしていきます。
文献上で飴と思われる記述が見られたのが762年(天平宝字6)「食物下帳」の一文で、白米を原料として煮糖することが記されていたそうです。この糖とは現在の飴を表しています。※1
平安時代の「和名類聚抄」に、飴は「麦もやしからつくる」という記述や「炒った米を蜜(水飴)とまぜてつくる」と言うことが記されていたことから、すでに水飴を使用したお菓子があったということもわかっています。
またその時代は貴族の生薬として、漢方の地黄と水飴をまぜて練った地黄煎を服用していたのだそう。
この頃は飴が非常に高価なものであり、間食として食べられることはなく、生薬としてのほか、お供えや租税、調味料として主に用いられていたそうです。水飴の時代は長く、古代から戦国時代まで続いたそう。
会津若松(福島県)や、東海道の佐夜の中山(静岡県)には、子持ち幽霊が乳がわりに飴を買いにきたという伝説もあるそうです。※2
参照元※1コトバンク>飴※2京都綾小路>飴のお話
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水飴やねり飴は体に悪い?
続いて水飴やねり飴の身体への影響についてです。水飴は使っている材料によって身体への影響も変わってきます。今回は麦芽水あめと、還元水あめというものに注目してご紹介をしていきます。
麦芽水あめ
麦芽水あめはデンプン麦芽で分解して製造された水あめです。甘さは水飴の中でも控えめで、お砂糖を使用していないことから、自然の甘みを味わえることが特徴。
血糖値の上昇を緩やかにしてくれる効果があり、栄養価も高いため、昔は薬として使用されるほど、健康にはむしろ良い水あめの種類です。
還元水飴
還元水飴とは、純粋な水飴ではなく、水飴に水素を加え、糖アルコールと変化させたもの。さて、こちらの身体への影響はどうなのでしょうか?
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ダイエット中
還元水飴は実はカロリーの低い甘味料。還元水飴の糖分は難消化性糖質のといって体内に吸収されにくいため、100gあたり230~340カロリーとなり、砂糖の2/3程度のカロリーとなっているそうです。
そのため近年では、甘みはあってもカロリー摂取を抑えられるダイエットシュガーなどの甘味料として、還元水飴が使われています。
血糖値
還元水飴は血糖値の上昇を抑える効果もあります。摂取しても血糖値が上がらないので、血糖値を気にする方にも食べられるものです。
このように、還元水飴もカロリー制限や糖尿病の予防などに役立ち、健康には良い食べ物ということがわかりました。
もちろん、カロリーが低いからといって食べ過ぎは厳禁。疲れたときなどに甘いものが食べたくなった場合には適量を守ることが大切です。
また、より身体に優しい水あめを食べたい場合には、還元水飴ではなく麦芽水あめなどの自然のものが原材料として使われているものを選ぶようにすると良いかと思います。
まとめ
水飴、ねり飴の原材料や使い方、また飴の歴史についても触れました。あまり知られていない身体への影響についてもご紹介をしましたがいかがでしたでしょうか。
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この記事をまとめると
- 水飴は穀物や芋類などに含まれるでん粉を原料とした、粘りけのある液状の甘味料
- 液体状で食べづらい水飴を、割りばしなどで空気を含みながら練ったもののことをねり飴という
- 水飴は歴史が古く、平安時代から存在し、当時は非常に高価なものとして、生薬や、お供えや租税に、また調味料として主に用いられていた
- 水飴にはデンプン麦芽を使った自然の甘みを味わえる麦芽水あめ、水あめに水素を加え糖アルコールに変化させた還元水飴がある
- 還元水飴は血糖値の上昇を抑え、カロリーも低いことから、健康への悪影響はないが、食べ過ぎには注意が必要
最近ではあまり水飴やねり飴を食べるということは減りましたが、健康へのメリットもあるため、この機会にお料理に取り入れてみるのも良いかもしれませんね。
水飴は種類によっても栄養価が異なるため、水飴を購入する際は、原材料は何が使われているかなど、ご自身で確認をして選ぶようにしてみてくださいね。
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