な見た目と丸いフォルム、甘酸っぱい味わいが大人気のいちごには、たくさんの品種があります。今回はその中でも店頭で見かけることの多い「とちおとめ」と「あまおう」についてです。
- とちおとめの特徴
- あまおうの特徴
- 他のいちごとの違い
スポンサードリンク
|
|
とちおとめの特徴は?
いちごの中でも特に目に触れる機会の多いとちおとめ。実はとちおとめが誕生するまでは、東日本のいちごの代表品種は「女峰(にょほう)」でした。
果皮が濃い赤色で色が美しく、甘味と酸味をしっかりと感じられる味わいが人気でしたが、酸味がまろやかで甘味の強い品種が続々登場し、栃木県でもいちごの品種改良が進んでいったそうです。
結果として女峰の特性である鮮やかな色や形のよさを受け継ぎながら、粒を大きく、甘味は強く、果汁の多いいちごを作り出すことに成功。生産量は徐々にとちおとめが上回っていきました。
買ってきたとちおとめは水気がついていれば拭き取り、洗わずにヘタもついたまま冷蔵庫で保管します。下の段のものから傷みやすいので、気になるようなら平たいお皿に移し替えましょう。この状態で3~5日は日持ちがしますよ。
産地
とちおとめは主に栃木県で栽培されていて、産地はその名前の由来にもなっています。
店頭には11月頃から並び、翌年の6月頃まで出回ります。特に1月から4月頃がピークとされており、この頃のとちおとめが一番おいしいと言われています。
またいちごの中では比較的手頃な価格で購入できるため、手に取る機会も多いと思います。
現在栃木県で生産されているいちごの9割以上が、なんとこのとちおとめだそうです。とちおとめは全国的に見てももっとも多く作られている品種で、東日本ではシェアNo.1を誇っているそうです。
市場に出回っているとちおとめの中でもっとも多いのは栃木県産で、全体のおよそ80%を占めています。次いで茨城県産がおよそ14%、他には千葉県産や愛知県産のものもあります。
大きさ
とちおとめは一般的に大きめで形がよく、鮮やかな赤色がとてもきれいな品種です。果肉が詰まっているのでしっかりとした歯ごたえがあり、比較的日持ちがするのも魅力のひとつとされています。
そんなとちおとめを選ぶポイントには3種類あります。
①色、ツヤ
まずは果肉の色ツヤを確認しましょう。全体的に鮮やかな赤色でツヤのあるものが、甘味が強くおいしいとちおとめです。
いちごは収穫後は追熟しないので、店頭に並んだあとはそれ以上甘くも赤くもなりません。ヘタ周りまで赤くなったものがしっかりと熟しているサインなのです。
②ヘタ
ヘタは濃い緑色で先が尖り、元気に反り返っているものを選びましょう。ヘタがしおれていたり変色しているものは収穫してから時間が経っている証拠で、鮮度が落ちている可能性が高いです。
③傷、香り
形や大きさは味とはあまり関係がありませんが、傷がついていたりしないかは確認しておきましょう。傷があるとそこから早く傷むので気を付けます。
またとちおとめは収穫してすぐのものはとても強い甘い香りがするので、鮮度を見極めるための判断材料として香りを重要視することもあるそうですよ。
味
とちおとめの味の特徴は糖度が高く適度な酸味を持っていることです。口に含むと甘い香りがふんわりと漂い、豊富な果汁が口いっぱいに広がります。
甘ずっぱい、というのが最適な表現でしっかりとした甘さと適度な酸味を楽しめる、とてもバランスのいい味なのです。
またとちおとめに限った話ではありませんが、いちごは一番おいしい状態で食べるためのポイントがいくつかあります。
- 常温にもどす
- ヘタはつけたまま水洗いする
- 2~3日で食べきる
いちごは冷蔵庫で保管しますが、食べる前には常温にもどした方がより甘味を感じることができておすすめです。
また洗う前に先にヘタを取ってしまうと果肉が弱りやすくなり、いちごに含まれているビタミンCが流れ出てしまいます。そのためヘタは食べるときに取るようにしましょう。
いちごはあまり日持ちがしないので、2~3日で食べきりましょう。他の品種に比べてとちおとめは日持ちがする方ですが、時間が経つとどうしても乾燥してしまうため、やはり早めに食べきるのがベストです。
スポンサードリンク
あまおうの特徴は?
それではよく耳にする「あまおう」についてもご紹介しておきます。とちおとめとはどのように違うのでしょうか?
産地
あまおうは福岡で誕生したいちごの品種です。この名前にはあまおうの特徴を示す4つの言葉の意味が込められています。それは
あかい
まるい
おおきい
うまい
この4つの言葉の頭文字をとってあまおうと名付けられました。「あ」は「あまい」と言われることが多いのですが、正しくは「あかい」なのです。ご存知でしたか?
大きさ
その名の通り粒がとても大きいのが特徴で、20gを超える大粒のものも多く見られます。またヘタ付近が丸みを帯びてかわいらしい形をしています。
あまおうがデビューした当時、九州産のものではすでに「さちのか」や「さがほのか」が優良品種として有名でした。ですがあまおうの外観や食味がとてもよかったことから徐々に需要を伸ばし、今では巨大なシェアを維持するまでになっています。
味
あまおうはとても甘いことで有名ですが、実は糖度はとちおとめの方が高いそうです!驚きですね。
あまおうはその奥深い甘さを特徴としています。酸味と甘味の調和、ジューシーな果汁と硬めの果肉、そして奥深い甘さ。この条件がそろうことであまおうという品種の高級感を表現しているのです。
いちご界ではとちおとめが「東の横綱」、あまおうは「西の横綱」と呼ばれているほどですが、どちらもメジャーな品種でスーパーやデパートなどで手に入れることができます。
糖度はとちおとめの方が高めですが、あまおうは深みのある濃い味わいから、食べると実際の糖度よりも甘く感じます。
とちおとめは定番の品種なので価格帯も標準、あまおうは高級品種であることが多いです。とちおとめは大きめで締まった果肉、あまおうは丸く大きく硬めの果肉を持っています。
スポンサードリンク
その他いちごの特徴
その他にもいちごにはたくさんの品種があります。中でもとちおとめに関係したいちごをご紹介します。
スカイベリー
スカイベリーは栃木県生まれで、とちおとめの後継品種だと言われています。栃木県にある「皇海山(すかいさん)」がその名前の由来。
とちおとめよりも大きくきれいな円錐形で、25g以上の果実の発生割合が6割を占めるという、きわめて大きな果実のいちごです。
少し硬めの果実で、色鮮やかで光沢があり、病気や寒さに強いという特徴もあります。酸味が少なく上品な甘さでほどよい果汁を含んでおり、ジューシーでまろやかな味わいです。
17年もの時間を研究に費やして誕生したスカイベリー。とちおとめに比べるとまだまだ希少な品種で、聞いたことがない人も多いでしょう。そのためスーパーなどでは少し高めの価格設定になっています。
チェリーベリー
チェリーベリーといういちごの種類をご存知ですか?チェリーベリーはいちごの代表的な品種であるとちおとめの、つるの付いたものの名前なのです。
この「チェリーベリー」は品種ではなく商標。品種はとちおとめです。つるがついていてその名の通りチェリーのような姿は、見た目にかわいいだけでなく傷みにくいという利点もあるのだとか。
流通量が少ないので、どこかで見かけたらぜひ食べてみてくださいね。
スポンサードリンク
まとめ
これまで何気なくいちごを食べていた方も多いのではないでしょうか?
この記事をまとめると
- とちおとめとあまおうは、味や姿かたちに違いがある
- とちおとめは「東の横綱」、あまおうは「西の横綱」と呼ばれている
- とちおとめに関連する他のいちごもある
ぜひいちごの特徴を理解して色々と食べ比べてみてくださいね。もっとも自分好みのいちごとの運命的な出会いがあるかもしれませんよ。
スポンサードリンク