お花見といえば「桜」ですが、かつては桜ではなく「梅」だったことをご存知ですか?現代で梅のお花見はあまりありませんが、お花見の対象となるほど人々に親しまれてきたのが梅なのです。
そんな梅は、文様としても家紋としても人気がありました。桜紋よりも種類が豊富で、使用していた家も沢山あるのです。また、梅紋と梅鉢紋がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?
今回は、「梅紋」の意味や由来、「梅紋」と「梅鉢紋」の違いについてご紹介したいと思います。
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梅紋の意味・由来とは?
読み方 | うめもん |
家紋の分類 | 植物紋 |
>>家紋辞典で他の家紋もチェック<< |
梅は、万葉集の中で8世紀になってから歌が見られようになったため、7世紀後半までに大陸に渡った遣隋使や遣唐使、僧侶が苗を持って帰り、その後普及したものと考えられています。
万葉集が編纂された奈良時代のお花見というと桜ではなく梅でした。 日本では奈良時代にはすでに文様として使われていました。
また、梅と言えば天神様と関わりが深く、たいていの天神様の境内には梅が植えられています。天神様に祀られた菅原道真が梅を愛していたことが理由なのではないかと言われています。
そして 「松竹梅」というように、梅はかつてから縁起の良いものとされてきました。
戦国時代には美濃の斎藤氏などが梅紋を使用し、徳川時代には前田氏、松平氏など多くの家が使用していました。
神社では、東京の湯島天神・京都府の北野天満宮・福岡県の太宰府天満宮が神紋に梅を使用しています。
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梅紋の家紋の種類解説
梅の花 |
丸に八重梅 |
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上がり藤に梅の花 |
梅鉢 |
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松竹梅竜胆 |
梅鶴 |
梅の紋様には大別して2つあり、写実的に梅の花を表現した「梅花紋」と、幾何学的に表現した「梅鉢紋」があります。梅鉢紋は、花の中心から放射状に伸びたラインが太鼓のバチに似ていることが由来しています。
<梅花紋>
まずはベーシックな「梅の花」があります。太宰府天満宮の神紋もこちらです。
梅の花をアレンジしたものでは、花弁が多いのが特徴的な「丸に八重梅」、三つ並べ華やかさのある「三つ盛梅」、藤の花と組み合わせた「上がり藤に梅の花」などがあります。
藤の花を使用した「藤紋」は別に存在するので、藤と梅をダブルで使用した紋はとても豪華な印象ですね。
<梅鉢紋> 梅鉢紋は花弁が丸で描かれたデザインで、梅の花ほどではないですが様々な種類があります。亀甲紋の中に入れた「一重亀甲に梅鉢」は力強い印象ですね。
「亀甲紋」も縁起が良いものとされていたので、亀甲×梅の縁起の良さにあやかって用いたのではないでしょうか。
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<変わり紋> また、珍しい梅紋には「松竹梅竜胆」や「梅鶴」があります。「松竹梅」はそれぞれ独立した紋が存在しますが、それを全て用いたデザインも縁起の良さに期待したのでしょう。
鶴×植物の紋は多くあり、梅の花から鶴の首が伸びた可愛らしいデザインです。
梅紋以外の花の家紋は何がある?
花をモチーフにした家紋は他にも沢山あります。代表的なものだと藤紋、葵紋、桔梗紋、菊紋、桜紋、菖蒲紋など。他にも色々あるので以下のページにてチェックしてみましょう。
花の家紋まとめ20選!家紋の種類一覧で解説スポンサードリンク
まとめ
奈良時代から文様として人気のあった「梅紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
桜よりも梅がお花見の定番だったのは意外でしたね。そのこともあってか、家紋としては桜紋よりも梅紋の方が遥かにメジャーなものでした。
梅紋にも様々なデザインが存在しているので、花を使用した紋の中でも人気の紋であったことがわかります。その他の花紋にも面白いものが沢山ありますので、是非チェックしてみてください。
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