春に紫色の小さな花を咲かせる植物、と聞いて何を思い浮かべますか?春の花には様々な種類がありますが、今回ご紹介するのは「菫(すみれ)」を描いた「菫紋」です。
小さく可憐な菫の特徴をそのまま絵にしたような繊細な紋で、いくつかの家で使用されていました。
それでは、「菫紋」の由来や種類、主な使用家などについてご紹介したいと思います。
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菫紋の意味・由来とは?
読み方 | すみれもん |
家紋の分類 | 植物紋 |
>>家紋辞典で他の家紋もチェック<< |
菫は、古くから身近で可憐な春の花として親しまれていました。春先に紫色の小さな花を咲かせるスミレ科の植物です。
「すみれ」という名前は、花の形が大工道具である「墨入れ(すみいれ)」に似ていたことが由来しています。現代の墨入れと見比べてみるとあまり似ているようには見えないのですが、当時は形が類似して見えたようです。
長州藩の毛利氏は10種類ほどの家紋を使用していましたが、その中で菫紋を替紋として使用していました。
また、中尾氏や増山氏などにも用いられており、名字がそのまま家紋の名前になっているものもあります。
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菫の家紋の種類解説
一つ菫 | 抱き菫 |
三つ菫 |
菫胡蝶 |
菫車 |
菫胡蝶2 |
毛利菫 |
増山菫 |
菫紋は、花だけではなく葉や茎など全体を描いたものがほとんどです。ベーシックな「一つ葉」に2本の菫を描いた「抱き菫」、3本で円形を描いた「三つ菫」など、菫の本数もそれぞれです。
家紋では複数のモチーフが集合して円形を構成するものを「◯◯車」というのですが、菫にも「菫車」という紋があり、車はかつての運搬手段でもあった牛車の車輪を表しています。
「菫胡蝶」は2種類あり、非常に微差なのですが葉の湾曲具合や、伸びる茎の向きなどに違いがあります。
使用家の名字がそのまま紋の名前に付いたものには、「増山菫」や「毛利菫」があります。この2家は菫紋を使用していた代表的な家です。
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菫紋以外の花の家紋は何がある?
花をモチーフにした家紋は他にも沢山あります。代表的なものだと藤紋、葵紋、桔梗紋、菊紋、桜紋、梅紋、など。他にも色々あるので以下のページにてチェックしてみましょう。
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まとめ
小さく可憐な花をモチーフとした「菫紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
菫が実際にどんな花なのか現代では知らない方も多くいらっしゃいますが、家紋としては上記のような種類を持ち、いくつかの家の紋として用いられていた花紋の一つです。
花だけではなく、全体を描いている繊細さも菫紋の魅力ではないでしょうか。
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