お雛様が持っている「扇」は、かつて特に女性のアイテムとして好まれていたものでした。その扇を家紋にした「扇紋」には、とても豊富なバリエーションが存在しています。
今回は、「扇紋」の意味・由来、そして種類を5つのタイプに分けてご紹介いたします。
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目次
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扇紋の意味・由来とは?
読み方 | おうぎもん |
家紋の分類 | 器物紋 |
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扇は中国から日本に伝わったものですが、扇子は日本で発明され、中国からヨーロッパまで広がりました。
扇は、風を送って涼を得るのが主な役目ですが、日本では「神を招く手段」として、扇が使われていました。
扇の語源は「あふぎ」で、神を仰ぐ(跪いて立つ人を見上げる)意味から、転じて、風を送り神を引き寄せる、おうぎになりました。
扇の末広がりの形も、縁起が良いとされています。 扇紋には、開き扇、たたみ扇があり、骨の数によって、三本骨、五本扇、七本扇などにも分けられ、数多くのデザインがあります。
武将佐竹義重の佐竹家では、黒い扇に白の日の丸をほどこした家紋が用いられていました。
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扇紋の種類いろいろまとめて解説
扇紋には非常に豊富なバリエーションがあるので、その中でも5つのタイプにけてご紹介します。
檜扇
檜扇 |
陰檜扇 |
丸に檜扇 |
檜扇(ひおうぎ)とは、宮中で使用された木製の扇のことを指します。女性が使用するものは「袙扇(あこめおうぎ)」とも呼ばれていました。
檜扇が誕生したと考えられているのは、奈良時代の終わりから平安時代の初めにかけた時期です。
儀式などの覚書を木簡(もっかん)持ち運んでいた役人によって考えられたのではないかと言われているアイテムです。
家紋としては華やかな印象で、垂れた飾りが特徴的です。一つ一つ扇のパーツが細かく描かれていますね。
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三つ扇
三つ扇 |
丸に三つ扇 |
丸に七本骨三つ扇 |
三つ扇は、3つの扇を円形になるように並べたデザインの紋です。どれも同じように見えますが、オーソッドクスな「三つ扇」に太い輪紋を合わせた「丸に三つ扇」、更にそれに扇の骨を増やした「丸に七本骨三つ扇」などの種類があります。
江戸時代に智恵伊豆と称された松平伊豆守信綱は、この「三つ扇紋」を使用していました。
日の丸扇
丸に日の丸扇 |
三つ日の丸扇 |
日の丸雁木扇 |
三つ日の丸雁木扇 |
日本の国旗の象徴でもある「日の丸」は、扇の中心に描くことで扇紋にも用いられていました。
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五本骨扇
五本骨扇 |
丸に五本骨扇 |
陰五本骨扇 |
下がり藤に五本骨扇 |
扇には支えている骨が付いていますが、その骨の本数によっても家紋の種類がいくつかありました。
基本形とされるのがこの「五本骨扇」で、他に三本や七本で描かれた扇紋もありました。
「下がり藤に五本骨扇」は植物の藤をメインに描かれていますが、よく見ると中に小さく描かれた扇の骨は、しっかり五本になっていますね。
扇が2つある家紋
丸に二階扇 |
重ね扇 |
丸に尻合わせ二つ扇 |
横重ね扇 |
これまでご紹介した中に3つの扇がモチーフになったものが登場しましたが、中には2つの扇で描かれたものもありました。
このように、扇紋は1つから3つほどの扇が描かれたデザインが豊富に存在していたのです。
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佐竹義重の家紋「五本骨扇に月丸」
「鬼佐竹」と呼ばれた佐竹義重の家紋「五本骨扇に月丸」と生涯を解説「鬼佐竹」と呼ばれるほどにすさまじい猛将ぶりを発揮した佐竹義重は、「扇紋」の中でも「五本骨扇に月丸」という家紋を使用していました。佐竹氏がこの家紋を使用するようになった理由は、平家軍だった佐竹家が源頼朝に領地を没収された後に、頼朝とともに戦に出ようとしたときに「真っ白い旗が頼朝の軍と同じだった」ことからとされています。
紛らわしいことを回避するために、旗の上に扇をつけたことがはじまりだそうです。
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共に描かれた「月」とは
また、扇の中心に描かれている「月」には「月紋」という家紋も存在し、伊達政宗などの武将たちも月を信仰し、その信仰心から家紋に用いられるようになりました。
詳しくはこの記事をチェック!
上記の記事では「月紋」の種類などについて詳しくご紹介していますので、合わせて見てみましょう。
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扇の中に貼る紙を描いた「地紙紋」もある!
扇そのものを描いた扇紋について紹介してきましたが、家紋の中には扇の骨に貼る土台のような紙「地紙(じがみ)」をモチーフとした「地紙紋」という紋も存在します。
詳しくはこの記事をチェック!
どのような家紋だったのかは、上記の記事で確認してみましょう!
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まとめ
扇をそのまま描いた「扇紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
扇紋にはあらゆるバリエーションがあり、今回ご紹介した以外にも面白いデザインのものが多数ありますので、是非ご自身でも扇紋の種類について詳しくチェックしてみてくださいね。
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