【家紋】亀甲紋の意味・由来とは?浅井長政が使用した三つ盛亀甲

「鶴は千年、亀は万年」という言葉がありますが、かつてからどちらも縁起の良い生き物とされてきました。そんな亀の甲羅をモチーフにした「亀甲紋」という家紋があります。

後ほど文中でご紹介しますが、現代に生きるみなさんも一度は生活の中で目にしたことがある紋です。

今回は、「亀甲紋」の意味や由来、他のモチーフと合わせて構成される紋の種類や、代表的な使用者である浅井長政の歴史についてご紹介します。

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亀甲紋の意味・由来とは?

読み方 きっこうもん
家紋の分類 幾何紋
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亀甲は六角形の枠型をした模様で、その名の通り「亀の甲羅」に似ていることから付けられました。

「鶴は千年、亀は万年」と言うように亀は「長寿のシンボル」とされ、亀甲紋は縁起の良い紋として平安時代に衣服や調度品に付けることが流行しました。


また、かつては亀の甲羅を焼き、その割れ方によって神の意向を占うこともありました。

紋としては、亀甲のみで使用することは少なく、中に他の紋を入れて組み合わせて使用される方がメジャーです。亀甲紋の全てが、六角形の尖った角が上にくるデザインとなっています。

亀甲紋で現在でも馴染みのあるのは醤油で有名なキッコーマンです。キッコーマンのロゴは、亀甲の中に「萬」の文字が入ったものが用いられていますが、これも「鶴は千年、亀は万年」という言葉に由来しています。

このように亀甲は縁起が良いものとされており、出雲大社、厳島神社、香取神宮の神紋にも亀甲紋が用いられています

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亀甲の種類解説

では亀甲紋にはどのような種類があるのか、いくつかピックアップして見ていきましょう。

亀甲紋は中に他のモチーフを入れることで沢山のバリエーションが存在していますが、中でもよく見られるものをご紹介したいと思います。

亀甲花菱

亀甲に花菱

亀甲に剣花菱

亀甲に四方花菱

三つ盛亀甲に花菱

亀甲紋の中でも多く見られるデザインは、亀甲の中に「花菱」を入れた紋です。花菱は、4つの花弁を菱のように構成したモチーフで、個別に「花菱紋」も存在しています。

亀甲花菱にも様々な種類があり、一番オーソドックスなものは「亀甲に花菱」です。この紋は、三上藩の遠藤氏や、近江の片桐氏に使用されていました。

また、「亀甲に花菱」によく似た「亀甲に剣花菱」は花弁の間に剣のモチーフを挟んだデザインで、島根県の出雲大社の神紋に用いられています。「剣花菱」は、神が宿る依り代とされていたため、この紋が用いられたと考えられています。

亀甲×花菱の紋は他に、菱形ではなく四方形の花菱を入れた「亀甲に四方花菱」や、亀甲に花菱3つで構成される「三つ盛亀甲に花菱」などの種類があります。

三つ盛り亀甲に花菱の主な使用者には、近江直続や二階堂氏があります。出雲大社の神紋に用いられていることもあり、出雲地方に多く見られる紋のようです。

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亀甲に梅鉢

亀甲に梅鉢

一重亀甲に梅鉢

また、同じく亀甲の中に花を入れたものに「亀甲に梅鉢」と「一重亀甲に梅鉢」があります。

どちらもよく似たデザインですが、よく見ると一重亀甲には内側の白いラインがなく、平たい印象の紋となっています。中の梅に関しては、どちらも5枚の花弁を用いた花型のデザインです。

「梅紋」という独立した紋の種類がありますが、梅は天神信仰と深い関わりがあると言われています。



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浅井長政が使用した三つ盛亀甲

浅井長政の家紋について|織田信長の妹・お市と結婚し美人三姉妹を生んだ戦国武将

織田信長と親戚関係にあった浅井長政は、「三つ盛亀甲紋」を使用していました。資料によって亀甲の中に入るモチーフは「花菱」「剣花菱」「花角」など様々で、一様ではありません。

29歳にして人生を終えた浅井長政の詳しい情報については、上記の記事でご紹介しています。

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まとめ

亀が長寿であることから縁起の良いものとして紋に取り入れられていた「亀甲紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

亀甲紋単独では枠型の紋ですが、中に別のモチーフを入れたり複数合わせることで、印象強い紋のデザインが多数存在しています。

キッコーマンにも関わりがあることがわかると、親近感が湧くかもしれません。出雲大社や厳島神社の神紋にも用いられているため、由緒正しい紋でもあります。

出雲地方では他の神社の神紋としても多く用いられているので、訪れる機会があれば是非探してみてください。

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