家紋には「生き物」を持モチーフにしたものが様々ありますが、「貝」を使った家紋をご存知でしょうか?
貝の中ではあまり知られていない名前なのですが、「板屋貝」をモチーフとした「板屋貝紋」という家紋があります。武士に好まれたそうなのですが、一体どのような貝なのでしょうか?
今回は、「板屋貝紋」の由来・意味・種類や、同じように武士に好まれたある家紋についてもご紹介いたします。
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板屋貝紋の意味・由来とは?
読み方 | いたやがいもん |
家紋の分類 | 動物紋 |
>>家紋辞典で他の家紋もチェック<< |
板屋貝は帆立によく似た10cmほどの二枚貝で、山陰地方や九州の沿岸に生息する食用としても用いられる貝です。
家紋には江戸時代から使用されるようになりましたが、発祥は不明とされています。「シャク貝」や「イタラ貝」とも呼ばれていました。
貝殻が扇を広げたような形状で、放射状の線と斑点があり、その特徴はそのまま家紋にも活かされています。
また、その形が兜にも似ていることから武士の家紋として用いられたり、名字に「貝」のつく藤原氏流の久貝氏などに用いられました。
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板屋貝紋の種類いろいろまとめて解説
板屋貝 |
丸に板屋貝 |
糸菱に覗き板屋貝 |
割り板屋貝 |
二葉板屋貝 |
亀甲地抜き板屋貝 |
三つ尻合わせ板屋貝 |
五つ板屋貝 |
生き物をモチーフとした家紋は複数ありますが、貝を使用したものは「板屋貝紋」のみとなっています。
板屋貝紋は1個から5個ほどの板屋貝で構成されており、特徴の一つでもある斑点が細かく描かれています。
しかし中には、「二葉板屋貝」「亀甲地抜き板屋貝」「五つ板屋貝」のように斑点はなく、シンプルな貝に描かれているものもあります。
こうして家紋を並べてみると、板屋貝が武士の兜のようなデザインになっていることがわかります。兜は武士にとって欠かせないものだったので、それに似た板屋貝紋が好まれたのは納得です。
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兜に似ているとして好まれた他の家紋は?
板屋貝紋は貝の形が兜に似ていたため武士に好まれていたわけなのですが、同じ理由で武家の間で人気だった家紋に「蟹紋」があります。
蟹は硬い甲羅と大きなハサミを持っているのが特徴ですが、この姿を兜と重ね合わせ、強さや権威を示す家紋として多くの武士に用いられていました。
板屋貝は江戸時代に使用されていた家紋ですが、蟹紋が流行していたのは戦国時代の頃なので、蟹紋の方がより早く武士に使用されていました。
詳しくはこの記事をチェック!
上記の記事では「蟹紋」について詳しくご紹介していますので、合わせてチェックしてみましょう。
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まとめ
姿形が武士の「兜」に似ていることから人気となった「板屋貝紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
武士に好まれたことはわかっているものの、その発祥については不明となっているのが不思議ですね。武士は戦いに勝利するための縁起を理由に家紋を決定することがありましたが、そういったことについて知るのも面白いですね。
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