「菖蒲」は「あやめ」とも「しょうぶ」とも読みますが、文様として人気のあった花の一つです。
邪気払いとしても使用された菖蒲ですが、家紋としてはあまり人気がなかったようなのです。「菖蒲紋」には、一体どのような意味合いがあるのでしょうか?
今回は、紫色の花を咲かせる菖蒲をモチーフとした「菖蒲紋」の意味や由来、種類やその他の花の紋についてご紹介しまいと思います。
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菖蒲紋の意味・由来とは?
読み方 | あやめもん |
家紋の分類 | 植物紋 |
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菖蒲は「あやめ」や「しょうぶ」と読みます。邪気払いの植物として知られ、中国から伝来した「端午の節句」という行事には欠かせないものでした。
特に男性にとって縁起の良いものとして、端午の節句には軒先に菖蒲をかけて厄除けとしていました。
平安時代から文様に使用されるようになり、「菖蒲(しょうぶ)=勝負、尚武」に通じることから家紋に用いられるようになったと言われています。
しかし家紋としての使用例は少なく、あまり有名ではありません。 大野氏や菖蒲氏が使用していたことはわかっています。
また、菖蒲革という鹿の革でできた革には菖蒲模様が施され、馬具や武具に用いられていました。戦勝を祈願する意味が込められていたそうです。
家紋として用いられることは多くなかった菖蒲紋ですが、菖蒲革以外にも陶器などの焼き物の絵柄として広く好まれていました。
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菖蒲の家紋の種類解説
丸に菖蒲 | 糸輪に菖蒲革 |
菖蒲は家紋としての使用例が少ない上に、紋の種類についても情報が少なく、上記の2つが代表的な菖蒲紋となっています。
「丸に菖蒲」と「糸輪に菖蒲革」と言い、どちらも丸で囲まれたデザインですが「丸」と「糸輪」という表現で異なっています。
どちらも「輪紋」と組み合わせたものなのですが、輪紋は輪の太さや形によって呼び方が異なりのが特徴です。
「丸に菖蒲」の輪は太めの輪で描かれていますが、「糸輪に菖蒲革」はとても細い輪で描かれています。このように細い輪を「糸輪」と呼び、菖蒲以外の紋にも多数用いられています。
輪紋は、本家と分家を区別するためや、デザイン的にバランス良く見せるために組み合わせられますが、菖蒲紋に関しては使用家が少なかったため、デザインを良く見せる上で用いられたのではないでしょうか。
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菖蒲紋以外の花の家紋は何がある?
花をモチーフにした家紋は他にも沢山あります。代表的なものだと藤紋、葵紋、桔梗紋、菊紋、桜紋、梅紋、など。他にも色々あるので以下のページにてチェックしてみましょう。
まとめ
菖蒲の花をモチーフとした「菖蒲紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
文様としては武具にも用いられていたものの、家紋としては使用家が少なかったことがわかりました。
武具にも用い、「菖蒲(しょうぶ)=勝負や尚武」と言われていたけれど家紋としてはポピュラーでなかったのは不思議ですね。
花を使用した紋には他にも多数ありますので、是非上記の記事もチェックしてみてくださいね。
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