「山のうなぎ」とも呼ばれ古くから日本で食べられてきている山芋は、ネバネバ食材・栄養豊富な野菜としても知られていますよね。
お蕎麦・ご飯にトッピングするとろろや、短冊切りにして和え物・サラダにしたり、炒めて・煮込んでホクホク感を楽しむ事もできる山芋は美味しいけれど、調理の際や食べる際に痒くならないように注意する方も多いのではないでしょうか。
今回は、山芋を食べた時に起きやすい痒み・ピリピリとした刺激の考えられる原因について詳しくみていきますよ。
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目次
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やまいもを食べて体調に異変が
ここからは山芋を食べた際に起きる体調不良の原因を詳しく見ていきます。大きく2つの可能性があるとされ、山芋の食物アレルギーか食物アレルギー以外かが考えられます。主な症状もお伝えしますよ。
アレルギーの可能性
山芋での食物アレルギーが考えられるケースがあります。食物アレルギーの場合は、主に血液検査にて抗体を調べ経口負荷試験などの検査をし確定診断をされることが多いです。
食物アレルギーが疑われる時は多くの場合、食後2時間以内に皮膚の痒み・赤み・蕁麻疹・口や目の痒み・鼻水・くしゃみ・腹痛・嘔吐・下痢・咳・ゼーゼー・声枯れ・息苦しさ・顔色が悪い・血圧低下・ぐったり・意識障害などの症状が現れます。
更に重度な症状の場合は、アナフィラキシー症状・アナフィラキシーショック症状ともなる場合があります。
アレルギー以外の可能性も
山芋の食物アレルギー以外の可能性の場合、主に2つが考えられます。
- アセチルコリンの仮性アレルゲンによるアレルギーの様な症状
- シュウ酸カルシウムの針状結晶による肌への刺激や痒みの症状
①山芋に含まれる神経伝達物質・アセチルコリンが、自律神経失調症状・血管収縮・血圧上昇・血管拡張・全身の痒み・心拍数低下・血圧降下・動機・顔面紅潮・発汗・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢・気管収縮などを起こす場合があります。アレルギー反応ではありませんが、食後にアレルギー症状に似た症状が現れる場合があります。
これらを防ぐためには、山芋のアク抜きを行う・一度に多く摂取しない・体調不良の際に食べない・新鮮なものを選ぶなどを心がけると良いと考えられています。
②山芋に含まれるシュウ酸カルシウムの針状結晶が原因の場合は、山芋の皮剝きをしている時の手に刺激や痒み・とろろを食べた後に口周りが痒くなるなどが起きます。
肌の痒みや刺激を防ぐためには、加熱調理・山芋を酢水にさらすことが有効とされています。肌に山芋がついた部分の痒み・刺激以外の症状が見られる場合は、シュウ酸カルシウムの針状結晶が原因ではない可能性が高いと言えます。
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アレルギー以外が原因のときの症状
ここからは、山芋のアレルギーでなかった場合の症状について詳しく見ていきます。山芋を食べて、痒みなどが生じるとアレルギーかもと不安になられる方も多いのではないでしょうか。山芋には痒みの原因が、アレルギー以外にもありますので知っておいてくださいね。
かゆくなる
山芋の白い部分が肌に付くと、手や口の周りなどに痒みが出る場合があります。アレルギーでない場合は、部分的に痒くなるケースが多いので、痒い部分を冷やす・酢を付けて洗い流すなどが良いでしょう。
ピリピリする
山芋の保存期間が長くなったり温度が高くなると、袋の中で山芋が呼吸をし炭酸ガスを出します。特に真空パックにされている場合は炭酸ガスの逃げ道がないため、調理して食べるとピリピリとした刺激を感じることがあります。
食べても問題はありませんが、気になる場合は購入後に袋・真空パックから出して新聞紙などで包み冷蔵庫保存するのが良いでしょう。
肌荒れ
山芋を食べた際に口の周りに痒みを伴う赤み・かぶれが生じ、肌荒れする場合があります。この症状は一般的にかぶれと呼ばれ、接触性皮膚炎です。特に皮膚のバリア機能が低下している時に反応が起こりやすく、摩擦などによっても発症します。
保湿による皮膚ケアが大切な予防策になり、日頃のスキンケア・幼児や敏感肌の方は口周りにつかないように気をつけて食べるようにする・痒みが出た場合も掻くなどの摩擦や接触をさけ丁寧に拭き取るなどが良いでしょう。
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アレルギー以外の原因とは?
ここからは山芋のアレルギー以外に考えられる痒みなどの原因について詳しく見ていきましょう。原因を知っておくと、食べた際に違和感があっても安心です。ただし、症状の程度が重い・痒み以外に様々な症状が見られる・症状がなかなか良くならない場合などは、医師に相談されてくださいね。
シュウ酸カルシウムによる刺激
山芋にはシュウ酸カルシウムが含まれており、このシュウ酸カルシウム結晶の針のような形状をした結晶が肌に付着すると刺激・痒みを感じることがあります。特に、里芋・自然薯・長芋・大和芋などに多く含まれています。
特にすりおろした「とろろ」にするとシュウ酸カルシウムの細胞が壊れ、針状の結晶が飛び出しやすくなるため刺激を感じやすいとされています。
いちょう芋は特に刺激が強い
山芋とは品種名ではなくヤマノイモ科に属するイモ類の総称で、様々な品種があります。山芋の中でも、特にいちょう芋の皮の近くにはシュウ酸カルシウムの針状結晶が多く存在するため、素手で皮剝きなどをしている際に刺激・痒みを感じやすいです。
ちなみにシュウ酸カルシウムの数が多いのは長芋なので、長芋のすりおろしたものが口の周りなどに付くと痒みを感じやすいです。
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対処方法
ここからは山芋に含まれるシュウ酸カルシウムの針状結晶が原因で起きる、肌・口の周りへの刺激・痒みをできるだけ感じないようにするための対処方法をお伝えしていきます。簡単な方法で解決できる可能性がありますので、是非試してみてくださいね。
やまいもを酢水にさらす
シュウ酸カルシウムの針状結晶は酸にさらすと溶解しやすいとされています。そのため、山芋を調理前に酢水にさらすことで、肌への刺激・痒みが軽減される場合があります。酢水にさらすことで、アク抜き・変色防止にもなりますのでおススメです。
加熱する
シュウ酸カルシウムの針状結晶は、加熱することで溶解するとの報告もあります。そのため、山芋の加熱調理をすることで肌への刺激・痒みを感じにくくなる場合があります。炒め物・煮物・味噌汁やスープ・すりおろして焼くなど、調理方法も豊富なのでお試しくださいね。
まとめ
ここまで、山芋による肌への刺激・痒みの原因について詳しく見ていきました。
山芋アレルギー・アレルギーでなくとも、山芋には「アセチルコリンの仮性アレルゲン」によるアレルギーに似た症状や「シュウ酸カルシウムの針状結晶」による肌への刺激・痒みを感じる可能性があります。
特にとろろ芋にした際に感じる口の周りの痒みや刺激・山芋を素手で触った時に起きる痒みや刺激の多くは、シュウ酸カルシウムの針状結晶が肌に付着することが原因と言われています。これらは、アレルギーではないので誰にでも起こりうる可能性があります。
山芋の調理前に「酢水にさらす」・山芋の「加熱調理をする」ことで、シュウ酸カルシウムの針状結晶を融解するとされており、痒み・刺激が弱まります。いつも山芋を触る・食べると刺激や痒みを感じていた人は、是非簡単にできますので試してみてくださいね。
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