山芋と長芋は別名で同じもの?何か違いはある?それぞれ代用はできるの?

受験シーズンになると特徴的な粘り気から願掛けに選ばれる山芋は、栄養価も高く滋養強壮効果や消化の良さも魅力的な食材ですよね。また世界で唯一生食できる珍しいイモ類としても知られ、調理方法の豊富さも重宝される理由です。

今回はそんな人気な食材・山芋と長芋の違いについて詳しく見ていきます。長芋はよく購入しているけれど…といった方も必読ですよ。

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山芋と長芋の違いとは?

ここからは、山芋と長芋の違いについて詳しく見ていきます。スーパーなどでは品種に問わず山芋と書かれている事も多いので、違いについてご存じなかった方もいるのではないでしょうか。山芋は全て特徴的な粘り気がある芋なので、気にする事も無かったなんて方もいらっしゃるかもしれませんね。

山芋は「ヤマノイモ科」の総称

実は山芋という品種はありません。山芋は「ヤマノイモ科」に属するイモ類の総称で、大きく2つの種類(ナガイモ種とヤマノイモ種)に分類することができます。ナガイモ種には更に大きく3つの群(ナガイモ群・ツクネイモ群・イチョウイモ群)に分けることができ、ヤマノイモ種には自然薯が含まれています。

長芋は山芋の一種

長芋はヤマノイモ科ヤマノイモ属のナガイモ種ナガイモ群の代表的な品種で、流通量が最も多い品種です。秋から早春の間に旬が2回もあるため、馴染みのある方も多いのではないでしょうか。11月初め~12月にはみずみずしい秋掘りの長芋が、3月~4月には濃厚な旨みの春掘りの長芋が収穫されています。

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山芋と長芋は代用できる!

山芋を使ったレシピの代わりに長芋を使っても美味しく頂けるか気になりますよね。ここからは、山芋と長芋の味わい・食感などの違いに注目してみましょう。山芋も長芋も栄養価に大きな違いはないので、栄養豊富な食材です。

水分量が違うため食感は異なる

長芋と呼ばれる品種と一般的に山芋と呼ばれる他の品種は、味わいの濃厚さなどに多少の違いがあるものの、味わいはあまり変わりません。含まれる栄養価も多少違う程度です。しかし含まれる水分量の違いから、すりおろした際の粘り気の強さや食感には違いがあります。

特にとろろにする時は、長芋のとろろを長芋以外の山芋で代用する場合、出汁を多く混ぜて粘り気を調節する必要があるでしょう。そのため他の山芋の代わりに長芋を使う場合は、他の山芋ほど粘り気が強くないと言えます。

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長芋以外の「ヤマノイモ科」

ここからは、ヤマノイモ科に属する長芋以外の代表的な山芋をご紹介します。一口で山芋と言っても色々な形の山芋があり、粘り気も様々です。また地方によって呼ばれ方が変わる山芋もあるので、出身地の違いによっては認識が違う事もありますよ。

自然薯

自然薯(じねんじょ)は、日本原産の山芋で山に自生していることからその名が付きました。本来の自然薯は細長いくねくねとした形状で、以前は栽培が困難なため山堀が主流でした。しかし近年ではパイプ栽培が普及し、形状の真っ直ぐな自然薯が流通していますが依然として希少価値は高く高価なことが多いです。

旬は11月~12月頃で、濃厚な味わいで非常に粘り気が強いのが特徴です。

大薯

大薯(だいじょ・だいしょ)も、ヤマノイモ属の仲間でヤムイモの一種です。日本には台湾から沖縄を経て九州に伝わったとされるため「台湾山芋」「沖縄山芋」などとも呼ばれ、九州地方では「つくね芋」とも呼ばれています。大薯には白色タイプ・紫色のタイプがあり、非常に粘り気が強く濃厚な味わいが特徴です。旬は11月~12月です。

いちょう芋

 

本来のいちょう芋扁平で下部が扇形に広がっている形状でしたが、近年は平たいもの・長芋のような丸い棒状のもの・バチ状のものなどが多く流通しています。そのため長芋と見た目だけでは区別がつかない場合もあります。いちょう芋は地方によって様々な呼ばれ方をしていて、特に関東を中心に「大和芋(やまといも)」と呼ばれています。

旬は11月~1月頃で、長芋に近いシャキシャキとした食感ですが、長芋に比べ粘り気は強いです。

つくね芋

つくね芋ヤマノイモ属の一種で、市場では「山の芋(ヤマノイモ)」と表記とされていることが多いです。丸みを帯びた形状で粘り気の強さが特徴的で、自然薯と同じく希少価値が高いです。関西で「大和芋(やまといも)」といわれるものは、このつくね芋を指します。

旬は10月~春先までと比較的長く、独特の粘り気から和菓子にも使用されることがあります。特にとろろにするとつくね芋の美味しさが際立つとされています。

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まとめ

ここまで、山芋と長芋の違いや代用できるかどうか・山芋と呼ばれている代表的な品種をご紹介していきました。山芋は「ヤマノイモ科」に属するイモ類の総称で、山芋という品種はありません。長芋はヤマノイモ科に属する代表的な品種の1つで、秋から早春の間に旬が2回もあることから流通量が最も多い品種です。

長芋は他の品種に比べ水分量が多く含まれているため、すりおろした際の粘り気の強さや食感に違いがあります。そのため長芋の様なとろろを他の山芋で代用する際には、出汁などでのばして粘り気を調節する必要があるでしょう。

ヤマノイモ科に属する長芋以外の代表的な山芋に「自然薯(じねんじょ)」「大薯(だいじょ・だいしょ)」「いちょう芋(関東では大和芋とも呼ばれています)」「つくね芋(関西では大和芋と呼ばれています)」などがあります。

それそれに細かな特徴はありますが、全て長芋よりも粘り気が強いです。長芋に似た形状のものや表記が山芋とだけされている場合もあるので、特徴的な形状での区別や難しい場合は店員さんに確認することをお勧めします。是非、栄養豊富な山芋を手に取ってみてくださいね。

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